2017年5月26日のアーカイブ

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2017年5月3日(水)8:23 根津神社にてツツジを撮影
花言葉:「節度、慎み」

 

 

第5回 三種の神器

 

株式会社日本総合研究所
リサーチ・コンサルティング部門
青木 昌一

 

1.想定内

ホリエモンこと堀江貴文氏がライブドアの社長として頻繁にマスコミに登場していた頃、さまざまな人から投げかけられる質問に対して「想定内です。」と自信に満ち溢れている表情で答えていたことをご記憶の方も多いと思います。恐らく、堀江氏は実際にいろいろなケースを想定して自社内やご自身の頭の中でシミュレーションをされていたのではないかと思います。その作業があの自信に満ち溢れた表情を生み出していたのだと私は理解をしています。

ビジネスの中には出口の見通せないことに様々な場面で出くわします。そういった場合に想定できていないことをあらかじめ想定できていると極めて楽に仕事を進めることができます。つまり何か困難にぶつかっても「想定内です。」と自信を持って言い放つことができれば、その困難は解決したも同然と言える訳です。

 

2.事前準備

高井先生のお世話になり始めたきっかけは前職西洋環境開発の小さな関係会社の撤退であったことをこの連載の第1回目で書きました。

この時、私たちが高井先生に言われたこと。それは全体のスケジュールを作り、それができたら「大義名分」、「想定状況」、「想定問答」を作りなさいということでした。

「大義名分」とは、このケースで言えば、なぜ会社を撤退しなければならないのか?社員や世間に対してどう説明するのか?その理由をきちんと説明できるようにまとめることを指します。ここで説得力のある説明ができなければ社員の方々からの了解を得ることができません。そうなると、撤退が遅れ、さまざまな支障が生じてしまいます。

したがって、大義名分をしっかり作り、その上で社員の方々に充分な説明を尽くそうということでした。

「想定状況」は、あらゆる事態を想定し、打ち手を考えておくことです。そして何か重大な事態が発生した場合には現場ではどのような処置をし、どこに連絡を入れるかをすべて書き出して共有するためのものです。

「想定問答」は、様々な関係者からの問い合わせ、質問に対してどう答えるかを決めておくことです。したがって、このケースに関して言えば、社員の方々からの問い合わせはもちろんのこと、お客様、取引先、マスコミ、社員の家族など全方位に対して備える必要があります。

想定問答の最大のポイントは尋ねられた人が自分の思い込みで勝手なことを答えることのないよう関係者で平仄を合わせることにあります。そして、すぐに回答しきれないような質問があった時には一度持ち帰って対応を協議し、質問者に回答しなければなりません。しかし、毎度毎度質問を持ち帰っていたのでは、会社に対する不信感が募ります。そういうことをできる限り少なくし、関係者が即答できるようにさまざまな質問とそれに対する答え方を書き出して共有して備える訳です。

この「大義名分」、「想定状況」、「想定問答」を備えることは、その後、私たちが何かを行う際に欠くことができない作業になっていきます。

ですので、この三つの作業を総称して私は密かに「三種の神器」と呼んでいたのです。

 

3.「三種の神器」の本当の効果

これらの作業を行うことで、我々は万全の対策を練り上げることができ。。。。。。いえ、実はそれでもしばしば想定外の事項が生じたり、質問がなされたりします。しかし、この事前の準備を十二分に行うことで、少々のことでは動じない自信が身に付きます。

あることに対して、自らの頭をフル回転させ、あるいは関係者と徹底的に議論を尽くして備えることで、何があってもきちんと対応できる自信が湧いてくるのです。こういった感覚は受験生が問題集でいろいろな問題にあたり、本番で同じ問題が出ずとも、これはこういう風に解けば良いという自信がつくのと似た感覚があります。

人事労務ではこのように先の見通せない対応を余儀なくされることがしばしばあります。したがって、私も客先から労務問題などの相談を持ち掛けられるときには、こういった過去の経験をお話しし、「大義名分」、「想定状況」、「想定問答」を作るようにおすすめするのです。

そして何より自信を持ってことにあたると、不思議なことに問題がうまく解決できるのです。もちろん、その過程で右往左往するような事態も発生します。しかし、充分に準備をしたんだという自信が、自らの動き方や判断を正しく行えるようにしてくれ、問題を解決してくれる訳です。

したがって、私が客先のメンバーによってこれらが作成された場合に最も着目するのは、例えば私が例示をしたものをお渡ししても、さらにこれらを徹底的に見直し、自らの言葉としてまとめ上げられているかどうかです。もし、通り一遍をなめただけだと危うさが残ります。しかし、自分の言葉として本気で見直しをされていると読み取れる場合には、もう大丈夫だと思うのです。 

以上

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