2011年8月のアーカイブ

気は心


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(2011年8月4日朝6時36分 東京都千代田区 靖国神社付近にて撮影)

 

 

 

【気は心】

  他人から何かをしてもらった時、何かをプレゼントしてもらった時、何か「親切」を感じた時に、「気は心」という言葉を使います。親切心は、人間と人間を結び付ける絆の一つです。人間という言葉は「人の間」と書き、人と人との間にこそ人間としての存在意義があります。そして、自分がどんなに苦しくて大変な状況になっても、人間には他人に思いを馳せることができる能力があります。これが「親切心」でしょう。「親切」とは、「弱い立場にある人や困った目にあっている人の身になって、何かをしてやったりやさしく応対したりすること」(新明解国語辞典第6版、三省堂)です。円滑な人間関係を構築するためには、「親切」という、人間同士を結合させる「心」、「気」の働きは極めて大切なことなのです。

 

 

  私は、「心」の周りにあるモヤッとしたものが「気」だと思います。つまり、「気は心」という言葉は、「心」の更に外側に大きな「気」というエネルギー地帯があるということを意味しているのではないかと思います。逆に言うと、「気」の核を「心」というのではないでしょうか。「気は心」という言葉を短縮して「気心」という言葉がありますが、つまり、「気」と「心」はまさに一体のものであることを意味していると思います。そして、「気」の方が「心」より先に表現されているのは、「心」より「気」の方が大きいということを意味しているのでしょう。

 

  「気心が知れた」、「気心が分かる」という言葉がありますが、「気」その核心の「心」を持つことができ、それを知ることができるのは「気」「心」には微弱エネルギーや波動といったものがあるからでしょう。

 

  「気は心」という世界を実現するためには、「気」という物事を察知する警報なりアンテナなりを張り巡らさなければならないと思います。そうでなければ、「気は心」という親切心は成り立ちません。人間の器というものは、実はこの「気」というアンテナの大きさ・深さによって勝負しているといって良いのではないでしょうか。

 

  また、「縁は縁を繋いでこそ円になる」という言葉があります。私は今まで、交際範囲の広く信頼のおける多くの知人から様々な人物をご紹介していただき、それによって私も交際範囲を広げることができ、多数の企業様からご依頼を受ける事務所へと成長することができました。

 

  ブログの交友録その3(7月26日付記事)でご紹介した曹洞宗大本山總持寺祖院の監院である今村源宗先生は、2000年9月からお付き合いさせて頂いている七尾自動車学校 代表取締役社長 森山外志夫様にご紹介いただきました。今村先生はお会いした同日の7月19日付のお手紙で「人に学ぶということが第一番の『縁』と存じます」という有難い言葉を寄せてくださいましたが、まさにその通りであると思います。

 

  ですから、私も、自分の親しい知人を別の知人へとご紹介する仲立ちをし、いってみれば弁護士活動ひいては人間としての活動の支援をさせていただいております。こういった他人に対する「気づかい」こそ、「気は心」という世界の一つの現れかと思います。

 

 

 

【弁護士は「気は心」の精神で臨む】

  弁護士はなんといっても自分の良心を示す、「気は心」の精神で臨まなければなりません。つまり、弁護士は絶えず依頼者のことを思い、そしてその思っていることを依頼者に伝え続けること、親切が必要でしょう。

 

  何かの折に気がかりなことが生じた時、あるいは音信がない時に、依頼者のことを思って、それとはなく電話をするなり、あるいは書面・メールを送るなりして問い合わせ、確認することが必要です。

 

  仕事を貰うまでは依頼者によく連絡をし、仕事を頂いたら(たとえば弁護士について言えば委任状をもらったら)、もう依頼者から連絡なりがなければ放っておく等、受動態のスタンスになる、さらにいえば冷たい態度をとる弁護士が多いのですが、それは「気は心」という世界を演出していない、あるいはそういうような気持ちになれない人物なのでしょう。こういった弁護士は、いずれは社会的評価の低い存在になってしまうでしょう。

 

【私心とは】

  私は、「気は心」の精神を絶えず心に留めて弁護士として仕事をしてきました。「気は心」の精神とは、つまり、「真・善・美」を追求する姿勢と、「夢・愛・誠」を旨として取り組み、またそれだけではなく、「義理」・「人情」に生きて、「(自己)規律」を負うという態度をとってきたということなのです。

 

  こういった対応を私は「良心にもとづいて仕事をする」という言葉を使って説明していますが、この「良心」とは、その詳細は「何が善であり悪であるかを知らせ、善を命じ悪をしりぞける個人の道徳意識」(広辞苑第4版)と解されています。

 

  「良心」に対峙する言葉は、「私心」です。およそ「私心」というのは、霊的ではなくて、動物的な意識です。

 

  「私心」のあるなしは、全ての人に関係することであり、「私心」のある人は、浅い人間関係社会において、かろうじて生きていくことになります。

 

  つまり、「私心」とは「私欲」とか「利己主義」という意味にも理解されるものであって、そして「邪心」、つまりよこしまな心、不正な心のことでもあります。つまり、人間性を失った心ということです。人間性を失ったということは、人間としての意識・霊性をも失ったということでしょう。人間は社会的動物と言われますが、「私心」があれば社会性を失うということにもなります。

 

  「私心」という邪悪な心をとりまく「気」は、もちろん邪悪であり、そういった「気」を発しても、相手は受け取らないでしょう。要するに、他人に「心」が伝わらない人は、「私心」のある人で、邪悪な気のエネルギーを有しており、相手に「邪心」として映って反発されるからです。それが人と人との協調を阻むことにもなります。

 

 

【良心に悖る】

  「良心に悖る(もとる)」という言葉があります。「悖る(もとる)」とは、「そむく、さからう」という意味です。「良心に悖る(もとる)」は、広辞苑には載っていないのですが、不思議なことです。そもそも、この「良心に悖る(もとる)」という言葉が、一般に慣用語句として使用されていないということでしょうか。この言葉は、例えば日本初のヨーガ行者で天風会の創始者である中村天風先生の本『中村天風 一日一話 元気と勇気がわいてくる哲人の教え366話』の8月30日に記載があります。

 

  「本心(「本心」とは広辞苑によると良心と同意義です)良心にもとった言葉や行いというものは、それ自体すでに消極的なんです。積極的じゃないんであります。というのは、本心良心にもとると、やましい観念のために心の力は常に萎縮してしまう。本心良心の発動した場合における言葉や行いというものには、一点のやましいことがないから、どんな場合でも恐れることはないという意味です。ですから、一言ものをいうときでも、ちょいとした手足を動かす場合でも、本心良心にもとらないようにしなくてはなりません。」

 

  ところで、嘘発見機(代表的なものとしてポリグラフを使用した装置が有名)という装置を皆さんも耳にされたことがあるかと思います。この装置は血圧や心拍数の変化を読み取ったり、脳波や声紋を測定したりと様々な種類のものがあるようですが、本心良心にもとる言葉や行いを発すると、その邪悪な「気」や「心」の働きから人間の生理現象に変化が表れ、この装置に反応するのではないかと思います。

 

 天風先生の上記言葉を簡単にまとめれば、良心にもとるとなると、やましい観念のために心の力は常に萎縮してしまいますが、良心の発動した場合における言葉や行いというものには、一点のやましいことがなく、全身全霊で取り組んでいるから、どんな場合でも恐れる必要がないということです。

 

 また、火事場の馬鹿力、という言葉があります。これは、科学的に言えば、人の脳というのは、筋肉を動かしたり、行動を起こすときに、普段は70%~80%程度の力しか出さないよう、脳がコントロールし、セーブしているのだそうです。なぜなら、常に100%の力で筋肉や身体を動かしていると、筋肉や骨に負担がかかり、身体を壊してしまうからだそうです。しかし、「火事場」のような、危機的状態や人を助けなければならないような状態に遭遇すると、この脳のセーブ機能が外れ、アドレナリンによって増幅され、そして100%の力(パワー)を発揮出来るのだそうです。

【参考】

http://blog.goo.ne.jp/senses1123/e/9b76419e188fe3c596577cfad33d1a4c 

 つまり、「火事場の馬鹿力」は、いってみれば潜在的能力のことで、これは、邪心を捨てて、良心に従い、「心」の力を強く持つことによって、「心」のブレーキが切れたときに、「心」の力が強くなってその力を引き出すことが可能になるということでしょう。そのときは単に「心」だけではなく、「心」を覆う「気」も解放され、心力とともに気力も充実し、強大になるのだと解釈しています。

 

 次回以降も「気」に関係するブログを投稿します。

 

高井・岡芹法律事務所
会長弁護士 高井伸夫

(次回に続く)

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(2011年7月31日 朝6:58 東京都千代田区日比谷公園にてインパチェンスを撮影)

 

 

(1) 株式会社木村興農社 代表取締役 木村 秋則 先生

 7月24日(日)11時45分から12時40分まで青森空港の和食処ひばにて木村秋則先生にお会いしました。

 木村先生には、来年2012年12月7日(金)に弊所が開催する年末講演会にご出講をお願いしたところ、ご快諾をいただいたので、今回青森に赴いた際に空港でお会いした次第です。

 先生は、自然の力のみを利用した自然栽培農法を20年余にわたり、実践されていて、特に不可能といわれてきたリンゴの無農薬栽培を成し遂げ(もともとリンゴは通常十数回の農薬散布が必要なほど病害虫に弱いそうです)、ニュートンやライト兄弟よりも偉大な奇跡を成し遂げた方とも言われています。2006年12月7日NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で先生の特集が放映され、りんごの無農薬栽培を成功させるために試行錯誤、苦闘されてきた先生のエピソードは、視聴者の大きな反響を呼んだそうです。

 このNHKの番組を基に出版された先生のご著書「奇跡のリンゴ」(幻冬舎、2008)を私も購入し拝読しました。リンゴの持つ本来の生命力を信じ続け、そして成功を収められたエピソードは、リンゴに限らず、私たち人間も、自らの「生命力」「生きる力」について見つめなおし、中医学やホメオパシーなどの代替療法を取り入れ、ホリスティック医学(生命ある人間のからだを環境も含めた丸ごと全体としてとらえ、いのちのエネルギーを高めていく)の確立をしなければならない時期にあると感じました。(ホリスティック医学については、7月12日付の「7月第2週 2日(日)~9日(土)の交友録」もご覧ください。)

 先生は、自然保護の観点から様々な事柄に取り組んでおられる方です。また、この不況下にも関わらず、年間200回もの講演を引き受けておられ、お会いした前日の23日も八戸で講演されて青森県弘前市にご帰宅の途上、空港で落ち合ってお会いさせていただいた次第です。

 実際にお会いしてみて、津軽弁丸出しの素晴らしい話術の持ち主で、かつ非常に明朗闊達な方という印象を受け、年末講演会では必ずや素晴らしい講演をして下さるに違いないと確信致しました。私からは、「僅か1時間ほどの講演ですが宜しくお願いします」と申し上げ、今後、年に1~2回のペースでお会いさせていただき、講演に備えていただくことになりました。

 先生にご講演いただく2012年12月7日(金)の年末講演会には、皆様もふるってご参加のほどよろしくお願い致します。木村秋則先生の講演を大いに楽しみにしましょう。

株式会社木村興農社HP  http://www.akinorikimura.net/

(2)   双日株式会社 社長 加瀬 豊様・執行役員 西原 茂様・秘書部上級主任 五十嵐 なみ穂様

 7月26日(火)夕方18時30分より21時近くまで、加瀬 豊様、西原 茂様、五十嵐 なみ穂様とリーダーシップセミナーの取材のため東京・芝とうふ屋うかい(東京都港区芝公園)にてご歓談させていただきました。

 加瀬様とは、1988年に加瀬様が日商岩井株式会社で人事部人事チームチームリーダーを務められていた当時にタイ支店でお会いしたのですが、最近のご活躍ぶりを改めて嬉しく思い、今般、リーダーシップについてご教授をお願いした次第です。

 西原様と五十嵐様は、今回初めてお会いしましたが、西原様は、頭脳明晰という印象で、加瀬社長から信頼を寄せられていらっしゃることが分かりました。五十嵐様はベテラン20年選手の秘書さんでいらっしゃいますが、若々しさがみなぎっていらっしゃいました。私は、故・速水 優様とは日商岩井株式会社の代表取締役社長でいらっしゃった当時にご面識がございました(後に第28代日本銀行総裁になられました)が、五十嵐様はその当時から秘書として勤められているとのことでした。

 さて、取材のお話をしますと、予め「リーダーシップ」についてご質問した5つの項目につき、それぞれがご回答をご用意して来て下さっており、それぞれ実務に即した忌憚のないご意見を述べられました。結論的に言えば、「リーダーシップはそれぞれの個性にあったものを確立しなければならない」ということでございましたが、当然のことながら、その必須条件、ポイント、スペック等々を語って下さりました。

 「リーダーシップ」は、私が人生の最後の課題としてチャレンジする75歳からの講演の基本テーマです。私が75歳となる来年の5月9日から100回を期して、全国で講演を行う予定であり、その目的は言うまでもなく、日本人の後継者に日本人によるリーダーシップはどうあるべきかを語ることにあります。ドラッカー論とか何とか論によらずに、日本人の手による、そして、日本の思想家による、更には東洋の思想に基づく、リーダーシップ(統率)論を展開したいという思いからであります。

 あまり偏頗な考え方にならず、おおらかな形で論稿をまとめ、100回達成の時点で本を上梓したいという思いにかられているため、その100回記念が77歳になるか78歳になるか分かりませんが、レジュメを毎日少しずつ更新しながら、より立派なものにしていきたいと考えています。

 そのリーダーシップセミナーのトライアル版は今月5日に札幌において開催するのを皮切りに月1回のペースで開催していき、来年5月からは月に1回に限らず、100回を目指して精力的に開催していきたいと考えています。

(3)    株式会社ティーワイリミテッド 代表取締役社長 依田巽様ご夫妻

 7月30日(土)19:00頃から、西麻布の「椿」というイタリアンレストランの一番奥のコーナーで依田巽様ご夫妻とお食事を共にしました。

 依田巽様とは、1975年頃サンスイでお会いしました。サンスイは労使紛争が激しい企業でしたが、依田様はアメリカで仕事をされることが多く、直接の関わりはありませんでした。ある日、たまたまサンスイ本社で会合があった時に、依田様が丁度帰国されており、その際に初めてお会いしたといういきさつでした。その後、正式な仕事の絡みで面識を得たのは、1995年、依田様がエイベックス・ディー・ディー株式会社(現エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社)代表取締役会長兼社長でいらっしゃった時のことです。以来親しくして頂いていますが、一番印象的なのは、1996年4月27日から5月3日まで、私が団長を務めたミャンマー社会経済使節団として、ミャンマーを訪問した時です。そのとき依田様ご夫妻もご出席されていました。

 私は弁護士になってアジアをほとんど巡回しました。行っていないのはラオスとボルネオとスリランカのみであり、殆どの国にお邪魔しました。ミャンマーにもその後少なくとも3回、計4回、ひょっとしたら計5回もお邪魔しています。一方、依田様は現在、東京国際映画祭のチェアマンとして世界を股にかけて大活躍されている方です。

 7月30日(土)のお食事会では、3時間近くにわたって歓談させていただき、主に依田様の人生の歩み、それからミャンマーでの思い出、リーダーシップ等々のテーマで話が弾みましたが、とりわけ依田様ご夫妻がお元気であったことが嬉しく存じました。依田様の奥様とはミャンマーで一緒だった以降何かのきっかけでお見かけしたことが一度あっただけであって、久し振りに親しくお話しをさせて頂きました。

 依田様はお仕事柄殆ど外食で、奥様は一人で食事をするのにももう馴れてしまったなどと仰ってはいましたが、私は折々依田様にお会いしますので、奥様をも交え何人かの方をお誘いして、ご懇談の機会を折々設けさせていただくことをお約束し、夜10時近くにお開きになりました。

 

 来週は、8月第1週(今週)にお会いした方々のご紹介をしたいと思います。

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