- 話題のテーマについて各界でご活躍されている方々と対談をする一問一答形式のブログを始めることにいたしました。
- 第1回目は日本マクドナルドホールディングス株式会社代表取締役副社長兼最高執行責任者(COO)下平篤雄様です。
■ ■ ■ ■ 時流を探る~高井伸夫の一問一答 (第1回)■ ■ ■
日本マクドナルドHD株式会社
代表取締役副社長兼最高執行責任者(COO)
下平 篤雄 様
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[日本マクドナルドホールディングス株式会社
代表取締役副社長兼最高執行責任者(COO)下平篤雄様 プロフィール]
下平様は、1978年に日本マクドナルドに入社され、中央地区本部長やコーポレートリレーション本部長、営業推進本部長などを経て、2005年からは代表取締役を務められています。 その後、2009年に同社大手フランチャイジーであるクォリティフーズ株式会社に出向、後に転籍され、同社執行役員副社長を務められた後、2015年1月に、日本マクドナルドに再入社され、上席執行役員フィールドオペレーション本部長を務め、同年3月より持ち株会社である日本マクドナルドホールディングスと、事業会社日本マクドナルドの副社長兼最高執行責任者(COO)としてご活躍されています。
[今回のインタビュアーは以下の通りです]
- 高井伸夫
- 株式会社ことば未来研究所 代表取締役 鮒谷周史 様
高井
3月29日に株主総会が終わりましたが好評だと聞きました。業績は回復したのでしょうか。
下平様
おかげさまでセールスも順調に回復してきています。 前年は残念ながら、大きく収益が悪化しましたが、今年上半期の利益も順調なトレンドとなっています。
高井
顧客からの信頼が回復してきていると言えるのでしょうか。
下平様
お客様の声を謙虚な気持ちでお伺いし、食の安心、安全にかかわる改善のための取り組みを会社として積極的に実施してきました。その結果、お客様には少しずつご理解をいただけるようになってきていていると確信しています。
高井
今、業績が好調に推移していらっしゃるのは、どういう理由があるのでしょうか?
下平様
1つ目は、お客様の店舗体験を向上するためにQSC&V(Quality:最高の品質、Service:スピーディで心のこもったおもてなし、Cleanliness:清潔で快適なお食事空間、バリュー:お客様にとっての価値ある店舗体験)にフォーカスした取り組みを積極的に行ってきました。マニュアルの変更を行ったり、新しい清掃キットの導入も行ってきました。 また、店舗施設にも積極的な投資を行ってきました。モダンなデザイン、使いやすい客席等、店舗の空間の改善を行うことで、快適にお店でお食事を楽しんでいただけるようにしています。
高井
どのくらいの店舗が変わったのですか。
下平様
全体で2900の店舗がありますが、本年度末には60%以上のお店がモダンな店舗になる計画となっています。
高井
2分の1以上ですね。
下平様
2018年までに残りのほとんどの店舗の改装を進めてまいります。多くのお店のQSCが改善され、清潔になって、お客様の店舗体験も大幅に向上したのではないかと考えています。QSCはお客様などの評価をスコア化し、40年間以上継続してトラッキングして、その動向を注視していますが、そのスコアが昨年くらいから着実に向上してきました。これも最高のQSCを担う人材への投資を積極的に行ってきた結果だと考えています。 さらにおいしく魅力的なメニュー、マクドナルドらしさ、そしてバリュー、すなわち価値を感じていただける商品、この3つに集中してお客様にお喜びいただける商品の提供に力を入れています。マーケテイングもお客様とのつながりを大切にした活動を行っています。商品開発では昨年からお客様の声をうかがうことに力を入れ、今年はたくさんの期間限定商品がお客様にご好評をいただきました。
高井
どのような商品ですか?
下平様
今年の上半期では「名前募集バーガー」という商品がありました。北海道産のほくほくポテトを使った商品で、お客様からもご好評をいただいたバーガーです。 このプロモーションは、お客様と繋がろうという取り組みが大きな特徴です。具体的にはお客様から商品の名前を募集しようということで、まず「名前募集バーガー」と命名しました。私たちの予想では、当初は100万件ほどの応募になるだろうと想定していましたが、いざ募集を開始してみたら、何と500万件以上もの応募をいただきました。
高井
500万件
下平様
そうです。500万件。大変多くのお客様にご興味をおもちいただき、応募していただきました。
高井
500万件というのは反響がすごいですね。当選者はなにか賞品などがもらえるのですか?
下平様
名前募集バーガーは「北のいいとこ牛っとバーガー」(きたのいいとこぎゅっとばーがー)という名前に決まりました。当選者の方にはこのバーガーの10年間分にあたる賞金を差し上げました。
高井
いくらくらいですか。
下平様
140万円くらいです。
高井
その次にヒットしたのはどんな商品ですか。
下平様
その次はグランドビッグマックという商品で、ビッグマックをさらに大きく、おいしくした商品です。
鮒谷
ポケモンGOとのコラボレーションによる集客効果はよかったのでしょうか?長時間滞在されたりとか、功罪いろいろあるかと思いますが、いかがでしょうか?
下平様
今のところ幸いなことにお客様からお叱りを頂戴することはほとんどありません。ただ、引き続き店舗には気を抜くことなく、お客様に快適にお食事をしていただけるよう注意することを伝えています。
鮒谷
ゲーム目的の利用者が長時間滞在することによって回転率が下がったり、 客単価が上がらない、というような話はありますか?
下平様
今のところ、そのような話はありません。株式会社ポケモン様とは2001年からお付き合いがあります。毎年のように何らかの企画をご一緒させていただきましたので、今回、このようなコラボレーションが実現いたしました。
高井
人の問題で投資をしたと先ほどおっしゃっていましたが、具体的にはどういったことをしたのでしょうか。
下平様
やはり人の投資と言いましても、まず大切なのは、コミュニケーション、つまり風通しのよさだと考えます。弊社は、フランチャイジーが店舗の68%を占めています。200人近いフランチャイジーのオーナーの方々がマクドナルドビジネスの大きな柱のひとつで、1オーナーあたり平均10店舗以上を運営しています。オーナー様1人1人とコミュニケーションを密にしなければその先のお店にまでは届きません。単に風通しをよくしようとしてもできませんから、組織を大きく変更いたしました。
高井
組織を全部変えてしまった?どういうふうに変えましたか?
下平様
フランチャイジーとのコミュニケーションを改善するために、地区本部制にしました。これまでは新宿オフィスで一括管理を行い、そこから各地域に情報をおろしていくヒエラルキーの組織となっていました。そこで、適切なコミュニケーションができるように権限移譲も行い、組織を大きく変えました。縦の組織より、地域密着した柔軟に対応できるアメーバのような組織に変えました。
高井
アメーバ組織ですね。
ところで、医食同源を活かして、メニューを作ったらどうですか。健康志向の高まりと、少子高齢化で、高齢者向けの商品開発も需要があるのではないでしょうか。
下平様
ご提案、有難うございます。医食同源ですね、日本ではシニア層の割合が増えていますので健康の問題も大切だと思っています。大切なのは食生活のバランスだと思っています。あらゆる年齢の方にお食事を楽しんでいただくのが私たちの使命だと思っていますので、これからの時代に合ったメニュー開発も重要なチャレンジだと認識しています。
下平様は、事業に対して非常に真摯に取り組んでいらっしゃり、 このたびもご多忙の中、時間をお割きくださり、 様々な質問に対しても丁寧に、誠実に受け答えくださり、 大変に、律儀で実直な方でいらっしゃいました。
以上
