自己研鑽【その9】


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2012年9月17日(月)朝7:11
東京都目黒区 中目黒公園にてジニア(百日草)を撮影
花言葉:別れた友への思い

 

 

 7月13日付ブログ記事から、「自己研鑽」をテーマに連載をしております。自己研鑽のためには、より高い目標を掲げて努力を重ね続ける姿勢がなによりも重要ですが、目標に向かって頑固一徹に突き進むのではなく、適宜、息抜きをしたり、レクリエーションの習慣を身につけたりする工夫も必要です。

 

 

【蓄積した身体と心の疲労をリセットする】

 適度な息抜きやレクリエーションは、第一に、身体と心の蓄積した疲労をリセットし、仕事の質をあげるという効果があります。息抜きなしに取り組みつづけると、気づかぬうちに、疲労のため頭の働きが鈍りますから、かえって非効率的です。

 

 散歩や軽い運動など身体を動かすことは、手軽に楽しめるレクリエーションのひとつです。爽やかな汗を流したあと、頭がすっきりとする感覚があるように、運動は、頭脳の働きを活性化させます。そうすると、沈思黙考していては浮かばないアイディアが舞い降りることもありますから、身体の健康のためだけでなく、行き詰まった時の打開策のひとつとしても、運動は有効です。

 

 ちなみに、先日の日経新聞夕刊に掲載されていた「丸の内キャリア塾」の講演録には、グローバルに活躍するコンサルタントによる話として、身体を動かすことがグローバル思考のための方法のひとつとして紹介されていて、興味深く読みました。

 


 

(グローバル思考の方法の)2つ目は、「動くこと」です。行き詰まったら離れる。机の前でだらだらと4~5時間を過ごすより、別の仕事をしながら、短い時間で繰り返し取り組むほうが効果的です。特に難しい案件は何回も考えることで、慣れてできるようになるものです。
  中でも歩くことは効果があります。人間は歩く動物です。5分間でもいいから、ノートやインターネットを見ないで、歩きながら考えると、思考を深めることができます。

 


2012年8月23日付 日本経済新聞(夕刊)掲載「丸の内キャリア塾」第68回セミナー「ビジネスに効く思考法~二刀流思考のすすめ~」グローバル思考を取り入れて新しい時代を生き抜く 講師:キャメル ヤマモト氏(山本成一氏)(デロイト トーマツ コンサルティング ヒューマンキャピタルグループ ディレクター)

 

 

 

【無用の用】

 第二に、一つの事柄だけに打ち込むと、新しい着想が出にくく、発想が凝り固まってしまいがちですが、息抜きやレクリエーションには、その傾向を打破できるという効果があります。

 

 私が本業の弁護士業務の傍らおこなってきたおもな取り組みは、「講演」「執筆」であり、息抜きは「旅行」「歩く」などです。たとえば、旅行では、異なる考え方・思い方・感じ方や、その背景にある自然環境や文化におのずと触れますから、自分の凝り固まっていた発想をリフレッシュできます。

 

 このような本業以外の取り組みや息抜きは、自分の仕事や学業には一見関係がないため、時間の無駄であると感じることもあるでしょう。しかし、中国の古典『荘子』にある「有用の用を知れども、無用の用を知ることなし」という一文のとおり、役に立たないと思っていたものが、ひじょうに大きな役割を果たすことがあります。自分の仕事や学業の世界だけに閉じこもっていては出会えないような事柄や人物との触れ合いは、新たな気づきに繋がり、人格・識見・手腕・力量を発展させるのです。

 

 以上のとおり、息抜きやレクリエーション、さらには本業を俯瞰するような別の角度からの取り組みには、さまざまな効果があります。これらを「時間の無駄」であると言い切ってしまう人は、上手にそれをおこなう人に後れをとってしまいます。息抜きやレクリエーションを習慣づけることも、深みのある成長を遂げるための自己研鑽のひとつでしょう。

(リライト 加藤・宮本)

 <7月13日付ブログ記事から、「自己研鑽」をテーマに連載をしておりましたが、今回の記事をもちましていったん終了し、次回からは「リーダーについて」をテーマに連載いたします。>

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