2017年7月10日のアーカイブ

  • 今、話題のテーマについて各界で活躍している方々と対談をする一問一答形式のブログの第16回目です。
  • 第16回目は、有限会社横内商店 代表 横内誠様です。

 


 

■ ■ ■ ■ 時流を探る~高井伸夫の一問一答 (第16回)■ ■ ■ 
有限会社 横内商店
代表 横内 誠 様
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[有限会社横内商店 代表 横内誠様 プロフィール]

昭和49年8月8日生まれ。有限会社横内商店代表。

『究極の産地直送とは?』を考え、自らも生産者になることを決意し、2006年の銃砲所持許可免許を取得し、2007年から狩猟者(ハンター)となり、自ら狩猟した獲物を食材として販売。日本にない食材をつくるべくフランスより食用鳩を輸入し、茨城の提携農場にて食用鳩専門農場を設立し現在も一流レストランに卸業務を行っている。その他にも大学と提携し究極の赤身牛肉の生産販売や循環型畜産にて生産されるエコ食材の精力的な販売など行っている。

2006年銃砲所持許可免許取得から夏場はクレー射撃の練習を行い続けた結果、現在クレー射撃日本代表として海外の試合などに出場。2014年アジア選手権大会(UAE)10位、2012年アジア選手権大会(インド)16位。その他、世界選手権・ワールドカップに多数出場。国内の大会では2016年岩手国体スキート種目 優勝。

横内様、新井様お写真

写真は、右から横内誠様、新井由可様
日本工業倶楽部会館2階ラウンジにて2017年5月10日撮影

[今回のインタビュアーは以下の通りです]

  • 新井(横内)由可 様
  • 昭和52年3月21日生まれ。
    オリンピックテレビ観戦をきっかけに9歳で 器械体操を始める。1990年に全日本選手権大会個人総合7位入賞、その後、数々の国際大会に日本代表として出場。段違い平行棒の降り技で新技に挑戦し、後に「ARAI」というE 難度の技が誕生。自分の名前の技を持つ体操女子選手は日本で3名のみ。18歳でクレー射撃へ転向後、日本代表として数々の国際大会に出場。現在はパーソナルトレーナーとして活動するとともに後輩選手のセカンドキャリア相談・支援も行っている。

  • 高井伸夫 
  • 高島さつき(秘書)
取材日:2017年5月10日(水)日本工業倶楽部会館2階ラウンジ

 

 


高井

ジビエは業界全体で伸びているのですか。

 

横内様

ちょっと前に比べると伸びていると思います。なぜかと言うと、昔はジビエの流通が悪かったので、ジビエ食材が行き来しませんでした。今は流通が良くなって物量が増えたのと、それを告知する報道とか、雑誌、書籍等が増えていますので、みんながジビエを食べようという気持ちになっている部分があります。ジビエに対して、「行ってみたい」「ヘルシー」というふうにイメージが変わってきています。

 

高井

ジビエを提供するレストランは増えているんですか。

 

横内様

増えています。いろんな人がジビエ食材を使う事によって、いろんな料理方法で提供され、メニューが増え、お客さんも選択肢が増えていると思います。今までは、そもそもジビエを扱っているレストランが少なかったので、ある一定の料理でしか提供されなかったのが、色んな考え方の色んな人が料理するようになった。フレンチだけでも、クラシカルな伝統的な料理を作る人もいるし、今の新しいモダンなものを作る人もいる。食べさせ方、ソースの付け方、熟成のさせ方が変わってきています。そういう意味ではフレンチは奥が深いです。

 

高井

素人におすすめの、馴染みやすいジビエを教えてください。

 

横内様

馴染みやすいのはカモです。それなりに美味しいやつは高いですが・・・。ジビエ食材は、獲るのも大変ですし手間がかかっている分、付加価値を付けて出したいというレストランが多いです。カモの他には、シカでしょうか。流通量も多いですし、食べやすさからしたらシカが一番食べやすいかもしれませんね。

 

新井様

シカ、カモ、は初級編ですね。

 

高井

具体的にはどういったお店がありますか。おすすめのレストランを教えてください。

 

横内様

この辺り(注:丸の内)だと、「ブラッスリー ギョラン (Brasserie Gyoran)」さん、このお店のシェフは一緒に狩猟をやっています。シェフ自らが獲りに行く。もちろん僕が獲ったのも卸しています。キジ、カモなどの鳥類や、珍しいところだと、コジュケイ(小綬鶏)だとか、ヒヨドリなどを獲っています。

 

高井

ジビエのダイヤモンドと呼ばれる食材はありますか。

 

横内様

ダイヤモンドと表現するものは聞いたことはありませんが、フランスの表現で、ヤマシギ(山鴫)はジビエの王様とか女王様と呼ばれています。一皿1万円くらいします。

 

高井

一番おいしい食材は何ですか。

 

横内様

好みがあると思いますが・・・、新鮮なカルガモ、もしくは1か月くらい熟成させたくらいのキジでしょうか。

 

新井様

フランスではもともとキジは、1か月くらい熟成して、腐りかけたものを食べるんですって。ぶら下げて行って、首がとろーっと伸びてくるんです。それくらい伸びてくると食べごろとなるそうです。熟成させた方が、味がよくなり香りもでるようですよ。

 

高井

横内様は、具体的にどこでどうやって狩猟をしているのですか。横内様の狩猟スタイルを教えてください。

 

横内様

地元の狩猟免許を持ったおじいちゃんたちと組んでペアでいきます。犬を使って獲物を見つけて、追い出して、飛んだところを鉄砲で狙います。獲物は特別な場所に生息しているわけではなく、身近なところにいるんですよ。

近郊だと千葉の雑木林とか、銚子辺りまで行くと、キャベツ畑で作業をしている農家の方の横を「こんにちは」なんて挨拶して通り過ぎたりすることもあります。キジは嘴でキャベツをつつくから農家さんにとっては天敵なんですよ。

 

高井

今年のヒットは何ですか?

 

横内様

今年はヤマシギですね。40羽くらい獲りました。日本では、ヤマシギを獲る人が少ないんです。鉄砲撃ちはそれなりにいますが、ヤマシギがいる場所を知っている人が少ないんです。それと、犬を連れていても、犬がヤマシギの匂いを知らないとヤマシギがいても分からない。犬は匂いを知っているか知らないかなので、僕らは犬に匂いを覚えさせて獲っているんです。

 

高井

ヤマシギの匂いを犬に覚えさせて獲るとは、どうやって犬に匂いを覚えさせるのですか。

 

横内様

親犬の猟に子犬の頃から連れていきます。親が獲ったら、内臓を出させて、子犬に食べさせるんです。これは美味しい、と子犬に匂いを覚えさせるんです。覚えると、その匂いを求めて追いかけるんです。獲物がいたら、しっぽをピーンと振るんです。ここにいるよ~と。そこで僕らは構えて待っていて獲るんです。

 

高井

一番難しい、大変だった猟について教えてください。

 

横内様

ここ2~3年は行ってませんが、北海道の蝦夷ライチョウはなかなか獲れません。日本ライチョウは獲ったらだめですが、蝦夷ライチョウは獲ってもいいライチョウです。生息数が本当に少ないんです。朝一から北海道の山奥の小川のほとりで、おびき寄せるためにピーピー笛を吹くんですが、なかなか出てきません。寒いし、吹きすぎて酸欠になって、もう頭がいたくなるんですよ。笑

 

高井

蝦夷ライチョウは高価なんですか?

 

横内様

むちゃくちゃ高いです。北海道まで行って、僕が笛を吹く料金がかかってますから 笑。ただ、1日1羽も獲れないので、面白くないから誰もやらないんですよ。僕は高く売れると思ってやりますが、商売をやってきて、まだ6羽くらいしか獲ったことがないです。何回北海道を往復していることか・・・。蝦夷ライチョウは大赤字です。

 

高井

熊の胆嚢は癌に効くと聞いたことがありますが、マタギと呼ばれる人達から獲物を卸してもらうことはありますが?

 

横内様

僕が知っている人で、岩手と北海道でそれぞれ獲物を獲って皮をなめして販売したり、普通の時期は野菜を作ったりして生活している人がいます。その人たちは、認可を受けた解体場を持っていない人が多い。四つ足に関しては、認可を受けた解体場で解体したものしか買わないようにしています。そうでもしないと、法律が甘すぎるんで、何かトラブルがあった時に、だれも責任を負えなくなってしまうんです。ですから彼らから買わないのではなく、買えないというのが現状です。扱っている食材は、お客さんの口に入るものである以上、衛生面がしっかりしているところでないと、という思いがあります。そこの部分だけはちょっとナーバスになります。

 

高井

ジビエの仲買人をするためには、どういった資格が必要ですか。

 

横内様

僕の場合は狩猟登録、ハンターとしての免許と、食肉の販売免許、この2つでやっています。実際に販売するに当たっては、おそらく販売免許も何にもいらないと思います。まだ、そういった決まりがないんです。販売するところさえ持ってたら、ど素人でもジビエを販売できます。例えば高井先生が獲ってきたら、僕が500円で買いますよ。笑

 

高井

ジビエ・狩猟に関するの日本の問題点は何ですか。

 

横内様

疑問になりますが、日本では、狩猟をすること、鉄砲を使うことは引け目を感じる部分があります。法律的にも厳しくなってきています。国が、銃、鉄砲を持たせないようにする、という流れがあります。一方で、狩猟者が少なくなってきているから、農作物への被害が年々増え深刻化しているのを受けて、狩猟者の育成に国が補助金を出しています。あい反することをやっていてます。

 

高井

管轄している省庁はどこですか。

 

横内様

環境省が狩猟に関しての免許を全部発行しています。あくまでも駆除、生体の調整が目的ですが。一方で、鉄砲を持たさないようにしているのは、警察庁です。

 

高井

安全、防犯か、環境整備か・・・、国の姿勢に一貫性がありませんね。

 

横内様

鳥獣被害は年々拡大していて、農家は困っている。食料自給率は下がっている。イノシシとかシカの被害があるから獲って、といわれて鉄砲で獲りにいっても、警察からあなたは資格がないですね、というふうに言われると、どうしたらいいのかわからなくなります。国は何がしたいのでしょうか。

 

高井

横内様はジビエの自給率100%を目指されていますが、現状と可能性を教えてください。

 

横内様

イタリアンやフレンチレストランの場合は、ヨーロッパ産の食材をたくさん使いたいという志向があります。彼らは修行したときに使っていた現地、ヨーロッパ産の食材を使って料理を提供するという考えのため、ジビエは輸入食材が多いんです。フランス、スコットランド、スペイン等から輸入しています。

実際には、イタリアン、フレンチ、スペイン料理でも日本でジビエ料理をするうえにおいて、すべて国産で揃うんです。鮮度も高いですし、何で日本の食材使わないのかなと。それで、地産地消を訴えています。自給率100%を目指して、国産のものだけでレストランを行ってくださいよ、という形で営業を行っています。

ジビエ市場拡大についてはまだまだ課題がたくさんありますが、自給率100%を目指していきたいと思っています。

以上

 

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