第3回 A社自力再建の指針に関する助言


 

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2015年3月15日(日)7:25 東京都渋谷区代々木公園にて
サンシュの花を撮影
花言葉:「持続」「耐久」 

 

※ 3月6日(金)より、数回に分けて、私が過去に顧問弁護士を務めたある会社の経営危機打開のため、私が社長宛てに提出した再建建白書「A社自力再建の指針に関する助言」を、掲載しています。3月6日(金)付記事からお読み下さい。

 

(2) 役員は団結すべし

 

① スポーツ、宗教、軍隊……いかなる組織であれ、その存亡の危機に直面するや、リーダーは異口同音に、そして大抵は無意識に「打って一丸となってこの難局を乗り切ろう」と呼びかける。いわばこのことばは組織体の生命、根源にかかることを表現しているのである。

営利を目的として組織される企業においてもこのことは全く同じである。

「この難局」とは、企業が破綻に瀕しているということであり、「乗り切ろう」とは、企業に健全さ(黒字体質)をとりもどそうということを指す。その手法はといえば、「打って一丸となる」となることにある。

 

② 斯かる点からして、企業の人格体をなす役員たる者は企業の発展を期してよく討論し、よく議論しなければならない。平時であっても、並び大名よろしく何ら建設的な意見を表明しえない者はおよそ役員たるに値しない。まして再建という難業に直面している企業の役員においてをや、である。私心に基盤を置く意見を述べる者もまた役員たるに値しない。斯かる点においてトップは各役員に意見を開陳させる度量と衆愚に陥らぬ指導性をもたなければならない。

また、役員は、議して決したところに従わなければならず、決したところを時機を逸することなく断行しなければならない。

我見にとらわれる者、面従腹背の者はいずれの部位においても有害無益とされようが、最高意思決定をはかる立場にある役員のポストにおいては殊のほか排除されなければならない。

 

③ 社長たる者はよく聞き、よく決し、それを自らが、又部下を駆使して果敢に実行に移さなければならない。社長に決断力、洞察力、統率力が求められ、信賞必罰の姿勢が殊に当たって顕示されなければならない所以は、一に企業の盛衰がここに懸っているからにほかならない。

 

④ 全社員打って一丸となるためには、まず以て社長のもとに役員がよく連帯し、決定事項を時宜を得て効果的に実践することが求められるのである。

役員間に軋轢や抗争があるようでは全社員の心を一つにすることなど夢の又夢と知るべきである。

 

 

続く

 

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