2016年3月4日のアーカイブ

 

201603コラージュ02.jpg

2016年2月13日(土)8:25頃 渋谷区広尾1にて撮影
右上から
ボケ 花言葉:「早熟、先駆者」
キンセンカ 花言葉:「慈愛、用心深い」
黄梅 花言葉:「控えめな美、期待」

 

 

2004年9月から2005年9月にかけて、上海のフリーペーパー「コンシェルジュ上海」に小生が連載として書いたものです。10年の年月が経ちましたが、原文通り転載しました。当時としては斬新な内容であったかと思いますが、多くが今でも通用する要諦であると考えております。

例をあげれば、日本企業は中国企業との取引において、全部疑うか、完全に信じてしまうかと二者択一に偏ることが多く、あいかわらず、「中国人は信用できない」とぼやく企業があとを絶ちません。過度に疑うことなく、また、過度に信じることなく、冷静な対応が健全な取引が継続する鍵となることは今も昔も同様です。

 

 

『日本人と中国人 最終回』

 

■ 昨年9月より連載開始した「中国人と日本人」が今月で最終回を迎える。上海高井倶楽部の理事をはじめとするリレーコラムの最後を飾るべく、高井伸夫法律事務所の高井伸夫氏が再登場。再三にわたり言及してきた中国人の個人主義に触れながら、日中の人事労務施策の違いについて指摘、成功へのアドバイスをする。

 

人材『引き留め策』が基本の中国『淘汰策』が基本の日本

読者の皆さんは、中国と日本の企業の人事労務施策の違いは何だとお考えだろうか。私は、中国では人材の『引き留め策』が基本であり、日本では人材の『淘汰策』が基本である点に求められると思う。日本では解雇等が法律上制約されているため、企業は人材の淘汰をいかに実現するかというレベルで汲々としているのに対し、中国では淘汰が容易に実現できるため、企業はその先の、いかに優秀な人材を引き留めるかという段階で知恵を絞っているのである。

中国で人材の淘汰が容易である背景として、まず労働者の多くが期間雇用者である点が挙げられる。中国では終身雇用ではなく、期間雇用の連鎖が労働契約関係の中心となるから、期間の到来をもって雇止め(更新拒否)することは、法律上何ら理由を要しない。これは、一見、労働者に対し冷たい扱いのようにも思えるが、そうではない。余剰労働人口が多い中国では、より多くの人材に勤労の喜びを体験させることが必要だからである。

翻って、日本企業では終身雇用制が長年にわたって採用されてきたため、人材の淘汰が極めて難しい。裁判所も終身雇用的な思考が基本であり、期間雇用者の雇止めを安易に行なえば労使紛争が起き、裁判所は労働者側を擁護する趣旨の判断をする傾向がある。これが日本企業の成長性を弱めている一因でもあったわけだが、最近では日本社会の個人主義化の進行や企業のグローバル化を背景に、労働者に対する過保護的状況を反省する雰囲気が生じつつあると言ってよい。

 

労働契約に見て取れる中国人の個人主義

さて、私はかねてより個人主義の本質を「権利の極大化と義務の極小化にある」と指摘してきたが、中国での労働契約関係にもそれが見て取れる。彼らは企業への忠誠心よりも自らの利益を優先するから、転職は当然の権利と考えられている。その結果、転職数が多く労働市場が形成されている。換言すれば、中国では人材の能力に対する評価システムが日本以上に先進的で、厳格に機能しているのである。

また、中国ではホワイトカラーとブルーカラーとが区別されているため、日本人経営者が中国人ホワイトカラーに指示を出してもそれがブルーカラーにまで浸透しないことも珍しくない。そこで、日系企業が中国の地に根付いて生産・販売・サービス業を行なっていくためのアイデアとして、次の2点の実行をおすすめしたい。

①日本の賃金体系ではあまり馴染がないが『職種別賃金制度』を積極的に取り入れる。

②人材の生産性を高め、より良いサービスを提供できるよう、日本人幹部が工場や現場でブルーカラーと共に汗を流し作業に従事する。社長室などに閉じ籠もり指示しているだけでは、生産性の向上は到底図れまい。

価値観の違いなどもあり、日本人は、中国人と共に働くことに総じて不慣れである。この点を克服するためには、的確な指導・助言をしてくれる良き中国人コンサルタントを見つけることが重要である。論語(衛霊公)にも『工欲善其事、必先利其器』という言葉があるように、良い仕事をするためには、まずはそれに相応しい立派な道具を揃えなければならないのである。残念なことに、日系企業には、コンサルタント費用の支出に消極的な傾向がある。しかし、彼我の価値観の相違を乗り越え、現地で良い仕事を成し遂げるためには、優秀な中国人コンサルタントとの契約は『投資』と心得て、賃金体系構築の面でも、生産・販売・サービス高度化の面でも、彼らの指導・助言を大いに取り入れる必要があろう。これが、現地企業を確実に成長させるための第一歩なのである。

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