• 今、話題のテーマについて各界で活躍している方々と対談をする一問一答形式のブログの第7回目です。
  • 第7回目は トッパン・フォームズ株式会社元代表取締役社長福田泰弘様です。
■ ■ ■ ■ 時流を探る~高井伸夫の一問一答 (第7回)■ ■ ■ 
福田泰弘様 
(トッパン・フォームズ株式会社 元代表取締役社長)
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

[福田泰弘様のご紹介]

1935年兵庫県生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒業後、凸版印刷株式会社入社。1990年同社取締役就任。1993年常務取締役関西支社長就任(兼パッケージ事業本部副事業本部長兼関西商印事業部担当)、1995年トッパン・ムーア株式会社(現・トッパン・フォームズ株式会社)代表取締役社長就任。2004年代表取締役会長就任。2012年同社退職後に一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会理事長、eBASE株式会社取締役(現任)等歴任。神戸在住。

小生が、開催していた「社長フォーラム」に熱心に参加いただいたのがご縁で、お付き合いいただいております。現在は引退され、チャーチル会に所属して絵を描いたり、囲碁を楽しまれたり、旅行、ゴルフと、なお精力的に活動されています。今回は、同じく「社長フォーラム」第30期から最終回まで参加されていた株式会社ことば未来研究所代表取締役 鮒谷周史様、神戸在住の学校法人塩原学園 元学園本部長塩原一正様、石草流いけばな 奥平清祥様とともに、福田様に「老いの楽しみ」の極意についてお伺いいたしました。

 

[今回のインタビュアー・同席者は以下の通りです]

  • 奥平清祥様(石草流いけばな)
  • 塩原一正様(学校法人塩原学園 元学園本部長)
  • 鮒谷周史様(株式会社ことば未来研究所 代表取締役)
  • 高井伸夫

5人写真

左から鮒谷周史様、塩原一正様、高井伸夫、奥平清祥様、福田泰弘様 
神戸ポートタワーを背景に
取材日 2016年9月30日 
(場所)神戸メリケンパークオリエンタルホテル 14階 中国料理「桃花春」

 

高井

お久しぶりです。引退されて、「老いの楽しみ」は何ですか?

 

福田様

趣味でしょうか。絵やゴルフ、碁などです。絵ではチャーチル会(日曜画家の集まり)に所属しています。私が凸版印刷に入った時の最初の社長が、チャーチル会の創立者の1人でした。そんな縁で、チャーチル会に所属し、定期的に開催される展覧会等に出品したりしています。趣味とは童心にかえる事と思います。家から徒歩10分圏内のところにアトリエと称した部屋があります。そこで童心にかえり楽しんでいます。

 

高井

絵画について、自慢話をお聞かせ下さい。

 

福田様

何年も前の話ですが、アメリカの経済紙「フォーブス」の顧問をやっていた、アメリカの元国防長官が日本にやってきた際に野村証券の人と3人で食事をしました。その時に、私が絵を書くという話をしましたら、「ちょうどよかった。NYにあるフォーブスの美術館でビジネスマネージャーの集まりの展覧会をやるから、絵を出品しないか」と言われて、せっかくだから出しましょうと約束をしました。ところが、大変なことになってしまいました。というのも、上手でも下手でも、30号の大きさの絵を運送するということは、美術品の運送になりますので・・・。

 

高井

運送料がとんでもなく高いと思います。いかがでしたか?

 

福田様

そうなんです。保険料がむちゃくちゃ高くて、何十万円もする。僕の絵はそんな高いものではありませんから・・・。やっぱり出品しなくていいよと言いましたが、そういうわけにはいかないということで運ばなければなりませんでした。それでアメリカに転勤する若い社員がいたので持っていかせることにしました。ANAに頼んだら引き受けてくれました。若い社員をビジネスクラスに乗せまして、絵画を手荷物として機内に持ち込みました。そしたらそのANAのスチュワーデスがえらく親切にしてくれたようで、その後結婚、ゴールインしてしまいました。

 

奥平様

キューピットですね!

 

福田様

それからうちの会社で、私は縁結びの神様になっちゃいました。私の荷物を持ちたいと言うやつが増えて・・・(笑)。本当に不思議なものですよ。こんなこと夢にも思いませんでした。

 

高井

それで、展覧会は成功したのですか?

 

福田様

薬師寺を描いたのですが、みんな見に行ってくれました。ただ、見に行っても写真撮影はダメで、撮影した写真は全部没収でした。フォーブス美術館のVIPルームに通されて、そこでフォーブスの社長に会ったのですが、大変でした。あんな赤っ恥をかいたのは始めてです。フォーブスですから、雑誌の記者が10人くらい、ずらーっと並んでいまして、私はてっきり絵の話が出るのかと思ったら、日本経済の状況について聞かれて・・・そもそも美術の話だと思っていたので、インタビューの回答は、もう全然ダメでした・・・。

絵葉書

当時描かれた絵ですが、上記絵葉書になったとのことです。

 

高井

インタビュー記事はフォーブスに載ったのですか。

 

福田様

僕のアホみたいな経済の話は載りませんでした。いやあ、本当にあれはすごい思い出になりました。

招待状

当時のカクテルパーティ招待状、美術展出展者リスト

高井

絵以外の趣味は何ですか。

 

福田様

やっぱり碁でしょうか。ボケ防止です。アマチュア8段です。ただ、8段というと連敗しますので、あまり人には言いません(笑)。碁というのは、一度段を取ると落ちることがありませんが、年々実力は落ちています。

 

鮒谷様

囲碁はハマってしまうと、面白すぎて仕事どころではなくなってしまいそう、という印象がありますが、現役時代はどのくらい碁をされていましたか。そもそもいつから碁をやっていたのですか。

 

福田様

私は中学1年で碁を覚えまして、学生のときは「語学」は英語ではなくて、「碁学」でした。学校行って、碁を打って、時間になると帰って・・・。もう、その頃に5段くらいになっていました。英語は全然できない。職員室で先生と碁を打っていた。お前は受験勉強をしなくてもいいのか、と言われて、いやいや碁学をやっていますと言いました。

それ以外に、ゴルフもけっこうやっていますし、旅行にもよく行っています。

 

高井

「老後の苦しみ」はありますか?

 

福田様

そうですねえ・・今まで、どこに行っても大御所、大先輩という人がたくさんいました。今はどこに行っても、長老と言われます。乾杯の音頭をとれとか、なんやかんや言われて、俺はまだ若造なのになあと思います(笑)。

 

高井

81歳というともう長老ですが、福田さんは好奇心の塊なんですね。ところで、一番の失敗は何ですか?

 

福田様

やっぱり僕は、“忘れんぼ”です。海外で、パスポートを2回取られました。そういう時に限って普段は少ないのに財布に大金が入っている。旅行の初日に、全部なくしてしまいました。1回目はハワイです。15年前です。その次が香港です。ハワイで、最初に取られたときは、社員が一緒でした。皆に笑われました。まず再発行の時、パスポートの再発行の際には、写真を撮りますが写真屋のおっさんにバカにされて・・・(笑) こんどは領事館に行くと、領事館のおばちゃんにバカにされて・・・こんな日本人いるんだなと、それからJALのおっさんにバカにされて・・・。散々でした。

香港の時は嫁さんと一緒でした。盗まれる5分前に、あなた、財布は私が持つと言われて、財布は渡していました。

 

高井

それはよかったですね。

 

福田様

それが、セカンド財布を持っていたのです。日本円を入れているお財布を渡して、香港のお金を入れた財布を取られまして。パスポートも。それが、この時はついていまして、お金は戻ってこなかったのですが、パスポートだけはかえってきました。ついていたんでしょうね。

 

高井

仕事での失敗話はありますか。

 

福田様

印刷屋というのは、ミスがよくおきます。印刷屋はミスをおこす産業であると言われていますから。その中でもよく覚えているのは、お酒の容器としてビンに変わり紙容器がはじまった頃です。そこからお酒が漏れちゃいまして、それが、全国の酒屋さんに配送した後だったのです。全国から回収するのに、めちゃくちゃお金がかかります。

 

高井

どのくらいの損害だったのでしょうか。

 

福田様

数億円くらいです。原因は、結局は、”経験不足“でした。

 

高井

印刷屋はミスの連続、そして経験こそ、成功のもとですね。

 

福田様

本当にそう思います。基本を忠実に守ることが大切です。漏れてしまった酒造会社の社長さんがとても良い方で、とにかく何年かかってもいいから償却しろと言って値段を上げてくれたり、全部印刷の仕事をいただいたりしまして、なんとか、損害を少なくすることができました。温かい心に感激したことを思い出します。

 

高井

では、「よくやった、神様はいたんだ!」という出来事はありますか?

 

福田様

私は、振り返ってみて一番よくやったというのは、私が社長になったことです。私が社長になった、これがやっぱり不思議なこと、ツキですよね。私はトッパンで社長に一番縁のない存在でしたが、ドンと指定されました。麻雀のパイと一緒じゃないでしょうか。たまたまめくってみたら福田って書いてあったからというように。それから、人生やビジネスでツキが大きなウェートをもち、そのツキを呼びこむ努力をしていくことが大切と考えるようになったんです。

 

高井

人生の中で、神様がいるなと思った瞬間はありますか?

 

福田様

私がトッパン印刷から、トッパンムーア(現:トッパン・フォームズ(株))に転勤するという任務がありまして、ちょうどそのころ電通で年賀会がありました。その年賀会で占い師が何人か来ていまして、20人くらい列をなしていたのですが、1人だけ空いている占い師がいました。サイコロ占いです。サイコロ転がすだけ。こんなの当たるわけないと思いつつも、試しにみてもらいました。私が3個のサイコロをころがすと、その結果をじっくりながめて、「あなたは職を変えますね」と開口一番に言われました。驚きました。それで「あなたは東の方向へ行きます」と。当時、大阪にいたのですが、トッパンムーアは東京でしたから東へ行くというのは当たっていました。「東へ行く。あなたは数年間素晴らしい運勢だ」「あなたはそれを信用して、こちらの職に変わりなさい」と言われたのです。それでトッパンムーアに着任した日の挨拶で「この会社のスタッフはいりません。1人だけ占い師を雇います。」と言いましたら、従業員にえらく恨まれました・・・。そんなこともあって、トッパンムーアでどんなにピンチになっても、俺の運勢はついているんだから、俺の言うことを信じろと言い続けることができました。

 

高井

話は変わりますが、福田さんは現在はどんな方と親しくされていますか。

 

福田様

中学の時の友達で常時会っているのが1人、高等学校で常時会っているのが2人、大学で常時会っているのが5人、凸版系の会社で会っているのが10人前後、あとは、圧倒的に、この学校友達、会社友達以外です。1つは、お客さんとしてお付き合いしているなかで、いつの間にか、家族同士でお付き合いしている方。なんとなく意気投合しちゃう、こういう方が意外と結構います。もう1つは、旅に出て、たまたま行程が一緒になった人、そういう偶然の人が結構あります。それから、もう一つは絵、囲碁、ゴルフなど共通の趣味を通して、又、その先生を通しての知り合い、これは結構、国際的な感じで海外の方も多いです。親しい方は一番の財産です。

 

高井

幅広い人脈をお持ちなんですね。今日は色々な話を聞かせていただきありがとうございました。

 

---------

福田様は、関西人らしく、笑顔と笑いの絶えない快活、愉快な方です。81歳という年齢にもかかわらず、大変お元気で、多芸多趣味でいらっしゃって、久しぶりにお会いしましたが、あっという間に時間が過ぎてしまいました。福田様は年に10回ほど旅行をするというほどで、絵画や囲碁、ゴルフなど趣味に超多忙な日々を過ごされていましたが、また2年後にメンバーを1~2名増やして会合を開催する約束をしました。

以上

 

ご利用案内

内容につきましては、私の雑感等も含まれますので、真実性や正確性を保証するものではない旨ご了解下さい。

→ リンクポリシー・著作権

カレンダー

2016年12月
« 11月   1月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

最近の投稿

カテゴリー

月別アーカイブ

プロフィール

高井・岡芹法律事務所会長
弁護士 高井伸夫
https://www.law-pro.jp/

Nobuo Takai

バナーを作成