宇宙に存在する「気」


20110617.JPG(2011年6月16日朝6時44分 東京都港区 有栖川宮記念公園にて撮影)

 

【宇宙に存在する「気」】

 約137億年前にできたといわれている宇宙に、地球は46億年前誕生したといわれています。そもそもその宇宙は、無限に広がるという説もありますが、実は無限ではなく有限であるという解釈が定説です。つまり、宇宙は膨張をし続けているのですが、やがて縮小に転換し、最終的には終末に至るのだそうです。

 

 これは、「宇宙の終焉」理論として、宇宙物理学の分野で、様々な研究がなされ、議論されてきたことです。

 

 まず、宇宙にあるどんな星も中心核と外層のバランスが崩れて膨張しつづけ、ついには赤色巨星になります。その後最終的には自身の核エネルギーを使い果たして、超新星爆発が起こるということです。星の外層のガスは衝撃波によって吹き飛ばされ、星は一生を終えるそうです。

 

 たとえば、太陽は今から50億年後に核エネルギーを使い果たして燃え尽きるといわれていますが、そのとき地球がどうなるかははっきりわからないということです。おそらくドロドロに燃えてしまうようです。

 

 現在、地球周辺で近いうちに超新星爆発を起こすと予測されている星は、さそり座のアンタレス(Antares)と、オリオン座のベデルギウス(Betelgeuse)だそうです。アンタレスは、夏の南の空に赤く輝く1等星ですが、直径は太陽の600倍ないし800倍で、非常に大きな赤色巨星で、地球からの距離は約550光年です。ベテルギウス(平均等級 0.58等の変光星)は、地球からの距離は約640光年ですが、質量が太陽の約20倍もあります。ベテルギウスが超新星爆発を起こした際には地球にも何らかの影響が出ると言われているそうです。

 

 そして、10の14乗年後(100兆年後)になると、銀河中のガスはほとんどなくなり、新たな星が生まれなくなり、宇宙には輝きのない星とブラックホールだけの暗黒世界になり、宇宙も終焉を迎えると言われています。

【参考】

http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/report/?id=20091201-90007962-r25

 

 

 こういった「宇宙の終焉」に関係して、日本の古典では「明月記」(鎌倉時代の公家藤原定家の日記。定家が1180年から1235年までの56年間にわたり克明に記録した日記)に書いてあります。藤原定家がまだ生まれていない時期の出来事を書いたものですが、1054年(天喜2年)の夏の夜、「オリオン座の東、おうし座の近くに客星(かくせい)が現れて、木星のように明るく輝いた」(現代風に意訳)とあります。客星とは彗星や超新星のように、突如として出現するものを意味するそうです。ちなみに、おうし座の客星は大爆発の後、かに星雲(M1)として存在します。

【参考】

http://www.tdk.co.jp/techmag/museum/museum51.htm

 

 

 さて、この「M1」といった記号について少しご説明します。シャルル・メシエ(1730年~1817年)というフランスの天文学者は、彗星の発見に没頭しましたが、その中で彗星と見間違うような星雲、星団に番号を付して、これと区別をしました。メシエの頭文字であるMを星雲、星団の頭につけました。有名なものとしては、M31=アンドロメダ星雲、M45=プレアデス星団(和名はスバル)などが挙げられます。ウルトラマンの故郷として知られるM78星雲は、オリオン座の中に存在しています。このように、星雲、星団にメシエの番号を付したものを「メシエカタログ」といい、メシエの生前に出版されたカタログには103個が収められていましたが、その後、助手のメシャンによる追加などがあり、最終的には110個になったようです。

【参考】

http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%83%A1%E3%82%B7%E3%82%A8%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%82%B0/

 

 少し話がそれましたが、このように、宇宙は、誕生し、成長し、成熟し、そして縮小し、黄昏を迎え、最終的に死に至るものです。

 

 人間は、生物体として宇宙に存在する以上、宇宙の一つの構成物であり、宇宙と一体ですから、およそ人間は、この有限である宇宙に存在する小さな一つの存在として、宇宙と同様に、全て有限であって、「死」の世界に直面しながら生きるのです。人間の誕生から死までを大まかにたどってみると、まず人間は卵子と精子が結びついて胎児になり、そして成長し、成熟し、枯れ始め、黄昏れ、そして死を迎えますが、これは宇宙と同じなのです。ちなみに、人間が誕生するためには、女性が十月十日胎児を抱えることが必要ですが、それほどの長い間異物を体内に抱えることは、男性の生命力ではもたないでしょう。つまり、男性と女性では生命力が違い、つまりエネルギーが違い、その結果男性と女性の平均寿命を見てみても、女性の方が寿命が長いのです(厚生労働省の平成21年簡易生命表によると、日本人男性の平均寿命が79.59 歳であるのに比べて、女性は86.44歳と、6.85歳も違います)。

 

 また、宇宙に存在する物質を最小単位まで掘り下げてみてみると、原子核の周りを電子が回っている原子からできています。そこから波動が生じます。つまり、全ての物質は波動を出しているのです。先ほど全ての生物体はエネルギーをもつと言いましたが、波動エネルギーは、人間を含む生物体はもちろん、生物体たり得ない物質も持っているものです。言いかえれば、宇宙は波動エネルギーで出来ているのです(これは、アインシュタイン等によって量子力学が確立されたことで明らかになったことです)。

【参考】

・「波動整体療法」(本多和彦著、文芸社、2000)

http://ok-hado.ftw.jp/u24442.html

 

 

 このように、宇宙に波動エネルギーがあると同様に、人間にも波動エネルギーがあり、また、宇宙に存在する全ての物にも波動エネルギーがあるといわれています。先ほど男女のエネルギーの違いや寿命の違いについて少し触れましたが、エネルギーが違うということは、波動も男女で違うということでしょう。こういった波動の影響で、例えば色についても、男女は色が違って見えるのではないでしょうか。そして、東洋医学でいう「気」は、今の科学では客観的に数値化することができませんが、この宇宙に存在する波動エネルギーを「気」と称しているのでしょう。

 

 こういったプロセスや、「気」(波動エネルギー)については、何も人間をはじめとした生命体だけに言えることではなく、我々が扱っている政治でも、法律でも、経済でも同じことが言えるのではないでしょうか。すなわち、それは人間の産物だからです。

 

 

 東洋医学でいう「気」という概念を法の世界に当てはめてみると、気を張りすぎず、気づまりすることもなく、かといって、気後れすることのない「中庸の精神」(かたよることのない「中」を以て「常」の道をなし、易(か)わらないことをいう)を養うことが肝要かと思います。中庸は、人間にとって安定性こそが極めて大事であること、すなわちバランス感覚が大切であることを語っています。これを指導者、リーダーにあてはめて考えると、リーダーになればなるほど前に進もうとする力が強くなり、安定性を失いがちになりますが、それ故に安定性を保つことが大切であるということです。これは、気、バランス感覚を養い、自己管理ができることが重要であることを意味します。そのためには、まずは、政治でも、法律でも、経済でも、そこに流れる「気」は、バランスをもったものであり、それには、まずはおよそ私心を離れた世界のものであるということを十分意識する必要があるでしょう。

(続く)

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