(2011年11月16日 朝9:18 神奈川県横浜市 藤が丘駅前にて
「プリンセスミチコ」を撮影)
さて、前回に引き続き、医療法人社団丹伎会 丹羽クリニック院長丹羽正幸先生についてご紹介いたします。
【糖尿病について】
さて、身近な難治性疾患には糖尿病がありますが、丹羽先生は糖尿病についても深く研究をされています。一般的に西洋医学では、血糖値をコントロールする食事療法、運動療法、薬物療法、インスリンを投与する治療法となっていますが、糖尿病は全身病で、代謝の疾患だそうです。西洋医学の行う個々の治療法ではなく、身体全体の代謝を改善してゆき、自然治癒力を取り戻す「丹羽式統合医療」が糖尿病治療にも力を発揮するのです。前々回にご紹介した丹羽式正體術や、前回ご紹介したアスクレルームなどの提携施設(「アスクレルーム」以外の提携施設については次回にご紹介します)の他にも、ビタミン・ミネラル療法も行われるそうです。(ビタミン・ミネラル療法については後述します。)
【アトピーについて】
丹羽式統合医療の実績で最も著名なものはアトピー性皮膚炎の治療です。先生は、アトピー性皮膚炎は、「皮膚」だけの問題ではなく、「身体」の問題であり、身体に問題があるからこそ、その問題点を解消するために体質の改善を行う必要がある、と都度述べられています。糖尿病と同様、アトピー性皮膚炎は皮膚だけの疾患ではなく、全身病なのです。
アトピー性皮膚炎を引き起こす原因は、私たちの身の回りに数多く存在しているそうです。体質、食生活、寝不足、夜型の生活、運動不足、ストレスの増加、生活環境…いろいろな原因があり、人それぞれに多様な原因があるそうです。アトピー性皮膚炎の語源は、「atopos」というギリシャ語が語源で、これは「奇妙な・よくわからない」という意味だそうです。現在主に実施されているのはステロイドを使った治療法ですが、丹羽先生は基本的にはステロイドを使わずにアトピー性皮膚炎を治すことは可能であると考えているそうです。約40年前からステロイドがアトピー性皮膚炎治療の中心として使われてきましたが、ステロイド治療が一般的に使われる一番の理由は、ステロイドには優れた抗炎症作用があるからだそうです。ステロイドを塗れば、痒くて痒くて夜中目が覚めてしまいよく眠れなかったりすることもなく、また炎症がおさまれば皮膚もきれいになります。しかし、ステロイドは、症状をおさえるために使われる薬であって、アトピー性皮膚炎を根治させる薬ではないということです。
丹羽先生は、ステロイドを全く否定しているわけではなく、ステロイドを使った治療はあくまでも「応急処置である」とお考えだそうです。つまり、風邪をひいて高熱がでたら解熱剤を使うのと同様ですが、頻繁に熱を出しているのに解熱剤を使って熱を下げればそれでよしとするのではなく、風邪をひかないような身体づくりをしなければ同じことの繰り返しです。ステロイドも同様で、長期間使用すべき薬ではなく、ステロイドをやめるための身体づくりが必要であると先生は考えているのです。
丹羽先生によると、アトピーの人に共通している弱点は概略以下の4つだそうです。
(1)胃腸が弱く、消化吸収能力が低い
消化吸収能力が低いと、身体が未消化の食べ物をうまく処理できないために、身体の中にあってはいけない異物であると誤認識し、免疫機能を発動させて排除しようとするのだそうです。皮膚の「膚」の字には「胃」という字が入っていることに、丹羽先生は中国医学の先人の深い洞察を感じる、と述べられています。皮膚の表面は、胃腸の状態が改善されることで消化吸収が良好となり、皮膚の栄養状態も良くなります。例えば、下痢や便秘状態に陥ると皮膚の状態が悪化してしまう(潤いがなくなり乾燥してしまう)のだそうです。
(2)皮膚が薄い
皮膚が厚いほど血管が多く、血液もたくさん流れるために皮膚をつくる機能も活発になりますが、皮膚の薄い人はどうしても皮膚の補修・回復が遅く、傷や炎症も治りにくいのだそうです。(また、ステロイド剤は皮膚を一層薄くする原因の一つだそうです)
(3)身体にゆがみがある
皮膚への血液は、必ずその下の筋肉の中を通る血管によって運ばれ、筋肉にゆがみやねじれがあるとそこで血管が圧迫され、その先にある皮膚の血流が悪くなってしまうそうです。
(4)よい汗をかけない
よい汗とは、水分量と皮脂の量が一定の割合でできているものです。例えば、早歩きをした時にかくサラッと流れる玉のような汗です。アトピーの人は、皮膚が薄くなって汗腺や皮脂腺の働きが衰えているため、上手く汗がかけない体になっているそうです。
(1)~(4)を克服し強い身体づくりをするために、丹羽式統合医療では、消風散、十全敗毒湯、補中益気湯、十全大補湯、四物湯、温清飲等の漢方による治療(体質改善)、ビタミン・ミネラル療法(サプリメント。これについては後述します)、正しいスキンケア指導、丹羽式正體(ゆがみを治して、皮膚の血液量を増加させる)を行っているのです。アトピー性皮膚炎で悩む人はもう何十年もステロイドを塗っている人が多いと聞きます。私の事務所にもアトピー性皮膚炎に悩む女性秘書がいますが、その秘書は、生まれたときからずっとステロイドを塗って症状を抑えているそうです。一度、丹羽先生が実践されているように、体質改善をしようと努力をしたそうですが、結局「すぐにかゆみがなくなり皮膚がきれいになる」ステロイドを使ってしまっているとのことです。このように、ステロイドの即効性から、長期間ステロイドを塗っている人が多いのが現実ですが、丹羽先生は、徐々にステロイドを少なくして、体質を改善し、皮膚を厚く丈夫にして、皮膚の免疫力を取り戻す、ということが大事だとおっしゃっています。そしてそれには根気と努力が必要だそうです。ステロイドは一瞬にしてかゆみを確かにとってはくれますが、身体全体の代謝を改善してゆき、自然治癒力を取り戻すという丹羽式統合医療の、一見遠回りに思える方法が、アトピー治療の根本治療として正しいといえると思います。本当にアトピー性皮膚炎を完治させたいなら、対症療法に依存する西洋医学だけではもはや限界なのでしょう。
【ビタミン・ミネラル療法(サプリメント)】
丹羽クリニックでは、上述してきたとおり丹羽式統合医療の中でビタミン・ミネラル療法も行われています。
「体内の環境を良くし他の治療効果を上げるもの」、「機能低下を抑制し代謝を助けるもの」、「免疫力を助けるもの」など、病気の方すなわち患者さんが長期間摂取しても問題が無く、しかも治療効果を上げることが出来るものである、ということがサプリメントで重要なことだそうです。丹羽先生は、38年間ビタミン、サプリメントを研究し、データを取り続けられていて、丹羽先生曰く「良いサプリメントは、飲みはじめて2週間程度で効果が現れるものであり、サプリメントで重要なのはクオリティの高い原材料を使用することと効果を最大限に生かす組合せであり、なおかつ健康被害がないものである。」とおっしゃっています。また実際市販されているサプリメントには、利用していても効果が無いもの、健康被害を出しているものが非常に多く存在しているそうです。丹羽クリニックで使用するサプリメントは、丹羽先生自らが処方を考え、原材料、配合などを監修し、臨床で安心して患者さんに使えるもののみを使っているのだそうです。市販されているビタミン、サプリメントの中で、最も効果が高いそうです。
サプリメントの中でも、ビタミンA、ビタミンCは体の状態を良くするための基本となるものだそうです。以下は丹羽先生から教えていただいたビタミンA、Cの説明です。詳しくは、丹羽先生もしくはスタッフの方々に聞かれると良いでしょう。
◎ビタミンA
人の身体は、体の外界に通じる部分は皮膚・粘膜で全て覆われています。ビタミンAは、皮膚・粘膜の働きを正常にして、体を良い状態に保つ為には欠かせないビタミンです。
・ 一般的に欠乏すると、夜盲症、感染に対する抵抗力の低下、成長不良、骨・歯の発育不良と変形、皮膚や粘膜の角質化、皮膚の異常乾燥、色素沈着などが起こると言われています。
◎ビタミンC
ビタミンCは、体内へきちんと吸収されると、体の65%以上を占める水の部分で幅広く作用し、様々な効果をもたらすビタミンです。その主な効果は、抗酸化作用であると言えます。ビタミンCは水溶性であるため多く摂取しても排泄してしまうと思われがちですが、実は体の重要な部分(脳、下垂体、副腎など)に多く存在します。ストレスや病気などで消耗されると、そこから補てんされ、現代人のほとんどは潜在的にビタミンC不足と言えます。ビタミンCは多めに摂り、重要な部分が十分満たされた状態で初めて色々な働きをしてくれます。代謝系も含め細胞レベルで状態を良くしていく為には必要不可欠なサプリメントです。
・ 一般的なビタミンCの効果としては、免疫力を高める抗酸化作用、抗ガン作用、抗ウイルス作用、解毒作用、コレステロールを下げる、メラニン色素の生成を抑える、鉄・銅の吸収を助ける、ヘモグロビンの合成を助ける、アンチエイジングにおいて必要な細胞の結合組織であるコラーゲン(骨などを構成するタンパク質のひとつで、脊椎動物の細胞外基質<細胞外マトリクス:細胞を囲むもの>の主成分)の合成、血管・皮膚・粘膜・骨を強くする効果があります。そのほかにも、アンチエイジングにおいて重要な抗酸化作用、などがありますが、研究中のものも含めると、まだこの他にも様々な効果があります。
特に風邪やインフルエンザが心配なこの時期、ビタミンA、Cは健康を保つうえで必要不可欠です。
次回はアスクレルーム以外の関連施設等についてご紹介をして、丹羽先生のご紹介ブログ記事のまとめとしたいと思います。