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2016年11月27日(日)8:12 千代田区麹町6にてプリムラを撮影
花言葉:「青春の恋」

 

 

平成28年10月12日「AIと人事労務セミナー」 開催報告第2回

 

10月12日(水)開催の特別セミナー「AI(人工知能)が拓く未来 ~人事労務分野への影響を探り可能性を考える~」について、第2回は当日の私の開催挨拶文を一部抜粋して掲載する。

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「ご挨拶に代えて ~AIの限界 人間の素晴らしさ~」(抜粋)

 

2 AIと人間の違い、人間がAIになお優ることとは

AIが凄まじい勢いで発達する今、AIと人間の違い、そして、AIがどれだけ発達してもなお人間に劣ることが何かを見極めることが、これからの時代を生き抜いていく上で最も重要になります。昨今テレビや新聞などをにぎわしている人間の脳に匹敵する知能、場合によっては人間の脳を凌駕する知能を備えたAIと、人間との決定的な違いとはなんでしょうか。

自然界において生物は生きるか死ぬかの生存競争の中で生きています。しかし人間は頭を使い、脳を発達させ、人として、人類として、保全されるようになったため、生存競争に身を置くことがなくなってしまいました。

一方、なお生存競争の只中にある動物一般は、絶えず生きるか死ぬか、日々おびえながら生活しています。雪崩が起きたときに動物の死骸がないのは、彼らに雪崩を事前に察知する能力が備わっているからです。

人間は文明の力によって自らの身を守れるようになったことと引き換えに、こうした危険予知能力を鈍化させてしまいましたが、たとえば「胸騒ぎがする」、「虫の知らせ」といったものはわずかに残された危険予知能力による反応でしょう。実体験に即して言えば、裁判で胸騒ぎがするときは、敗訴するという予感がしますから、そうした時には一層裁判に勝ち抜く努力をしたものです。

すなわち、生物には、生まれながらの野性的な本能から、第六感ともいうべき危険予知能力が備わっているのです。それに引き換え、生物ではないAIにはこうした本能に基づく能力が全くありません。

 

人間の機械に対する決定的優位は「死」です。人間が有する深い情緒はすべて、いずれ朽ち果てるという絶対的宿命に起因しています。いつか死ぬという運命にあるからこそ、生きている中でより多くのことを感じ取り、思いを馳せることができるのです。永遠に生き長らえるのであれば、私たちのあらゆる情緒は極めて希薄になるか、あるいは消失するでしょう。人間には「死」があるからこそ恐怖がもたらされ、生きる喜びを感じ、幸福感を得るのです。孤独になれば寂しさに浸り、身内や親しい人を亡くせば哀しみを感じます。「死」という概念と無縁であるAIが果たしてこうした情緒を持ちえるでしょうか。こうした情緒に由来する小説や音楽を生み出すことができるでしょうか。将来AIが完全に自律的に発想し、物事を創造できるようになったとしても、肉体を持たず、生命体ではないという点は、覆しようがありません。その創造力にはおのずと限界があるように感じております。

 

特定の作業に対するAIの能力は人間を簡単に越えていきますから、人間固有の能力を伸ばさないと、なんでもAIに依存するようになってしまいます。人間がひらめくためのヒントとして、また、生産性や効率を向上させるためのツールとして、AIを最大限に利用し、最終的な判断や決断は、「死」という限界のある命をもった、情緒のある人間が、時には第六感を活用し、自信をもって下してゆくことが大切です。

 

3 AIに使われず、AIを使う立場になる

AIに代替させることで、今ある人事の業務の多くは不要になります。たとえばAIは、人間が作業するよりも早く、正確に、客観的に人事選考や評価の基準を導き出すでしょう。しかし、そうして導き出された基準を運用するのは私たち人間です。最終的な判断は、データ以外の印象や直感も加味して行われます。企業にはそれぞれ文化があり、人材との相性がありますが、企業も時代とともに変化します。データが教えてくれるのは、過去あるいは現在において最適な人材に過ぎません。

自らの仕事、ひいては人事部の仕事がなくなってしまう、とAIを恐れたり毛嫌いしたりするのではなく、もっと柔軟に技術的な進化を受け入れて、より精度が高く、効率的な方法に目を向けるべきです。AIを使えるところは使い、生産性や利益を最大化し、最終的な判断は人間が担えばよいのです。

AIの発達によって大規模な失業が生じたり、人間力や社会力が衰退したりするのではないかという懸念の声もありますが、そうとは言えません。技術の進歩で社会構造は大きく変化し、社会状況も現在とは変わる可能性が高いわけですから、従来の知識にこだわらず、様々な可能性を視野に入れた広い議論が必要でしょう。AIに頼ること、人間がやるべきこと、これからの時代をどう生き抜いていくかを考えるきっかけとしていただければ幸いです。

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※次回は、第1部「センサデータの活用で始まった、AIを活用した職場環境改善」について、講演要旨と、講師である青木 俊介 氏(ユカイ工学株式会社 代表)のご感想を掲載する。

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