2017年9月10日のアーカイブ

  • 今、話題のテーマについて各界で活躍している方々と対談をする一問一答形式のブログの第20回目です。
  • 第20回目は FINEST株式会社 代表取締役 徳永美佳様です。

 


 

■ ■ ■ ■ 時流を探る~高井伸夫の一問一答 (第20回)■ ■ ■ 

FINEST株式会社 代表取締役 徳永美佳様

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[FINEST株式会社 代表取締役 徳永美佳様プロフィール]

徳永美佳様お写真FINEST株式会社 代表取締役社長、一般社団法人ビジネスカラー検定協会 会長 

元ANA全日本空輸株式会社の客室乗務員。チーフパーサー、グループスーパーバイザー職を務め、客室本部(地上職)勤務ではスターアライアンス、政府チャーター、新機種導入時の客室乗務員の編成担当などを担当。JAL系の研修会社ザ・アールの研修講師、みずほ証券調査部長秘書を歴任、その後独立し、個人事務所finestを設立。2013年8月に株式会社FINEST設立。

2015年12月には一般社団法人ビジネスカラー検定協会を立ち上げ、「ビジネスカラー能力検定」の普及に努めている。

 

 

 

 

 

 

 

[今回のインタビュアーは以下の通りです]

横倉様

  • FINEST株式会社 教育研修部 チーフ講師 横倉容子 様

    FINEST株式会社チーフ講師。的確なアドバイスとメリハリのある指導が好評。ANA空輸株式会社で客室乗務員職として乗務し、その後インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー資格を取得。店舗研修では接遇指導に加えVMDの視点からも指導を行い、資格を活かして指導を行っている。

  • 高井伸夫  
  • 高島さつき(秘書)

 

 

 


高井

御社の研修の特徴、強みを教えて下さい。

 

徳永様

新入社員研修もそうですが、中小企業、100人以下の企業に対する研修に強みがあります。100人以下の規模だと全ての階層では行われていなかったり、そもそも研修自体を全く実施していない企業様も多いんです。「研修なんて必要ないよ」「なんで今さらマナーなんだ」と言っている現場の人を相手に、カリキュラムを作り上げて、研修を実施して、マナーの大切さを伝えてきました。そこには様々な苦労がありましたが、今ではその経験と知識の豊富さが弊社の大きな強みとなっています。

 

高井

御社のHPに、BCMブレインマネージメントカード研修というのがありますが、これは御社独自の研修でしょうか。

 

徳永様

これは、立ち上げ当初からある研修で、弊社が作り上げたコミュニケーションツールです。最初、一人で講師をやり始めたころに、心理学を学び、様々なソーシャルタイプ分けの研究をしていくなかで、どのツールも最後の落としどころが一緒だなと感じていました。またソーシャルタイプ分けの作業では、様々なキーワードを選んでもらうのですが、ネガティブなキーワードがあることは避けたかった。例えば「威圧的」とか、「権威主義」というキーワードを他人に選ばれてしまうのは嫌だろうなと思っていました。それで、そういった言葉を全部排除したものを作ろうと意識して、独自のコミュニケーションツールが出来上がりました。

外国人の方、特に中国人の方を対象にBMCカードを使いだして、カードに中国語のテプラ貼って対応していたのですが、英語のカードを作れば、さらにいろんな国の方に分かってもらえると思い、英語のカードをつくることにしました。その際に、英語のニュアンスと日本語のニュアンスが違うなと思うものは、キーワードを変えたりしました。そのほかにも、よりソーシャルタイプ分けのヒントになるようにキーワードを作り替えるなど、創業時から少しずつ改良を加えています。ソーシャルタイプ分けについては、同じようなのがたくさんありますが、弊社のBMCはより実践的で分かりやすく、皆さんが前向きに自信をもって使っていただけるものになっています。

 

高井

一番売れているコースは何ですか。

 

徳永様

そうですね。ビジネスマナーはスタンダードなので、コンスタントに人気ですが、最近は接遇マナーの問い合わせが多いです。この接遇マナーの中に「江戸しぐさ」を取り入れているのですが、これにはいろいろな意見はありますが、弊社では江戸しぐさをもとに、古き良き日本の素晴らしい部分が残っている、思いやり・おもてなしの心、所作を「幸せしぐさ」とネーミングしています。この「幸せしぐさ」の接遇マナー研修がすごく人気です。

高井

ビジネスマナー研修、「幸せしぐさ」の接遇マナー研修、3番目は何ですか。

 

横倉様

弊社の特色を活かした「CAのおもてなし研修」も人気研修のひとつです。

 

徳永様

弊社の講師全員が全日空出身者ということもあって、その特色を活かそうと発案したものです。会議室に飛行機のように椅子を並べて、最初はお客様役になっていただき、色々な事例の対応を体感していただきます。CAは、どんな目線で、どう対応しているのか、具体的に種明かしをしていく。その後実際にCA役になってもらい、学んだおもてなしを実践していきます。当初は接客をする人を対象に始めたものですが、事務職の人にも好評で、チームワークの大切さなども学べます。CAになりたいという、CAの予備校に通っているような学生も受講して合格につながっています。

 

高井

日本のマナーを世界に広げるとはどういうことですか。

 

徳永様

弊社のコースの一つに、日本で働く外国人向けのマナー講座があります。日本で働く外国人の方からは、日本のやり方・しきたり、日本人の心をすごく求められています。研修では、日本の地域的な環境や気遣いについて、日本人が何でこうやっているのかをお話しして、理解を深めていく。外国人の方は、受講中にダイレクトに意見を言います。NGなことにはNG、納得いかない、と言ってくれるので研修の中で討論ができます。外国人とマナーについて徹底的に話し合うのは楽しいですし、彼らも、そこで落としどころを見つけてくれる、そういう場を提供することが必要だと感じています。

 

高井

御社の企業理念は何ですか。

 

徳永様

「ありがとう」です。「ありがとう」には、いろいろな「ありがとう」があります。ある作家さんの講演会で、講演の題字を書道で書く機会がありました。その講演会で、難のない人生「無難な人生」と難がある人生「有難い人生」という話があって、難があっての「有難い」を知りました。ちょうど当時、私自身、「難」が多かった時代で、今でも多いですが、自分に「難」が多い時だったからこそ、何か心に響くものがありました。それもあって、「ありがとう」を企業理念にしています。研修も理念である「ありがとう」と言ってもらえるものを目指しています。講師たちは、自分の研修の出来・不出来だけに一喜一憂してしまいがちですが、研修のアンケート結果を見ると、受講者から「ありがとう」が多かったりする。自分の研修の出来ももちろん大切ですが、「ありがとう」をもらっているなら合格点という思いがあります。

 

高井

ありがとうと言われる研修。研修終了後もお付き合いは続くのですか。

 

徳永様

100人程度の規模感の企業様が多いので、非常に距離も近く気軽にお悩みを相談していただけます。例えば、受講者の様子を知っているので、次の配属をどこにしたらいいとか、相談を受けることがあります。

 

横倉様

全部を頼りにされることが多いというか、困ったら徳永さんにお願いしましょうという企業様もありますね。

 

徳永様

弊社は、研修の一人一人のフィードバックも細かくするので、そうすると、例えば遠くに配属しても大丈夫かなとか、あの上司とは合うかなとか、そういう相談もあります。社長からはそういった報告を、「役員会で話してくれ」と言われることもあります。

 

高井

起業したことで、女性特有というガラスの天井を意識したことはありますか。

 

徳永様

実は、私は感じたことがないんです。起業して、いろいろ仕事が取れなかったり、ばかにされたりすることはありましたが、すべては自分の実力なので、女性ならではのガラスの天井を感じたことはありません。この話を、横倉としていたのですが、おそらく組織の中にいると感じるものなのだろうという結論になりました。組織の中だと、同じ実力で、こうやって頑張ってきても、女性だからということで、ガラスの天井を感じることがあるのかもしれません。起業してしまえば、かえって感じないものなのではないでしょうか。

女性特有ということであれば、逆に天井ではなく子育てや家事というベースの部分で、仕事との両立は非常に難しいと感じました。私の場合、実家も岩手で親族も傍にいないこともあり、頼れる身内がいない中で両立している見本となる女性起業家が見つからないのが一番辛かったことです。結局は子供達自身の理解と協力、親族以外の周囲の助けがありここまでやって来れました。今では自分が見本になれればと思い、頑張っております。

 

高井

ところで、徳永様は「書道家徳永青玲」としてもウィリアム王子に書を送るなど、活躍されています。書を始めたきっかけ、活動内容について教えてください。

 

徳永様

7歳から書道を始めました。公民館でおばあちゃんに教えてもらい、年を取ったら自分もこんなふうになりたいと思っていました。そして師範の資格を取ろうと思い、CAになった後も夜学などで学びました。

私は、岩手出身なのですが、震災の後、どうやったら地元の人を励ますことができるかを考えていました。地元の人の励ましの言葉なんて要りません、という声もあるなかで、例えば「ハッピー」を、「羽が飛ぶ」で「羽飛(ハッピー)」と読む。こういう書だったら、「頑張れ」と言うのでもなく楽しめるかなと。それで、書に色も入れていきました。色彩心理で、「青だったら地球規模の愛ですよ」とかいうのを、ちょっとずつ始めて、それで読んでくれる人もいたりして。そんな活動をしているうちに、今度は、外国人の方から、自分の名前を漢字にしてくれという依頼が来るようになりました。まさかウィリアム王子の書を書く日が来るとは思ってもいなくて。

千本ノックと言って、「書彩」、英単語を全部で1000個書く取り組みを始めています。今は、560個くらいまで書いています。拙い書ですが、喜んでくださる人がいて今後も続けていきます。

以上

 

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