2012年1月17日のアーカイブ

【交友録その16】 2012年1月(1)


 

今回の交友録では、2004年11月より親しくお付き合いさせていただいている有限会社サンク・センス 代表取締役 松浦 尚子様をご紹介いたします。

 

サンク・センスHP http://cinq-sens.jp/

 

松浦尚子様.JPG

(有限会社サンク・センス 代表取締役 松浦 尚子様)

 

松浦様とは、2004年11月に初めてお会いいたしました。その経緯は、松浦様が主宰されていた「ワインシンポジウム」(一流の経営者・ビジネスパーソンがゲストスピーカーとして講演をし、ワインとチーズをいただきながら、親睦を深める会で、26回程開催。)に、私が親しくさせていただいている株式会社かんき出版最高顧問 境 健一郎様を通じて、松浦様が私をお招きしてくださったことがきっかけです。爾来、親しくお付き合いさせていただいております。また、1月6日付「歴訪記その11山形」にてご紹介した、有限会社登起波牛肉店 代表取締役社長 尾﨑 仁様は、松浦様のご主人様で、ご夫婦そろって、いつも親身にお気づかいをいただいております。

 

かんき出版HP http://www.kankidirect.com/

登起波牛肉店HP http://www.yonezawabeef.co.jp/

 

さて、松浦様の経営されるサンク・センスでは、ワインセミナー、ワインCLUB運営、講演・執筆等を行われています。ワインセミナーは、単にワインそのものの知識だけを詰め込むのではなく、教養・マナーの観点から、ワインを多くの場面で、国境や文化の垣根を越えた円滑な人間関係の構築に役立てるためのセミナーです。ワインという全世界で愛される飲み物が、人と人を結ぶコミュニケーションツールであるということを広く日本で認識されるようになってほしいという大望を果たすべく、以前には駐日フランス大使館主催事でのプレゼンテーターや六本木ヒルズクラブでのワイン講師、経営者を中心としたビジネスマン向けのワイン講演も数多くこなし、多くの雑誌でコラム連載も手掛けられ、日々精力的にご活躍されています。

 

松浦様は、神戸大学教育学部をご卒業され、教育・出版会社である株式会社福武書店(1995年4月にベネッセコーポレーションに社名変更)に3年間勤められた後、単身、フランスに渡ることを決意されました。これは、世界の権威であるボルドー大学ワイン醸造学部が主宰する、日本人では数少ない『ワインテイスター専門家』資格を取得し、日本でワイン教育を広めるためでした。

 

クラスメートは、有名なシャトーの醸造長、広報担当者等、かなりプロフェッショナルな方々が集う場所だったそうです。ボルドー大学は、テイスティング技術も教えながら、歴史、哲学、思想などを学べる幅広いカリキュラムがあり、松浦様の「ワインを通じて、感性を磨き、表現力を養える場所を日本で作る」という願いを叶えるに相応しい大学でした。(サンク・センス〈cinq sens〉という社名は、フランス語で五感、を意味します。)しかし、醸造学部では、外国人枠(留学生枠)があるものの、勿論授業は全てフランス語で、年3回、2時間の論文形式の筆記試験もあったということで、大変苦労をされたそうです。元々、大学でフランス語を勉強していたわけでないので、ベネッセコーポレーションを退社後は日本でフランス語を勉強、渡仏後はまずは語学学校に通され、3年目にボルドー大学に入られたということです。しかし、3年目にしてもボルドー大学における多くの論文試験を見事クリアされるということは、並大抵の努力が必要だと思いますが、松浦様は「言葉を学びにきたよりも、先にもっと大きな目標があること。例えば料理、お菓子、ワイン、フランスの芸術等々、フランス語が目的ではなくて『言葉は夢を叶えるための道具である』と考える人は、上達も早い気がします」とおっしゃっていました。松浦様は、フランス滞在中に、難関フランス文部省認定のフランス語資格試験DALFも全て取得されたそうです。

 

渡仏を決意された際の、松浦様の「大きな目標」とは、先に述べた通り日本で「ワイン教育」を広めることでしたが、そのような目標をもってしても、大企業を辞めて単身渡仏するということは非常に勇気のある行動です。そのバイタリティ溢れるエネルギーについて、松浦様にお聞きした所、「タイガー・ウッズのエピソード」と「上杉鷹山の名言」を座右の銘にされているというお話をお聞かせいただきました。

 

プロゴルファーであるタイガー・ウッズは、「常にパットは強く打つ」ということをポリシーにしているそうです。これは、「強く打って届かなければ、ホールに入るわけがない」ということです。上杉鷹山の名言「なせば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」 は、有名な言葉ですが、「人が何かを為し遂げようという意思を持って行動すれば、何事も達成に向かうのである。ただ待っていて、何も行動を起こさなければ良い結果には結びつかない。結果が得られないのは、人が為し遂げる意思を持って行動しないからだ。」という意味です。

 

松浦様は、これらの言葉に触れて、「後悔する生き方は絶対にしたくない」ということがご自分の信念としてあることに気づき、単身渡仏という大きな一歩を踏み出したのです。タイガー・ウッズのエピソードは、その新聞記事をコピーしていつも手帳に入れていたそうです。幼いころから「教育」の道を進みたいとの想いがあった松浦様にとって、教育出版では最大手ともいえるベネッセコーポレーションで3年勤められたご経験は、大変貴重なものではありましたが、社内の異動などもあり、専門性を高めることは難しく、「自分にしかできない仕事をしたい、自分の代わりはいないというような仕事を極めてみたい」という想いがそれを後押ししたということです。

 

私は、「安定性」という美点ばかりを求め、「推進力」が欠けている日本人は多いと思っています。もともと、日本人は農耕民族ですので、安定性を好むがゆえに、推進力がないのは当然のことではあります。「安定性」と「推進力」は、本来的には並び立つものではありません。松浦様は、このことについて「頭でわかっていても、一歩を踏み出すことはなかなかできない。自分の今まで持っていたものを手放すのは怖いものです。でも、今まで持っていたものを手放さなければ、新しいものは得ることができない。『やろう!』と思わない限り、絶対に叶わないのです。」と分かり易く語られていました。松浦様は、「今はまさに、世界はアジア、欧米、そういった地理的括りのない密なものになっています。日本だけで物事を考えていては小さな考えになってしまいます。最初は、遊び気分、旅行気分でもいいから、まずは日本以外のところへ行ってみて、そこから海外に住んで学んでみたい、何かやりたい、という目標を見つければいいのでは」とおっしゃっていました。私は、今の青年諸君が、海外に赴かないという嘆かわしい状況を見るにつけ、日本人はまさにゾウの時間ではなく「ネズミの時間」になってしまったと思っています。海外雄飛という言葉が再度現代に躍ることはもう難しいかもしれません。しかし、これから、海外に日本の青年たちが積極的に赴き、世界に再びはばたき活躍してくれれば、黄昏社会となってしまった日本が、早晩立ち直ることができると思います。

 

さて、松浦様は、通算5年間フランスに滞在した後、2002年秋に帰国され、2003年4月に有限会社サンク・センスを設立し、代表取締役に就任されました。ワインセミナー、ワインCLUB運営、講演・執筆等数々の実績を積まれていますが、最近では、2008年9月に自宅で学べるDVDワイン講座「ビジネスワインマスター」をリリースされました。2010年4月には、白金高輪にワインショップ「サンク・センス ワインセレクターズショップ」を開業され、同時にWEBショップもスタートし、世界各国から300種におよぶワインを紹介されています。日本のワインの普及の手助けになれば、と、「○○フェア」と題して、地域ごとにお勧めワイナリーのワインを紹介されるフェアも実施される予定です。また、ご主人様のお店「登起波牛肉店」の米沢牛と、サンク・センスのワインとをコラボレーションしたギフトセットも大変好評を博しているそうです。

 

 

ワインセレクトショップ.JPG

「サンク・センス ワインセレクターズショップ」店内の様子

 

「ビジネスワインマスター」について http://cinq-sens.jp/bwm/

サンク・センス ワインセレクターズショップHP http://cinq-sens.jp/shop/

 

日本のワイナリーでお勧めをお聞きしたところ、「数多くあります」とのことで、その中でも特に、というものをピックアップしていただきました。

 

  1. 山形県上山市四ツ谷 タケダワイナリー  http://www.takeda-wine.co.jp/
  2. 栃木県足利市田島町 ココ・ファーム・ワイナリー(私もココ・ファーム・ワイナリーには昨年8月13日(土)に訪問いたしました。本ブログでも8月23日付記事にてご紹介しましたのであわせてご覧ください。)http://www.cocowine.com/winery/about.html
  3. 島根県雲南市木次町寺領 奥出雲ワイナリー http://www.okuizumo.com/

 

また、2011年4月には時間が不規則で決まった曜日に通えない方や、遠方の方の為に、「ホームワインスクール」という通信教育セミナーをスタートされました。DVDとCD、そして1ヵ月に2本ずつ、計12本の世界各国のワインが6ヶ月に亘って毎月1回届くそうです。通信教育は、開設して未だ間もないですが、北海道から九州まで、津々浦々の方からご注文を受けているそうです。

 

ホームワインスクールHP http://cinq-sens.jp/home_wine_school/

 

これからもどんどん充実されたいということで、例えば通信教育「ホームワインスクール」では、初級者向けのカリキュラムしかまだ準備がないとのことですが、次はシャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、等、テーマ別のカリキュラムを作ってみたい、とおっしゃっていました。

 

松浦様ご夫婦はそれぞれに経営者でいらっしゃいますので、尾﨑様は山形県米沢市、松浦様は東京で、経営者として精力的に活動を続けられています。松浦様は、おふたりの0歳と4歳のお子様を保育園に預け、周りの皆さまの助けをいただきながら、仕事と子育てを両立されています。「大きな企業で、その会社の制度の中で働くよりも、かえって、自分が経営している分、色々融通が効いています。」とのことです。子育てと仕事の両立を不安に感じる女性も多いかと思いますが、松浦様は、好きなことを仕事にしていれば、おのずと家族との兼ね合いも上手くいくことが多いのではないか、とおっしゃっていました。社会では、「男性は仕事、女性は家庭」という価値観が未だに根強い気もしますが、女性がやりたいことをやり続けるということを実践し続ける松浦様のお姿に、共感し見習いたいと憧れる若い女性は多いのではないでしょうか。

 

これからの展望を快活にお話しされる松浦様のお姿を拝見していると、女性は仕事に打ち込むと『女性らしさ』を失うのではないか、と感じる方も多いかと思いますが、実はまったく逆で、精力的に活躍することでこそ、ますます美しくなれるのではないか、と感じます。2011年の流行語大賞に、日本サッカー界初のワールドカップ優勝という快挙を成し遂げた「なでしこジャパン」が選ばれましたが、今年2012年も、働く女性が大いに美しく活躍する1年になるのではないでしょうか。男性の皆さまにも、女性のエネルギーを見習っていただきたいものです。

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