2014年8月24日(日)午前7:11
東京都千代田区永田町付近にて海紅豆(かいこうず)を撮影
花言葉 夢、童心
今回も、5月30日付記事より連載しております、私がお世話になっている長生堂 院長 齊藤治道先生によるエッセイ「自然治癒力を生かす『重心七軸調整法』」をご紹介いたします。
齊藤 治道 略歴
1954年 宮城県生まれ。23歳から治療の道に入る。
長生学園で長生医学(整体療法)を学び、関東鍼灸専門学校で鍼灸治療を学ぶ。
厚生労働大臣認定(鍼師、灸師、指圧マッサージ師)の免許にて開業。これまで述べ15万人あまりの相談者を施術。
各種整体、カイロプラクティックやOリングテストをはじめ鍼灸等東洋医学の研究、研鑽の結果「重心七軸調整法」の治療体系を編み出す。
長生堂(東京オフィス、仙台オフィス)院長
健体康心の集い(自己整体法である導引法を指導)主宰
著書 「図説導引法」(非売品)
日本長生医学会会員。日本バイデジタルOリングテスト医学会会員。少林寺拳法五段。
9-1 姿勢と重心軸(重心線)
人間の生活形態を単純に分類すると『立つ』『歩く』『座る』『寝る』の四つである。これを更にまとめると『立位』『座位』『臥位』の三形態となる。
『臥位』に関しては、寝ている姿勢である為、身体に加わる重力は水平に分散されるので身体エネルギーの消費量は最小となる。横になって寝るということは、体を休める為に最も安楽な姿勢で、腰痛や背骨の痛み等が有る場合は、症状緩和の姿勢となる。
人は一日のうち通常16時間は活動している時間帯である。立って歩いて移動し、座して或は立ったままで仕事や家事に従事しているのである。この三形態の中で最も重要なのは活動時の姿勢である。『立位』『座位』における重心線は身体に対して常に垂直に働いている。
9-2 良い姿勢を心がけることの重要性
立っている時、或は座っている時の姿を、日本人の美意識からくる理想的姿勢という観点も含め、ここに共通していることは、背筋は無理なく、綺麗に伸びているということである。この時、肩や胸に力が入っていては正しい姿勢とは言えない。今ここで良い姿勢を実感する為の簡単なやり方をお教えするので是非ともやって見て頂きたい。
※椅子に浅く座り、目を軽く閉じて内部に意識を向けることが大切である。
1、だれかに頭頂部中央(百会穴)の髪の毛をひとつまみして真上に軽く吊り上げてもらう。(髪の毛のない人、又は自分でやる時は、この部にどちらかの中指を当てて、そこが上から吊り上げられている様にイメージするとよい)
2、背筋を軽く伸ばすように意識しながら『頭の吊り上げられた部位』と『肛門の部位』が一本の真っ直ぐな軸でつながったイメージを作る事によって、良い姿勢の基となる身体の中心軸がイメージ出来ていきます。
3、更に目は軽く閉じたままで、自分の内部に意識をむけたまま、鼻、又は口から『細く長く』息を全部呼き出します。次に鼻から息を吸い込みます。これを数分繰り返すだけで良い(細く長く腹から吐き出す事が大切)。
良い姿勢を身に付けると、身体の何処にも無駄な力が入らず、横隔膜が緩んで胸も開き易くなる為、とても深く長い呼吸が出来る様になります。そうすると精神的に安定感が生まれ、心の波も静まっていきます。そして更にこれが深まると集中力がアップし、内なる自分(真我)に近づくことも出来るのです。
9-3 姿勢と呼吸
良い呼吸は取りも直さず理想の呼吸に繋がっていきます。
深い呼吸は精神的にも非常に重要で、心の安定に直結する為、座禅をはじめ武道、ヨガ、導引法、茶道等の修養の世界では常に姿勢と呼吸は表裏一体となっているのです。正しい呼吸法によって脳波をα波に変えることも可能であることが、科学的実験によって証明されています(息の乱れは心の乱れに通じる)。
昔の親や学校の先生は、姿勢について口うるさい程注意していたが、今はどうでしょう。子供達は背中を丸めた悪い姿勢でゲームばかり。大人もしかり、電車の中を見渡すと80%くらいの人が携帯電話に夢中です。大人のゲーム中毒者もかなりいるそうですが、姿勢は心の構え(精神)を表すことに気がつかなければいけません。
現代の日本には、この姿勢の教育が足りない様に思われてなりません。
体内の細胞は、新鮮な酸素を必要としている。人体の中で最大の酸素消費者は『脳』である。145億個といわれる脳細胞が正常に活動する為には、多量の酸素が必要なのである。脳という器官は人体の『発電所』であり、『全身を運営する総司令部』でもある。常時酸素を補給する為に脳を循環する血液量は、一日2、000ℓといわれ、ドラム缶10本分に相当する。
脳の重さは約1.4㎏で体重の2%ほどであるが、酸素消費量は全体の25%に達している。従って良い姿勢は、即ち良い意識と健康な身体の基本なのである。
長生堂 院長 齊藤治道
次回は、「医者を選ぶのも自己責任」をテーマにお話いただきます。