(2011年6月21日午後15時15分 静岡県沼津市 小生知人ご自宅付近にてペチュニアを撮影)
6月17日付「気」に関する第1回のブログで、宇宙にある「気」なるものについて述べましたが、私は、かねてから東洋医学の基本概念であり、中国思想全体を通じてもっとも重要な概念の一つである「気」、それと関連して「波動」や「微弱エネルギー(サトルエネルギー)」について、以前から興味をもっていました。これらは、なかなか分かりづらいテーマであって、表現することが難しいことですが、前回に引き続き、私の弁護士としての仕事を通じて理解したところを、稚拙ながらもブログ記事としてまとめていきたいと考えています。
まずは、私の弁護士としてのノウハウの一つである「胸騒ぎ」とその解消方法である「気づき」について、触れたいと思います。「胸騒ぎ」、「気づき」は、弁護士に限らず、どの業種・業界に属する方にも、共通の事象かと存じますから、大いに参考にしてください。
【「胸騒ぎ」とは】
トラブルに遭遇しそうなとき、そして現に遭遇したとき、多くの人は「胸騒ぎ」を覚えます。
私は、弁護士として、裁判手続きを進めているうちに、特に、裁判官とやり取りをした後に、「胸騒ぎ」を覚えることがあります。つまり、私の依頼者にとって不利益な結論を、裁判官が心証として抱いているのではないか、という局面で「胸騒ぎ」を覚えます。勿論、団体交渉でもそうです。交渉の相手方との折衝で「胸騒ぎ」があるとき、すなわち不安を予知して、心が穏やかでなくなるのです。例えば、折衝・交渉の途上において、「組合はストライキを行うことを内心決意しているな」と感じた時です。
この「胸騒ぎ」は、相手の心を直感で感じることなのですが、実は、相手の「気」という微弱な電気エネルギー(波動、一種の警戒信号のようなもの)が当方に伝わって、いささか大げさに言えば、当方の心をかき乱すのではないかと思っています。かき乱すというほどの大げさな表現ではないとしても、当方の心に乱れが生ずるというものではないかと思います。(よって、相手にこの「胸騒ぎ」を招かせないよう、無表情で内心を顔色に表さない「ポーカーフェイス」で交渉にのることは、すぐれた交渉担当者の常套手段といえるのではないでしょうか。)
人間は頭部、胸部、腹部にかけて、身体の中心線上に7つの経絡に重なる位置に、「チャクラ(サンスクリット語で『車輪・円』を意味するそうです)」というものがあります。チャクラは、人間の精神的エネルギーの中枢を司り、そこに気が集まるという機能があるそうです。チャクラを用いて説明すれば、「胸騒ぎ」は、「ハートのチャクラ」(心臓、循環器系、肺、肩、腕、あばら骨、乳房、横隔膜、胸腺)の反応ということになります。生物は、どんな生物でも全身センサーだらけです。第五感まではもちろんのこと、第六感(=直感そして霊感〔霊性〕)もそのセンサーの対象に入っています。魚のエラは、ガス交換、浸透圧調節、アンモニア排出など多様な機能をもっており、魚類の最も重要な呼吸器官の1つです。このエラは、人間の「胸腺」にあたります。「胸腺」とはあまりなじみのない臓器ですが、身体のほぼ中央で胸骨の後ろ、心臓の前面にある小さな臓器です。「胸腺」は、特に人間の幼少期において、身体の免疫をつかさどる重要な働きをもっているとされています。ハートのチャクラは、誰かの想いや愛情感覚を受け取ったりするテレパシー感覚、よい想いだけでなく絶望、憎しみ、うらみ、そして恐れなども受け取る役割をしているそうです。「胸苦しい」という言葉がありますが、これはまさに胸腺が収縮し、負の感覚を受け取り、閉塞状態にあることを示すのではないでしょうか。「胸騒ぎ」の反対用語として、「胸のつかえが下りる」「胸を撫で下ろす」「胸が躍る」「胸ときめく」という言葉がありますが、これは胸腺の閉塞状態とは反対の、解放の状況を示していると思います。(尚、アトピー性皮膚炎という病気がありますが、胸腺の病気と理解するのが優れた医師の判断でしょう。)
また、辞書を引いてみると、「胸騒ぎ」とは、「心配・驚き・凶事の予感などのために胸がどきどきして心の穏やかでないこと」ですが、これは「虫の知らせ」=「何の根拠もなく、何か悪いことが起きそうな予感を感じること」(広辞苑第三版、三省堂)とほぼ同意義です。要するに、「胸騒ぎ」と「虫の知らせ」というのは、トラブル等を「予知」することですが、これは五感以外の感覚、第六感を通じて行っていることでしょう。(第六感については、次回以降でまたお話しします。)
つまり、「胸騒ぎ」は、今後の展開がおもわしくない時、あるいは今後の展開が読めないことへの不安感を「(ハートの)チャクラ」すなわち気を通じて相手の気を第六感で受け取って予知している兆候であり、このいやな感覚を払しょくして克服することこそが、トラブル解決への道となるでしょう。
【参考】
・http://www7.plala.or.jp/bumboo/amulet/4/cha4.html
弁護士は、裁判といういわば“トラブル”に日々直面することが仕事ですが、重要なのは、担当する事件の事実関係や法的考察に関する「胸騒ぎ」を迅速・的確に感じ取って、対処のための正しい方向性を発見することです。先に述べた通り、「胸騒ぎ」は自分に発せられた一種の警戒信号ですから、事態を直視し、これを早いうちに解決する必要があります。「胸騒ぎ」が強まる状態は、ストレスをもたらすのみならず、問題点がそのままにされ、不安がつのり、一層自分の判断に「冴え」がなくなり、それに伴って殊更に疲労を重ね、蟻地獄のような状況に陥って、勝ちぬくどころか致命的な敗北を喫する危険すらあります。
「胸騒ぎ」に備えて、「胸騒ぎ」を消す方法を工夫するのが弁護士としての務めなのです。その工夫する方法は、依頼者に不利な方向ではなく、有利な方向にむけて創意工夫をするということです。いわば、「胸騒ぎ」から逃げず、「胸騒ぎ」に立ち向かって、それを克服する術をまさに直感的、第六感的に悟ることにあります。「直感的、第六感的に悟る」ことを私は「気づき」と呼びますが、次回は、この胸騒ぎの解消方法「気づき」についてお話しします。
(次回に続く)