2011年11月4日のアーカイブ

 

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(2011年11月1日(火)午前6時56分 東京都千代田区 北の丸公園にて撮影)

 

 

私が1997年5月以来、しばしばお世話になっている医療法人社団丹伎会 丹羽クリニック院長丹羽正幸先生は、日本統合医療学会代議員の肩書をお持ちで、「統合医療」を実践されているお医者様のうちの一人です。「統合医療」とは、病気で苦しむ人々が本当に必要な医療を自らの意志で選択できる、先端医療をはじめとした近代医学と、伝統医学や代替医療などが融合した医療のことです(「統合医療」については今後詳しくブログで私の思うところを述べるつもりです)。丹羽先生はご自分の治療法を「丹羽式統合医療」という独自の名称を付けて日々治療にあたられています。

 

丹羽先生は、人の生命力は強いもので、どのような病気でも、すべての人が持ち合わせている生命力と自然治癒力を最大限に生かし、身体の総合力を高めれば、根本治療に結びつくという信念のもと、診療と研究を続けられ、「丹羽式統合医療」を編み出されました。「丹羽式統合医療」は、自己のもつ自然治癒力を引き出すことで根本的な部分から治療を行っています。治療の対象を患部だけでなく、骨格や、筋肉、臓器、こころ、脳神経など人間の身体全体をトータルに捉えて行っています。丹羽先生は、「人は身体とこころを持つ生き物です。ですから、病気を治せても身体を根本から治すことは、西洋医学だけでは不可能だと考えます。また現代の医学は、薬で病を治そうとしますが、本来は自分の身体は自分の力で治せるようになるのが理想です。」とおっしゃっています。

 

さて、丹羽先生のご経歴は、1973年に横浜市立大学医学部を卒業され、横浜市立大学附属病院に入局、第二外科で多くの外科手術の執刀を務められました。その後米国カルフォルニア大学サンディエゴ校外科研究室研究員として勉学に励まれ、近代西洋医学の研究者、臨床の現場で日々活躍されていました。現在とは違い、丹羽先生は、もっとも近代西洋医学の真ん中をいく医者だったのです。(しかし近代西洋医学だけでなく、医学部在籍中より東洋医学研究会に所属し、漢方の第一人者、石原明医師に師事されていました。漢方のみならず鍼灸、アーユルベーダ、チベット医学、食養法など東洋医学の研鑽を積まれてきました。)

手術の執刀医を務めるうちに、臓器の病気の変化と体表変化の相対関係に気付かれ、すなわち「病気により生じた臓器の病変」と「体表に現れる歪み」との関係が、手術を行う中でより一層明確になったそうです。そこで、「手術以前にもっと他にすべきことがあるのではないか」と認識され、1988年にご自身で医療法人社団丹伎会「丹羽クリニック」を設立されました。以後、難治性疾患の治療を目的とし、「統合医療」の方法論の確立を目指した治療を行っています。開業以来、23年間で難治性疾患の患者さんを40、000例以上診てこられたそうです。

 

 

「丹羽式統合医療」の目的は、「病気の根本治療」にあります。そしてその特徴は、下記の5つが挙げられます。

(1)    多面的な診断(身体を様々な視点から診る)
近代医学・東洋医学の枠を超え、バランスを考慮して診断されています。

(2)    治療の組み立て(治療の処方)
薬だけを処方するのでなく、完治までの治療計画を処方されています。

(3)    様々な角度からの治療
一つの病気には、一つの病因・症状・身体の状態があるわけではありません。一つの病気には、患者それぞれの病因・症状・身体の状態があります。ですから、治療法も、患者一人一人に合わせて身体の内側・外側・心・脳神経・細胞など、様々なレベルと角度からアプローチされています。

(4)    効果が確認できた治療法のみを採用
代替医療とはいっても、根拠の薄いあやしげな民間療法などを取り入れているわけではなく、長年の臨床経験で効果が実証された代替療法を取り入れています。

(5)    薬・代替療法の処方
上記の(1)~(4)に基づき、薬(漢方薬は100種類以上を常備。西洋薬と漢方薬の相乗効果を引き出す独自の処方)と代替療法(関連施設と協力。「アスクレルーム」、「温熱免疫ルーム」、「音楽音響ルーム」、「TRUE HANDS(正顔・フェイシャル・フットケア)」等)を処方されます。

 

 

また、「丹羽式統合医療」の特徴として、筋骨格系のバランスを整える独自の手技療法「筋骨格系医学」を取り入れています。これは「丹羽式正體術」とよばれ、大変人気のある療法で、全国各地から患者さんがお見えになっています。「丹羽式正體術」はわかりやすくいえば整体、マッサージです。しかし丹羽クリニックでは一般で使用する「整体」という文字ではなく、あえて「正體」という文字で表現しています。「體(たい)」の字には、丹羽先生の深い意図があるそうです。「體」とは「からだ」の古字で、「骨」を「豊」かにすると書いて「體」と書かれているように、「骨が豊かであることが免疫力を高め、健康な体の基本となる」というお考えに由来するそうです。近代西洋医学的に言えば、血液を作る幹細胞は、骨の中にある骨髄でつくられます。「丹羽式正體術」では、筋肉を緩め、血流を促進させることで、幹細胞の働きを促し、どんどん元気な血液をつくり出すことを目的とします。それで、「正體(せいたい)」と書くのだそうです。

 

「丹羽式統合医療」に「丹羽式正體術」を取り入れられた経緯については、丹羽先生に次のように教えていただきました。

 

<“筋骨格系医学とは造語であり、私が医学生時代から40年間に渡り、疾病時における変形した内臓と歪んだ筋肉・骨格系の相対関係に着目・研究し、医学の本質を考えた結果、行き着いた言葉であります。現在私が行っている診断、治療方法において重要な概念であり、医学における治療の本質であると思っております。

46億年前に地球が誕生してから時はながれ、20万年前に新人(現代人の祖先)が誕生し、サルから直立2足歩行の人間として進化するまでの過程をみてみると、筋肉・骨格は大きく変化しています。そして病気に対しても人間への進化の過程を追うことで、ある程度理解出来ると考えます。

ただの解剖学としての筋骨格系という意味ではなく、20万年という新人誕生から直立2足歩行の人間へ進化する過程を考えて、個々の身体の問題を検証し、診断・治療へと進めていく為の概念としての筋骨格系であり筋骨格系医学はデータを基に系統立てた新しい方法論です。>

 

地球が宇宙に誕生した時代の話から、人類がサルから進化した時代、自分の身体の不調の原因論にまで結び付くということは、何とも壮大なスケールの話です。しかし、人間は宇宙の小さな構成物として宇宙に存在する以上、ごく当然のことであるとも思いました。

 

さて、私が丹羽先生に正體を施術していただくと「首が伸びましたよ」「胸が広がりましたよ」という言葉をいただきます。丹羽先生のお話によると「首をのばすとは、首の周りに硬くなって縮んだ筋肉がゆるめられた」ということになるそうです。そして、首の周りの筋肉がゆるむと血管の緊張がゆるみ、血管が拡張することで脳への血流が増え、その結果脳への循環が良くなり、右脳と左脳のバランスが整ってくるのだそうです。私は2度も脳梗塞を発症していますので、脳の神経については非常に興味があります。普段、人は環境や身体の使い方の癖(例えば利き手や利き足)などで偏った脳の使い方をしがちだそうです。ですから、私は先生の正體を受けることで、首の状態を正しい理想的な形にしていただき、自律神経と脳神経の機能を正常にしていただいているのです。

 

また、「胸が広がりました」という意味は、胸部の周りの筋肉をゆるめることをいうそうです。胸部を広げると呼吸がしやすくなると同時に、酸素を取り込む量が増えます。酸素を多く取り込むことで、血中の酸素濃度が高まり、細胞を活性化し、その結果免疫力を高めることにつながるのだそうです。

 

私が先生の正體を初めて受けた時、先生に私の身体は「象のようだ」といわれました。とても人間のかたさではなかったということです。筋肉をゆるめることで、自律神経と脳神経の機能を正常にしたり、細胞が活性化され、その結果免疫力が高められるというなら、私のように身体が「かたい」ということは、私が長らく身体の故障に苦しんでいることと密接に関係があるのでしょうか。

 

丹羽先生にお聞きしたところ、身体が「かたい」というのは、筋肉や骨格、靱帯がかたくなっているということだそうです。筋骨格系がかたくなっていると、身体が歪み、神経や血管が圧迫されて、内臓機能の働きが悪くなります。例えば胃炎、胃痛など胃の調子が悪い場合、実は多くの原因が身体の形態が歪んだり、ねじれたり、腹部や背中の緊張が強すぎることによるもので、胃が圧迫され、胃の動きが悪くなってしまうそうです。こうなると、近代西洋医学のように胃薬を処方するだけでは良くならず、正體で胸部を整え、背中や腹部の緊張をとることで改善されるのだそうです。

 

このように、正體によって骨格のバランスを整えることは、筋肉の緊張を取り、血流やリンパの流れが良好になり、その結果、新陳代謝(ターンオーバー)が高まり、胸部の周りの筋肉を温め、それらによって呼吸が楽になり、結局は自己免疫力が高まって、アトピー性皮膚炎、ぜんそく等が軽減、除去されていくという効果があるそうです。「丹羽式正體術」はアレルギー疾患を除去するという一見意外な効果があるのです。

 

また、身体を「柔らかく」するためには、正體はもちろんのことですが、身体を温めることも必要だそうです。身体を温めることで血行がよくなり、筋肉の緊張や歪みがほどけるということです。「身体を温めると病気は治る」ということについては、イシハラクリニック 石原結實先生、三井温熱株式会社東京施術所所長 岩間功先生、新潟大学 安保徹先生も述べてらっしゃいます(それぞれの先生につきましては、今後ご紹介したいと思います)。

 

「身体を温めること」が健康への第一歩であることは、このようにいろいろな先生が提唱されていることでありますが、私は専門家ではないので詳しいことはまだ勉強不足です。しかし、やや抽象的な話ではありますが、家族や友人が風邪をひいたときに「温かくして寝てね」と声をかけたり、けがをした人や病気で苦しむ人を「温かく見守る」といった、看護の世界で「温かい」という言葉が頻繁に使われるのは、先人からの教えでもありますが、人間が遺伝子レベルで「温めること」が人の癒しになることを体内で情報として持っているからではないでしょうか。

 

また、丹羽先生に治療をお願いすると、必ず安心感があります。丹羽先生の治療は1時間治療するうち、5分くらいしかありません。あとの55分はお弟子さんがされるのですが、この5分間で治療効果が発揮できているという実感がありありと体感できるのです。丹羽先生の肉体的な力強さはもちろんのこと、何より勘所を押すと迫力があります。これは丹羽先生の技術が優れているのはもちろんですが、患者に対して愛情をこめて気を入れて「温かく」治療にあたってくださっているからだと思います。

 

また「丹羽式統合医療」にはもうひとつの柱である、「アスクレルーム」がありますが、次回はその「アスクレルーム」についてご紹介する予定です。

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