2015年9月4日のアーカイブ

 

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2015年8月10日(月)7:51 中目黒公園にて芙蓉を撮影
花言葉:「繊細な美」 

 

(4)他士業による紹介

弁護士が、他の弁護士を紹介することがある。特に、以前、相手方になった弁護士から紹介されることは嬉しいことだ。そのためには、常日頃正々堂々と弁護士活動をすることが基本である。勿論、相手方の弁護士は色々な主張をしてくるが、それをクリアして勝ち抜くという結果を示してこそ、相手方の弁護士からも信頼を得ることができる。それと共に、味方を増やすことも必要である。相手方にいる沢山の人を当方に心理的に動員できる、そういう弁護士が、相手側に推薦されるようなことになるのである。

弁護士に限らず、他の士業、たとえば公認会計士、税理士、司法書士、弁理士、行政書士等との繋がりも作らなければならない。弁護士も人脈を太くすることが大切である。

他士業の人とはとかく、縁が切れる可能性がある。それは、弁護士の世界も競争社会だから他士業の人がより優秀な弁護士に遭遇する可能性が充分あるからである。だから、弁護士が他士業の人に紹介してもらおうと思うならば、例えば年賀状を出すとか、暑中見舞いのお手紙を出すなどのほか、より実力を身につけてこれを喧伝したりして何らかの形で縁作りを強化することが弁護士として必要である

 

(5)海外進出

弁護士がグローバルな弁護活動をするためには、それぞれの国の民族性の特色を把握しておかなければならない。たとえば、中国は法治主義ではなく「人治主義」である。要するに、個人主義の延長線上に家族愛、仲間意識、地方保護主義があり、さらにこれらが合わさって人治主義に至っているのだ。だから、ことのほか人間関係を重視することが必要である。

また、中国の民族性の特色は「個人主義」である。孫文の言葉に「中国人は砂の民である。石にも、まして岩にもなり得ない民族である」とある。日本の契約書には「甲と乙は…この契約に定めのない事項が生じたとき、または、この契約各条項の解釈につき疑義が生じたときは、甲乙各誠意を以て協議し、解決する」等といった条項があるが、この条項は中国人には意味がない。中国人、中国企業との契約書が米国式に細大漏らさず規定されなければならないのは、「個人主義」に根差しているからだ。また、契約意識がそもそも日本とは違う。日本では、契約締結とは権利と義務とを確定する作業であるが、中国では、権利と義務の限界を確認する、つまり権利を極大化し義務を極小化する作業となる。

このように、民族意識の異なる外国人を相手に弁護士業務を行う際には、その国それぞれの民族性の違いをもしっかりと認識しなければならないのである。弁護士の本職は法的問題の解決だが、グローバル化社会においては「相互に民族性を理解することこそがトラブルを避ける上で不可欠」とお客様にも理解していただくことが大切である。そして、海外における営業活動でも、会食の場をこまめに設けるなど人間関係を重視することは必須である。

社会経済が着々とグローバル化している中で、弁護士だけがドメスティックではどうしようもない。弁護士もグローバル化しなければならないが、その第1の視点は、日本人は集団主義であって外国人は個人主義という民族性の違いに気が付かなければならない。日本人の弁護士は世界の弁護士と互角に勝負できないといわれているきらいがあるが、それは日本人の弁護士がドメスティックにこだわっているからであろう。

 

(6)講演からお客様を募る方法

講演の終了時には、拍手喝采で終わることが必要である。なぜなら、そのような反応が得られるということは、聴講者の的を射た講演をしたことの証明となるからである。講演後の拍手がまばらだったり、盛り上がらなかったら失敗だと思うべきである。

単に講演をするのではなく、営業としてその後につなげるための、二の矢、三の矢等々を準備することが必要となる。

 

私が講演に関して心がけていることの具体的な内容は、以下の通りである。

①   持続する努力を怠らないようにすることが大切だが、そのためにもセミナーを開催して、プレゼンスを高めることが大切である。そういう趣旨で講演会等を継続開催すること。

②   講演(小セミナーを含む)は、少なくとも春夏秋冬年4回行うようにする。これは営業活動としてやるものであるから、出席者が悩んでいたり、疑問に思っていたり、分からないところにお答えするのが常である。したがって、講演に先立って、先にアンケートをとることが肝要だ。これが一の矢である。

③   ニの矢は、出席者にお礼状を出し、講演を聞いても分からなかったところを確認することだ。第二弾のアンケートを取るのである。そして分からなかったことに親切に回答するのだ。

④   三の矢は、もう一度講演なり小セミナーを開催することだ。そうすると、話を聞きたいというファンが自ずと決まってくるだろう。

⑤   四の矢は懇談会を開くことだ。一度だけ講演会を聴いたからといってお客様になるわけではないのだから…。

⑥   小セミナーの方は、日ごろから接触して問題を抱えているという企業の担当者を中心にして行うのだから、顧客の確保の確立は高いだろう。勿論こういう講演会は、すでに顧問になっている担当者をお招きするのが定着性を高めるのに寄与する。

⑦   何はともあれ、講演するということは、自分が学ばせていただくという気持ちを意識し続けることが必要である。

 

(7)講演以外にも、お客様やお客様候補と触れ合う機会が必要

講演以外にも、昼食会を開くなどしてお客様やお客様の候補となる人々と触れ合う機会を設けることは必要だろう。弁護士としての当方の人柄を知ってもらうためである。

講演では、通常講師が一方的に話をするが、会食会であれば、相互に本音で話すことが可能であるからだ。

そして忘れてはならないのが、会食会後にお礼状を出すことである。この手間を省いては、広がるべき縁も広がらないのだ

 

(8)常に情報発信を心がける

・事務所報等

ご縁を大切にしてこそ、成果は上がる。私はご縁を大切にするいろはの「い」として、お礼状を書いている。2番目は、縁が続くように定期的に当方のニュースを発信するようにした。それが私や事務所の弁護士、また親しくしている方々のコラムを掲載している事務所報である。

縁については、いろいろな格言があるが、それを紹介していきたいと思う。

縁に関して私が特に大事にしているのは、柳生家家訓(柳生宗矩による)の「小才は縁に逢って縁に気づかず、中才は縁に逢って縁を活かさず、大才は袖触れ合う他生の縁もこれを活かす」という言葉である。この中で特に、「袖触れ合う他生の縁もこれを活かす」の意味は事典によると、「道で知らない人と袖が触れ合うようなささいなできごとでも、単なる偶然ではなく前世からの因縁によるもの。だから、どんな出会いも大切にせよということ。」とされている。それほどに、縁とは大切にすべきものであり、私も縁を円とすべく、人と人とを引き合わせることを常に心がけているのである。

以上

 

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