「自己研鑽」(その3)


20120727.JPG
2012年7月25日(水)午前7:30
東京都千代田区三番町付近にてミニバラを撮影
花言葉:「無意識の美」

 

 今回も引き続き、「自己研鑽」をテーマにお話ししたいと思います。

  さて、前々回のブログ記事で、勉強のひとつの方法として、私が取り組んできた継続的な執筆活動について述べましたが、文章を書く際になによりも大切なことは、「推敲」を重ねて文章を練り上げることであると思います。

 

 推敲とは、「詩文を作るのに字句をさまざまに考え練ること」(広辞苑〔第5版〕)ですが、これは中国唐代の詩人賈島(779年~843年)が、「僧推月下門」という句を思いついた際、門を「推(おす)」ではなく「敲(たたく)」にするべきかどうか迷い、韓愈(768年~824年)に問い、「敲」の字に決めた、というよく知られた故事に由来します(『唐詩紀事』巻四十)。賈島のような詩人や作家に限らず、文章を書く人はみな、推敲に重きを置きます。

 

 一度書いた文章は、推敲することで輝きを増していきます。まさに、「玉磨かざれば光なし」であるということです。なお、校閲(文書・原稿などに目をとおして正誤・適否を確かめること)、校正(文字の誤りをくらべ正すこと)も、推敲と似ています。どちらも推敲とあわせて行うべきです。

 

 推敲してみると分かることですが、これで完璧と思っていた文章でも、完璧どころか間違っていることはよくあります。間違いを修正するために辞書を引いたり、文章表現を工夫したりしているうちに、文章が上手になると同時に多角的な思考をするようになり、国語力を身につけることができますから、自分の成長に繋がります。これこそが、推敲がもたらす一番の効用であると思います。

 

 自分の思い・感じ・考えたことを文章化し、文字にしてそれらを検証し、推敲を重ね表現の的確さの確認をするという一連の作業を経て初めて、自分の思いや考えは、形となって自分のなかに定着すると思います。そして、ビジネスに限らずどんなシーンにおいても、自分の思いや考えを、的確な言葉を使い、論理的な文章を書く力を身につけることは、基本です。幸いにも、いまはメールのやりとりが増え、文章を書く機会が増えていますから、書きっぱなしにせずに、推敲の習慣をつけて、研鑽を重ね、文章力を向上させていただきたいと思います。

 

(リライト 宮本・加藤)

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