2012年3月9日のアーカイブ

縁(その5)


 

20120309.JPG

(2012年2月26日(日)午後14:42
東京都港区 アメリカ大使館付近にて「らっぱずいせん」を撮影
花言葉『報われぬ恋』)

 

 

 

 

2月10日(金)より「縁」をテーマにブログ記事を連載しておりますが、今回も引き続き「縁」に関係するお話をしたいと思います。

 

 

【メンター】

メンターという言葉は、最近マスコミなどでもよく取り上げられており、ご存じの方も多いかと思います。メンターとは、「自分の進路や生き方を決定する上に与って力がある人。(ビジネスの社会では)部下を指導・教育し、仕事・ポストを与える実力者」であり、(新明解国語辞典第6版、三省堂)、精神的支援者、よき相談相手という意味です。もともとは、トロイ戦争に出陣するオデッセウスが、親友であるMentorという老賢者に、留守の間の我が息子の教育を託したというギリシャ神話に由来するのだそうです。

 

迷ったり困ったりしたとき、人がひとりきりで悩むと、視野が狭くなります。そして逃避感情も出やすくなります。しかし、そのようなときに支えになってくれる人がいると、心の持ちようが大きく違ってきます。仕事のことや精神的なことで困った時に、具体的な指導はしてもらえなかったとしても、人に話すことで、心の負担が軽くなり、八方ふさがりだった状況を打破できる道筋が自然と見えてくることがあります。

 

人は、いくつになっても、どんなに経験を積んできたとしても、迷ったり困ったりしたときに、「誰かに相談したい」という気持ちが生まれます。作家の塩野七生さんが、何かに「人というのは根源的にアドバイスを求める存在である」という趣旨のことを書かれていたと思いますが、まさにそのとおりであると思います。私はもうすぐ75歳になりますが、私よりも年長の、法曹としてのご経験豊かな先生方を事務所にお迎えしております。そして、何か苦しいとき、困ったときに、一言、先生方から助言をいただけることが私にとっての救いになっています。

 

 

【よきメンターの条件】

よきメンターの条件としてまず思い浮かべるのは、的確な助言を成しうる資質です。とすれば、やはり、年長者であるというのが第一の条件ではないでしょうか。自分より年上の方が、なお日々精進し続けるお姿には胸を打たれるものがあり、そして、長年の経験と知恵に裏打ちされた言葉の数々には、人を納得させる力があるからです。そして、「年長者である」ことのほかには、下記を満たしている人物がよきメンターであると思います。

①    付き合いが長い
②    信頼できる
③    利害関係がない(純粋に意見を聞ける)
④    叱られたことがある
⑤    電話でアドバイスを求められる間柄   等々

 

IT化が進んだ現代では、メールやSNSなどインターネットの便利な仕組みの急速な普及によって、多くの人と容易につながりをもてるようになりました。しかし、その反面、より深い部分で気持ちを通わせるようなつき合いには淡泊な人も多くなり、総じて人間関係が稀薄な社会になっているといわれています。このような時代には、だれもが心の支えを求めています。メンターを持つ効用は、直接アドバイスを受けることもありますが、メンターは日常的な教育係ではなく、その大きな意味は、「近くにいてくれる」というその安心感にあると思います。メンターと呼べる人がまだ見つかっていないのであれば、上記の要件を満たす方と縁を繋ぎ、メンターとなっていただきましょう。

 

(リライト:加藤・宮本)

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