2017年8月25日のアーカイブ

  • 今、話題のテーマについて各界で活躍している方々と対談をする一問一答形式のブログの第19回目です。
  • 第19回目は 株式会社サイバーエージェント人事本部事業推進室長野島義隆様です。

 


 

■ ■ ■ ■ 時流を探る~高井伸夫の一問一答 (第19回)■ ■ ■ 

株式会社サイバーエージェント
人事本部事業推進室 室長  野島 義隆 様 

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野島様[株式会社サイバーエージェント 
人事本部事業推進室 
室長 野島義隆様プロフィール]

1973年神奈川県鎌倉市生まれ。

 ベンチャー企業の立ち上げを経験後、2003年サイバーエージェントに入社。インターネット広告事業本部営業局長を経て、2013年新規事業子会社の取締役に就任。2013年に人事本部へ異動後、2015年より現職。

 


[今回のインタビュアーは以下の通りです]

  • 高井伸夫 
  • 宮本雅子(秘書) 

 

 


 

高井

御社の業績はいかがでしょうか。

 

野島様

7月に第3四半期決算発表をさせていただきましたが、年間の予算計画に対して堅調に推移しております(注2017年7月末現在)。注力事業であるインターネットテレビサービスであるAbemaTVのダウンロード数も順調に伸びていて、今(同上)開局1年4ヶ月で2,000万ダウンロードを超えました。利用者もだいぶ増えてきて、手探りから手応えを感じている状態です。

 

高井

インターネットとテレビの融合という企画にチャレンジし始めて、融合はどんどん進んでいるのでしょうか。テレビ事業の資金源はゲーム事業ですか?

 

野島様

おかげさまで一定の手ごたえを感じています。若者のテレビ離れに対しスマートフォンで動画視聴が進めば「新しい視聴習慣の創造」を実現できるのではと思っています。実際は若者中心ではありますがその他の世代にも使われていて、月間900万人以上(同上)の利用者の方に使っていただいております。

積極投資は広告やゲームといった既存事業が支えている形になっております。ゲーム事業はスマートフォンゲームが堅調に推移しております。また、広告事業も動画広告中心に好調に伸びております。海外拠点も増やしさらに拡大中です。AbemaTV以外のメディア事業も市川海老蔵さんなどに活用していただいているアメーバブログや若い世代に人気のマッチングサービスなどが伸びてきております。

 

高井

ところで、御社ではAIは活用されていますか?

 

野島様

社内にAI研究機関である「AI Lab(エーアイラボ)」があります。現在大阪大学、東京大学、米イェール大学、東京工業大学、理化学研究所など複数の機関と産学連携を行っております。また、事業としてはAIを活用したチャットボット(注1)事業である「AIメッセンジャー」を展開しております。

人事領域でのAI活用については、現在人材科学センターと人事システム室を設置し活用の検討をしている状態です。

(注1)チャットボット:人工知能を活用した「自動会話プログラム」

 

高井

御社ではインターンシップがかなり活発ですね。

 

野島様

そうですね。サイバーエージェントのことをもっと知ってほしい、事業の現場をリアルに体験してほしいということで積極的にやらせていただいております。

インターンの種類もいくつかあって、ワンディ(1日)か、3日間が多いですが、長期インターンも実施しています。広告をやりたい、ゲームをやりたいなど分野で選ぶ方と、経営者とか新規事業の立ち上げをやりたいなどキャリア軸でのコースの両方があるんですけど、どちらにも、まんべんなく集まっています。

 

高井

インターンの面接ではどういった人を採るのですか。

 

野島様

まずは弊社のビジョンである「21世紀を代表する会社を創る」に共感していただける方です。一緒に会社を創っていく方を求めているのでその考えに賛同していただけるかが重要です。

また、素直で良い人を多く採用するようにしています。インターネット業界は変化の多い業界です。頑固で変化に対応できない人はうまくいかないことがあります。採用基準ということではないのですが人事で活躍している人材の特徴を話したことがあります。野心があり、行動力があり、成果が出せるかどうか。野心と行動力、この二つができている人は多いのですが、最後に成果を出すところにこだわれるかが重要ですね。最後、球際(注2)で成果を出すところまで頑張らなきゃいけない時も多く出てくるので。

(注2)球際:野球やサッカーで,ボールを勝負どころぎりぎりで打ったり捕球したり,あるいは蹴ったりすること。


高井

御社の平均年齢と社員の男女比について教えてください。

 

野島様

平均年齢は31歳強です。私が入社した時は平均年齢27歳ぐらいだったので、少し上がりました。男女比は、男性7対女性3ぐらいです。ビジネス職は、女性比率が高いのです。エンジニアの職種は、ほぼ9割近くが男性です。執行役員は10人中1人のみ女性ですが、マネージメントをする管理職は20%くらいが女性です。女性で2年目から管理職になる人もいます。

 

高井

女性が多いということで気を付けていることはありますか。

 

野島様

あまりマネージメントとしては変わらないですかね。あるとすれば、女性はライフイベントがあるので、目標設定のところで短期的に一番頑張れるところを引き出せるようにしています。

 

高井

今の若者がゆとり世代という感覚はありますか。

 

野島様

感じることは少ないですね。面接の際に、何がやりたいですかって聞くと、「裁量権がある仕事がしたいです」「新規事業をやりたいです」という人が多いのでよく言われるようないわゆるゆとり世代の人は当社には少ないのかもしれないですね。

 

高井

新規事業と裁量権がある仕事がしたいと。若手での実績はありますか。

 

野島様

内定者が入社までの間にアルバイトをしていた時に社長に抜擢されたことがあります。毎日日記のようにスマートフォンに写真をアップしていく写真共有アプリを本人が趣味で作っていたところ、それを会社化しました。その会社は、今、業態を変えて、スマートフォンのマーケティング会社になったものの、大きく成果を出しています。このように入社年次の若い世代が事業責任者や子会社社長に抜擢される事例は数多くあり、若手の活躍土壌としてはチャレンジしやすい環境だと思っています。

 

 

高井

それは素晴らしいですね。他に例はありますか。

 

野島様

女性が2年目からマネージメントに登用されることがあったり、20代のうちにサイバーエージェントの取締役に抜擢されることもあります。若手の抜擢機会は、会社全体にもチャレンジを実現できるという意識が増え、実際実現する機会も増えて行く良いサイクルになっていると思います。

 

宮本

会社としての大きな目標、掲げていらっしゃる社是というのは何があるんですか。

 

野島様

社是というものはありませんが、ビジョンとして、「21世紀を代表する会社を創る」というものがあります。このビジョンができて、会社の雰囲気も変わったと思います。私が入社したころは、目標が複数あり、何を目指せばよいのかわかりませんでした。そこで1つのビジョンに絞ったことで、みんながビジョンに向かって個性ある様々な発想を持ち始めました。

 

宮本

野島様にとっての21世紀を代表するっていうのは、どういうことになりますか。

 

野島様

この質問は学生にも面接で聞かれることが多いんです(笑)。私の個人的な意見になりますが、みなさんの想像する20世紀を代表する会社であるトヨタやソニーのように、世界的に圧倒的な成果を出し、かつその企業自体が多くの方に愛されているという2つが成り立たないといけないと思っています。これからも世界中で使われるようなサービスを提供し、みなさんに応援してもらえるような会社をつくらなきゃいけないと思っています。

 

高井

社会貢献、社会のため、国家のため、企業のためとよく言いますが、何をやったら社会のため、国家のため、企業のためになるのか、どうしても利益を上げることに目が行きがちですが、それを具体化することが愛されることにつながる。社員がこうなればいいとそれぞれ思うことを実現していくということ、21世紀を代表する会社、21世紀に誇れる会社になるというのは素晴らしいと思います。頑張ってください。

以上

 

 

20170825IMG_3764.JPG

2017年7月29日(土)7:28 中目黒公園にてアガパンサスの蕾を撮影
花言葉:「恋の訪れ、知的な装い」

 

 

第8回 リストラの攻防


株式会社日本総合研究所
リサーチ・コンサルティング部門
青木昌一

 

1.初めての高井先生の著書

ご案内の通り、これまで高井先生は数多くの著書を出版されています。私がそれらの著書の中で最初に読ませていただいたのは「リストラの攻防」(1994年民事法研究会)でした。

前職西洋環境開発がいよいよ尋常ではない状態だということで、密かに管理部門で再建策を練らなければならなくなりました。そのことが当時の人事部長から私の上司であり先輩であった課長と私の二人に知らされ、人員を減らすことまで含めて検討しなければならないところまで逼迫していることを告げられました。

ですが、本連載の第一回目に書いた小さな関係会社撤退に関しては高井先生の指導を受け、なんとか対応しきれたものの、本体および他の関係会社をどうすれば良いのかさっぱり分かりません。そのとき「これを読むと良いよ。」と教えてくださったのが、最初に高井先生をご紹介下さった西武百貨店の人事部の課長でした。

その本が「リストラの攻防」でした。このブログの読者の方の中にはご存知の方も多いと思いますが、この本、並みの本ではありません。

 

2.大きな衝撃

まず、タイトル。

「リストラ」などという言葉がタイトルに入っている本など、当時は見たことがありません。このタイトルだけで十分衝撃的でした。

さらにカバーが真っ黒。これから学ぼうとする中身を暗示するような黒いカバーでおおわれています。

そこには後々高井先生から口を酸っぱくして叩き込まれた「短期集中、中央突破」で企業の苦境を脱するための人的リストラの方策が記されていました。

今も高井先生は「原則倒産の時代」であるとおっしゃいます。この本は誰しもが今所属している会社に倒産の危機が訪れる可能性があることを前提に企業人、とりわけ企業経営者や企業の幹部、人事担当者に向けて書かれています。

特に印象深かったのは、リストラを進める際に「神棚にお参りをしなさい」といった趣旨のことが書いてあることでした。そこまで腹をくくる必要があることなのか。私にとっては大きな驚きであり、覚悟をするきっかけにもなりました。

そして内容はというと、率直に言って、最初は意味が分かりませんでした。もちろん言葉は理解できます。ですが、そこに書いてある、しかもかなり平易な言葉で分かりやすく書いてある文章なのに、私の脳みそが勝手に拒否反応を示すのです。「そんなこと無理、とてもできる訳がない。」そうした潜在意識が邪魔をするのです。

後で考えると、もちろん限られたページですからすべてを書き記してあるわけではありません。しかし、逼迫した企業が何をすべきかは、その方策と具体的な方法が丁寧に紹介されているのでした。

 

3.人事権の法的展開

「リストラの攻防」に加えてもう一冊、先生の著書の中で人事担当者としての私が極めて実務的に参考にさせていただいた本があります。それが「人事権の法的展開」(1987年有斐閣)です。

これは当時頻繁に訪ねていた西武百貨店の人事部の方から1995年頃にたまたま

二冊あるからあげるよと頂いたものです。

この本は出版が有斐閣というということからもお分かりいただけるように、極めて専門的な書籍です。労働判例を紹介しつつ、法的な論点を挙げながら高井先生が解説をされている本格的な労働法務の本です。

労働法務と書きましたが、労働関係の問題は法律通りにはいかない部分が数多くあります。とくに解雇関係の問題は民法や労働基準法通りに定められている通りで良いと思ったら大変な問題になりかねません。

そのあたりの法律家でも恐らく分かりにくいと思われることを、丁寧に解説されています。人事担当をしていた当時、この本を読み込みいろいろな問題を想定しながら問題解決の方策を練る、そういうことで大変役に立った本でした。私にとっては人事実務の教科書でした。

西洋環境開発で人事部から異動になったとき、人事部の本棚に置きっぱなしにしておいたために手元に残っておらず、また、すでに絶版になってしまっていたために20年間目にすることができなくなってしまいました。

コンサルタントの仕事をするようになり、労務的な相談を受けたときに、「あの本があれば、似たような事案が紹介されていたよなあ」と思ったことが幾度もありました。

余談になりますが、それがこの4月にたまたまAmazonで検索してみると古書ですが、入手できることが分かり一も二もなくクリックをしました。

こうして改めて「人事権の法的展開」を読んでみると、紹介されている判例は、30年前の本ですから古くはなっています。しかし、その内容は今でも十分に参考になるものです。その一方で昭和50年前後の裁判では今ではとても考えられないようなことが起きていたことがよく分かります。

企業で人事労務を担当されている方には古書でもぜひ入手して参考にしていただきたい一冊です。

以上

 

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