20130503.JPG2013年5月1日(水) 静岡県熱海市 MOA美術館にてパンジーを撮影
花言葉:「物思い」「思慮深い」

 

 

前回に引き続き、全日本写真連盟 常任幹事 角耀様に、私が4月2日(火)に角様から写真撮影のご指導を受ける以前に撮影してきた写真を講評していただきます。

角様からご指導を受けながら、感じたことは、いままでの私の撮影のスタイルが、漫然とカメラを向けてシャッターを切るだけであったということです。

角様からは、いろいろと技術的なことも教えていただきましたが、機械に疎い私にとって、何よりも勉強になった点は、「ピントの合わせ方」です。「人が生き生きと映るようにするには、目にピントを合わせる。」「花を撮るときは、めしべ、おしべ、花の中心にピントを合わせる。」と教えていただきました。

そして、「ピントを合わせる」「光を意識する」ためには、被写体を、撮影者たる自分が、しっかりと見つめなければなりません。ファインダーをのぞいた瞬間、被写体への想い―それは愛情であったり、癒しであったり、活力みなぎる若さへの嫉妬であったり、花であれば、枯れゆく花への惜別の感情かもしれません―を自覚します。私が、花々を見るとき、癒され、こころを動かされるのは、花と自分との対話であり、自然との交流であり、宇宙との共鳴です。写真は、花と私の、対話、交流、共鳴という目に見えない、触れることもかなわない、微かなつながりを、かたちとして表わし、残してくれるのです。

これから、不定期で、私の撮影した写真を角様に講評していただき、75歳の手習いとして、カメラの世界に足を踏み入れたいと思っています。ブログ読者の皆様の写真撮影の参考にもなるでしょう。では、角先生、よろしくお願いいたします。

 

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<13>2012
年6月26日 東京都千代田区北の丸公園にて雨上がりの梔子を撮影(掲載:2013年3月1日付記事)

角先生からのコメント
花の位置(バランス)がいまいちです。めしべへピントをきっちりと合わせましょう。水滴は無くても自然のままの方がよいと思います。この場合の白い花の露出はなかなか難しいですがぴったりです。

 


<14>2012
年6月17日 東京都千代田区千鳥ヶ淵交差点付近にて紫陽花を撮影(掲載:2013年3月1日付記事)

角先生からのコメント
全体の花の位置関係をもっと整理し何を撮っているのかを明確にすると良いと思います。

 


<15>2012
年9月16日 東京都港区芝公園にて白い百日紅を撮影(掲載:2013年3月1日付記事)

角先生からのコメント
花への焦点がしっかり合うと、花の存在がもっと強くなります。ちょっとカメラを傾けてファインダーにとらえ写し込む工夫のチャレンジはとても良いです。

 


<16>2013
年3月3日 神奈川県川崎市麻生区 ホテルモリノ新百合丘にて凛凛花を撮影(掲載:2013年3月 8日付記事)

角先生からのコメント
気品を感じるように写していて安定感が有り良いです。

 

17-20.jpg
<17>2011
年10月10日 千葉県若葉区小間子町 風戸農園付近にて撮影(掲載:2011年10月18日付記事)

角先生からのコメント
奥行きがあり情景からいろいろなイメージがわいてくる写真です。奥の家の屋根が切り取られているのは見る人にとって気になります。手ぶれに気をつけましょう。

 

 
<18>2012年10月20日 東京都渋谷区代々木公園にてコスモスを撮影(掲載:2013年3月 8日付記事)

角先生からのコメント
コスモスの咲き乱れている様子にカメラを向けたことは素晴らしい。構図として奥の日陰の黒は画面全体を引き締めてとても効果的です。左と下の花の無い部分をトリミングして切り取るとさらに主題がはっきりとしてきます。(写真を撮るときから構図を決めましょう)。

<トリミング例>

 

コスモストリミング.jpg

 
<19>2012
年2月24日 東京都千代田区一番町付近にて椿を撮影(掲載:2013年3月 8日付記事)

角先生からのコメント
背景のボケを活用することができたらさらによくなります。花の上のスペースをちょっと作ってやるとよかったです。微笑みかけているような感じでとてもよい花の角度です。

 


<20>2011
年4月4日 東京都千代田区国立劇場にて撮影(掲載:2013年3月15日付記事)

角先生からのコメント
まさに春まっ盛りを感ずる写真です。空の部分のスペースと不思議な建物とのバランスがとてもよいです。

 

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<21>2013
年3月17日 静岡県静岡市清水区馬走 日本平ホテルのお庭付近にて大島桜を撮影(掲載:2013年3月22日付記事)

角先生からのコメント
雲と遠景の街の輝きが春の訪れを感じさせるのにとても効果的でとてもよいです。花の枝の先が町にかからないようにするとさらによいのでは。数センチ体を沈めると離れます。

 


<22>2013
年3月28日 東京都目黒区中目黒 中目黒公園にて源平花桃を撮影(掲載:2013年3月29日付記事) 

角先生からのコメント
白と赤の乱れ咲くさまをとらえとても面白い。左の端の(建物が無くなる)白い部分の背景をカットするような位置に移動して撮りたかった。

 


<23>2013
年3月9日 東京都港区麻布十番二丁目付近にて撮影(掲載:2013年3月29日付記事)

角先生からのコメント
カメラアングルをちょっと下にして手前の花を青空の中に入れ花をもう少し上にした構図にしたらよいのでは。咲き乱れている枝を見つけてカメラを向けシャッターを切ったことは素晴らしい。

 


<24>2012
年4月26日 東京都千代田区ニューオータニ前でハナミズキを撮影(掲載:2013年3月29日付記事)

角先生からのコメント
選んだ一輪の花の表情は面白いです。ピントは中心にピシッと合うとさらによくなります。左上の白い部分が強いので処理を考えたかった。

 

  


<角先生より最後に一言>

全体に、見落としてしまうような、被写体を見つけ出してカメラを向けシャッターを切っていることはとても素晴らしい。
カメラそのものの性能と思いますが、ピントを置く位置をきちっと決めそこに合わせて撮りましょう。
ファインダーの中を隅から隅まで良く見て、いらないと思われるものが写り込まないように気をつけましょう。
主役の花の後ろには背景があります。背景によって主役が引き立ちます。背景が強いと主役が死んでしまいます。写真を写すとき主役だけでなく脇役(背景を含む)も見て自分の撮っている位置や構図などを決めて撮りましょう。

 

 

 

角先生、ありがとうございました。 

先生からのコメントを拝読し、一枚の写真から、すべてをお見通しであることに感動いたしました。先生からお教えいただいたこと-具体的には、(1)構図、(2)ピント(主役を入れる)(3)ブラさない(固定する)-を念頭におきながら、私が4月2日以降に撮影した写真について、またの機会に、講評いただこうと思います。その時には、今回よりも、よい評価をいただけるよう、日々精進したいと思います。

 

なお、私が一番感動した写真は、北海道の美瑛にある「拓真館」で拝見した風景写真家の前田真三先生(1922年~1998年)の作品です。私が前田先生を存じ上げたのは、弊所ともお付き合いのある株式会社山下設計が毎年作成しているカレンダーの写真が、2004年までの数年間、1月から12月まで、毎月すべて前田先生の作品を採用していて、その作品に魅かれたのが始まりです。同社の代表取締役副社長 藤田秀夫様にお聞きしたところ、前田先生の作品を使ったカレンダーは非常に人気が高く、いまはもう在庫がなくなっているとのことでした。「拓真館」には、学校法人旭川大学の元事務局長 大石紘也様にご案内していただき訪問いたしましたが、一枚の写真を撮るにあたって、長時間にわたって緊張感を持続させ、自然、宇宙の営みが描き出す、うつろいゆく色彩の「光」を捉えた作品の数々に、心を奪われました。特に、「塔のある風景」が印象に残っています。

 

角様からの「被写体の人物の目にピントを合わせる」、「めしべ、おしべ、花の中心にピントを合わせる」というご教授も、光を意識するということにつながると思います。人も、花も、生き物です。光を求めて呼吸し、生きています。光を意識して写真を撮ることで、被写体のいのちの鼓動を、写真のなかに残すのです。被写体のいのちが果ててしまった後でも、写真のなかには、懸命に生きた在りし日の華やぎは失われません。

 

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