(2012年4月8日(日)朝7:10 東京都千代田区清水谷公園にて撮影)
新年度に入り、皆さんは順調なスタートを切ったでしょうか。
日本では、4月を年度替わりとする企業が大多数ですから、新しい環境で、気持ちも新たに業務に取り組んでいる方が多いと思います。また、新社会人の皆さんは、無我夢中で日々の課題をこなしながら、仕事を遂行するにあたり、どのような意識をもてばよいか、いろいろと悩まれているのではないかと思います。
今回のブログ記事から、数回にわたって「仕事」をテーマにお話しさせていただきます。仕事をとおして本当の意味で成長するにはどうすればよいのか、仕事をうまく運ぶコツとは何かなどについてのヒントとなれば幸いです。
【仕事で差をつけるには】
私は、半世紀にわたり、主に人事・労務問題を専門とする弁護士の立場から、多くの企業の成長をお手伝いしてまいりました。そのなかで、数多くのビジネスパーソンとお付き合いをさせていただいてきましたが、成功した人・評価が高い人は、その他大勢とは違い、思わずハッとするような際立った魅力がありました。
しかし、実は、成功した人・評価の高い人と、成功しなかった人・評価の低い人との差は紙一重です。そして、「紙一重の差」は、スキルや能力の差ではなく、心の持ちようという、はかりがたい差なのです。
成功した人・評価の高い人は、相手の期待値を上回る仕事をするという点で共通しています。人は、自分が期待した以上のことをしてもらったときに、満足を超えて感動するものです。仕事で人を感動させることができれば、その他大勢とは一味違う存在になるのです。
成果主義の考え方が一般的になっているいまの時代には、実績を上げることが評価につながります。加えて、今はヘッドワーク・ハートワークの価値が重んじられるソフト化社会でありますから(ヘッドワーク・ハートワークについては、3月2日付記事『縁(その4)』をご覧ください)、考え、思い、感じることや、心のありように価値がおかれる時代でもあります。つまり、数字で表すことのできる成果はもとより、数字では表現しにくいような実績も含む、より良質な成果をも提供することが求められるのです。
私は、仕事の結果に質的な差をつける心構えとして、下記に紹介する3つをあげていますが、それらはどれもすぐ実践できるものです。仕事は、本来、最後の10%弱が一番手を抜けないところですが、多くの人が、「だいたいできたからこれでよし」としてしまいがちです。しかし、成功した人・評価の高い人は、最後の10%弱をやりきり、さらに120%の完成度を目指すことで、磨かれ、成長していきます。つまり、誰もができて当然と思われるような些細な事柄をも、流さずにどれだけきちんとやったかどうかで、質的に大きな差が付くのであると思います。
<仕事の結果に質的な差をつける3つの心構え>
(1)計画と準備を綿密におこなう
いくらスキルが優れていても、行き当たりばったりで散漫に動き回っていては、よい結果は出せません。教育のあり方について、「統一ある刺激は数少なくとも、散漫な数多い刺激に勝る」という言葉があるそうです。この箴言は、何ごとにも当てはまるのではないでしょうか。要するに、何かを成し遂げようとしたら、ひとつの方向性のもとに綿密な計画をたて、統一的・集中的に行動することが、良好な結果を生み出すのです。散漫でバラバラな行為では、結果につながりません。準備に余念のない人は、たとえ実力で少々劣っていたとしても、結果として大きな差をつけることが可能になるのです。
(2)リラックスして仕事に取り組む
仕事の業績がなかなか上がらないときは、誰もがストレスを感じるものです。そして、そのストレスがますます仕事の進捗を阻害します。こうした悪循環に陥らないようにするためには、リラックスして仕事に取り組むことが何よりも大切です。上述の(1)計画と準備を綿密に行うことも、実はリラックスするための方途のひとつであるといってもいいでしょう。前もって準備をしておけば、慌てることはありませんし、なにより、落ち着いて慌てずに仕事をするということは、結果の良し悪しを左右するものです。
(3)集中力を発揮する
自分がどのような時に集中力を発揮できるかということを、よく研究して、集中力を発揮する条件を自分で把握しておくことが大切です。ほかのどの時間帯よりも早朝に集中して能率良く仕事をこなせることを実感したのであれば、躊躇せず自分の生活を朝型に変えるべきですし、また、軽い運動やストレッチで頭がクリアになり体調もよくなると気づいたのであれば、継続して実行すべきです。ほかにも、メモ作成や資料集めに工夫をこらしたり、デスクまわりの整理整頓によって、集中力が増すと感じることもあるでしょう。試行錯誤を経て、仕事に集中して打ち込める環境を自ら築くことは、自分自身の仕事のスタイルを確立するためのプロセスでもあるのです。
新しい部署や職場で、そして新社会人として、仕事にやりがいをもって取り組めるための心構えを、それぞれに是非実践してみてください。
(リライト 加藤・宮本)