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2016年4月9日(土)14:19 初狩PAにてシャガを撮影
花言葉:「反抗、友人が多い」



株式会社開倫塾
代表取締役 林 明夫

 

「数少ない統一ある刺激は、数多い散漫な刺激に勝る」

 

1.

(1)「企業は、原則、倒産。昨日のように今日があり、今日のように明日があると考える企業に、明後日は来ない。」

(2)この「企業は原則倒産」の高井先生のお教えに、勝るとも劣らないほど重要な高井先生のお教えが、「数少ない統一ある刺激は、数多い散漫な刺激に勝る」のお教えだ。

 

2.

(1)企業を取り巻く経営環境は、毎日毎日、目まぐるしく激しく動き続ける。

(2)テロや、原油価格の変動、株式相場や為替相場の変動に加え、熊本や大分の大地震のような大きな自然災害に見舞われることも多い。

(3)ほぼ完璧と思われていた自社の生産・販売体制も、製品の開発段階での検査担当者の手抜きでリコールや販売中止に襲われる。

(4)海外での営業担当者の同業他社との談合は、場合によっては100億円単位での課徴金で、会社全体の経常利益を吹き飛ばし赤字転落させる。担当者や監督責任者は数年間収監され、人生に汚点を残すと同時に、企業イメージを著しく失墜させるに至る。

 

3.

(1)今やらねばならないことを明確に決定し、優先順位を明確につけながら粛々と行動し続けるのが、経営最高責任者の役割だ。

(2)この時に大切なのは、目の前に生起する様々な経営課題にいちいち反応し、その場の思い付きで様々な指示命令を出し続けないことだ。

(3)明確な方針を決定し、関係する誰もが耳にした瞬間に理解できる物事の本質をわかりやすい表現で「ズバッ」と示すことだ。

 

4.

(1)あれもこれもと、次から次へと目まぐるしく出される指示ほど、現場を混乱させ、社員や経営幹部のやる気を阻害するものはない。トップの混乱が、売り上げ阻害要因にもなりかねない。

(2)これが「数少ない統一ある刺激は、数多い散漫な刺激に勝る」という高井先生のお教えの経営戦略的な意味だと私は考える。

(3)では、この「数少ない統一ある刺激」はどのように生み出せばよいのか。経営者としての感性をどのように練磨したらよいのか。

 

5.

(1)高井先生ほど、新しく生じるありとあらゆることへの強い関心をお持ちの方はいない。高井先生にお会いするたびに聞かれるのは、「何か新しいことはないかね、新しいニュースはないかね」というご質問だ。参考になると思ったことは、いちいち確認を取りながら、その場でメモをなさる。

(2)同時に、高井先生ほど、一度これと決めた評価の基準に基づき物事を判断なさる方はいない。景況の判断をするには人の動きがどうなっているかを知ることが重要で、そのために「タクシーの乗車率」を毎月ご覧になっておられたのも高井先生だ。

(3)新聞報道の基本に調査報道という手法があるが、高井先生の情報収集は新聞記者の調査報道そのものだ。真実は何かを自分の目で見、確かめ、物事の本質に迫る。メモをし続け、データを収集し、その結論を一言で言い表す。これが「数少ない統一ある刺激」を生み出す源泉だ。

 

6.

(1)高井先生ほど、美しいものをこよなく愛する方はいない。

(2)絵画、植物、小説、エッセイなどの美しい芸術作品、自然、文学作品は、感性を豊かにし、言語を研ぎ澄ます。

(3)特に、歴史小説や、日本や中国の古典を読み、親しむことは「数少ない統一ある刺激」を生み出すのに不可欠だ。

 

7.

(1)最後に、「あれもこれも」の「数多い散漫な刺激」を出し続けることに陥ることなく、物事に優先順位をつけるのに最も役に立つのが、高井先生おすすめの「想定問答集」だ。

(2)ありとあらゆる場合を想定し、最悪の事態に備えるときに最も役に立つのが「想定問答集」で、この作成は、法律の実務家だけではなく、経営者の基本動作でもある。

(3)私は、慶應義塾大学法学部法律学科2年生の時に、法思想史のゼミで、当時学部長をしていた峯村光郎先生から「法律を学ぶ法学徒は、いつも最悪の場合を予想して行動するように」と言われ続けた。

(4)弁護士をしながら司法試験の受験生を森圭司というペンネームで指導していた弟の故林俊夫も、いつも詳細極まる想定問答集を作成していたことを思い出す。

(5)この想定問答集こそが、高井先生が教えてくださった「数少ない統一ある刺激」を生み出すのに最も役に立つものの一つかもしれない。

 

以上、ご参考まで。

 

2016年4月26日(火)香港で記す

 

 

開倫塾のホームページ(www.kairin.co.jp)に林明夫のページがあります。

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