2012年4月20日のアーカイブ

仕事(その2)


 

20120420.JPG

2012年4月18日(水)朝8:38 
東京都千代田区北の丸公園にて『ハナカイドウ(花海棠)』を撮影
花言葉:美人の眠り・灼熱の恋

 

 

 

先週4月13日(金)付記事より、「仕事」をテーマにした連載を掲載しております。仕事をとおして本当の意味で成長するにはどうすればよいのか、仕事をうまく運ぶコツとは何かなどについてのヒントとなれば幸いです。

 

 

 

 

【雑用こそ成長できる仕事】

 

この4月から新社会人となった皆さんが、はじめて取り組む仕事は何でしょうか。多くの企業では、新社会人の皆さんの仕事は、コピーやファイリング、お茶くみ等、いわゆる「雑用」と呼ばれる地味な作業からスタートすることが多いかと思います。

 

さて、そのような仕事を与えられた時、「こんなことをするために就職したのではない」「やりたいことと違う」などと不満に思う人もいると思います。しかし、雑用をいかにこなすかで、評価もその後の成長の度合いも大きく変わってくるものです。

 

たとえば、「この新聞記事をコピーして下さい」と頼まれたとき、コピーだけした人の評価はプラスマイナス0です。しかし、コピーの濃淡を見やすく調節したり、拡大したり、出典と日付を書くなど、その他大勢とは一味違う存在になるための工夫は、知恵を絞ってみつけようと思えば、いくらでもあるのです。

 

雑用を、「つまらない仕事」ととらえるのではなく、自分に訪れた成長のチャンスだととらえて、誠心誠意とりくむことが大切です。言われたことを、ただそのまま100%やるだけでなく、質的に大きな差をつけるべく、プラスアルファの仕事をすることが大切です。実は、この心構えは、雑用に限らずすべての仕事に通じます。雑用をしっかりとこなしてきた経験は、いつか大きな仕事を任された時、大いに役に立つでしょう。

 

私も、まだ駆け出しの新人弁護士の頃、ある大学の学生紛争の弁護団の一員として、「青焼き」作業を担当したことがあります。青焼きとは、当時のコピーのことで、膨大な時間と手間がかかり、インクのアンモニア臭で目が痛くなるようなものでしたが、私は嬉々として勤しんでいた記憶があります。コピー係という末席であっても、世間の耳目を集めている大きな事件の弁護団に加わらせていただいたことが素直に嬉しかったからです。

 

私は、こういった経験を通じて、「仕事を任され、任す」ということがいかに大切であるかを学びました。振り返ってみれば、短くとも凝縮した下積み期間の経験が、今日の私の基礎を築いてくれたと感じています。

 

「つまらない仕事」「自分のためにならない仕事」等はひとつもありません。どんなに苦しくても、自分の長所・短所と真正面から向き合う契機となるからです。仕事が、自分の成長につながるかどうかは、その人の心構えにかかっているということを意識することが肝要です。

 

(リライト 加藤・宮本)

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