2015年2月27日のアーカイブ

第2回 高井先生言行手控え


 

20150227.jpg

 

※()内は花言葉

<上段左>2015年2月4日(水)8:07 目黒区上目黒1丁目にて撮影 
チューリップ(思いやり)
<上段右>2015年2月8日(日)7:21 港区六本木5丁目にて撮影 
椿(控えめな優しさ)
<下段右>2015年2月12日(木)7:56 文京区湯島神社にて撮影(当日は「湯島天神梅まつり」が開催中) 
梅(高潔、上品)
<下段左>2015年2月11日(水)8:12 目黒区中目黒公園にて撮影 
アカツメクサ(豊かな愛)

 

 

築地双六館館長
公益社団法人全国求人情報協会参与
吉田 修

 

 

■労働は人格実現の場である

 

私が髙井先生に最初にお願いした仕事はご講演でした。平成元年(1989年)1月のことです。半年間で全国7回もの講演を開催しました。このように密度高く講演をお願いしたことには理由がありました。当時はバブルの絶頂期でありましたが、リクルートは創業以来の二つの危機を迎えていました。一つはリクルート事件です。今では、「リクルートの関連会社である不動産会社の未公開株が賄賂として譲渡され、贈賄側のリクルート社関係者と、収賄側の政治家や官僚らが逮捕され、政界・官界・マスコミを揺るがす、戦後最大の贈収賄事件」とされていますが、当時は新聞報道がどんどん拡大する中で、どこが終着点であり、果たして夜明けは来るのかという不安が社内中を充たしていました。もう一つは、求人情報誌の規制問題です。求人情報誌が入職経路として大きな役割を果たしてくるにつれて、広告と実態が異なるというトラブルも目立つようになってきた中で、一部の労働組合や弁護士が中心となって、求人情報誌の規制を強化する動きが出てきたことです。

 

1989年6月には堀内光雄労働大臣が「リクルート事件の労働省ルートの発端となった求人報誌の法規制問題について内容が不明朗な広告が出る恐れもあり、求職者に不利にならないような秩序ある枠組みを考える必要がある。法的規制も含めて検討し直してみたい」と述べ、自主規制となっている現行制度を見直す姿勢を示しました。これに対し、1985年以来、求人広告の自主規制に懸命に取り組んできた社団法人全国求人情報協会は強い危機感を持ち、以降、今日に至るまで求人広告の適正化に取り組んできたという背景があります。

 

さて、このような社会情勢の中で、髙井先生に就職情報誌事業に携わるほぼすべての従業員に向けて、「就職情報誌の現状と今後のあり方」という演題でお話をいただきました。この講演録(写真)は、今読み返しても、示唆と洞察に富み、求人広告メディアに携わる者の職業倫理に強く訴えかける内容です。今回から数回にわたって、この講演録から髙井先生のお言葉を紹介したいと思います。

 

20150227-2.jpg

 

最初に「労働」とうものの本質について言及されました。一般の辞書では、労働は「からだを使って働くこと。特に、収入を得る目的で、からだや知能を使って働くこと。」と説明されています。これを先生は講演の冒頭で明快に定義付けられました。「労働は人格実現の場である」と。以降のお話を要約すれば以下の内容になります。

 

「労働契約においては、労働者は労務を提供し、企業は労働者に賃金を支払います。労働者から提供される労務は、労働者の精神・身体と切り離すことができないという意味で、労働者の人格と密接不可分の関係にあります。つまり、働くことは、人間性の表現であり、自己実現でもあります。その労働契約を結ぶことをお手伝いするのが求人メディアです。

 

もしも、求人メディアの広告の内容が事実と異なっており、それを信じて入社した労働者がいた場合、

 

  1. 求人広告の間違いは、労使の信頼関係を壊し、労働者の精神・人格を深く傷つけることになります。
  2. 救済を求められても、もはや現状復帰することはできず、代替物の提供もできません。それゆえに、求人広告の審査の責任は重く、苦情対応はハードになります。だから、信頼される求人メディアを作ることが大切なのです。」

 

会場は水を打ったように静まり返っていたことを覚えています。

 

労働の本質については、古今東西、多くの経済学者や政治家が語っています。

 

  • カール・マルクス:人間の労働力が商品の価値を決める。
  • 高橋是清:「人の働きの値打」をあげることが経済政策の根本主義だ。
  • トマ・ピケティ:資産によって得られる富のほうが、労働によって得られる富よりも早く蓄積されやすく、それが貧富の差を生む。

 

 

労働について、経済理論ではなく、人間賛歌の哲学として捉えておられるのが髙井先生なのです。

(つづく)

 

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