2018年7月のアーカイブ

第7回 感性を磨く

 

こんにちは。

株式会社新規開拓 朝倉千恵子です。

 

本格的な夏が始まり、暑い日が続いております。

皆様どうぞご自愛くださいませ。

 

「壁と思えることも

自分で作り出しているものに過ぎない。

 

問題点を見つけ出せない人が、

営業として成功するわけはない。

 

営業マンにとって最大の資質は、

お客様の問題を発見する能力である」

 

上記は、高井伸夫先生から教えていただいたお言葉です。

 

【問題発見能力】

これは本当に大事であると思います。

 

変化を感じること。

「アレ?」というポイントを見つけること。

 

当たり前のように聞こえますが、

これがなかなか難しいものです。

 

なぜなら人は自分の見えているもの、感じられているものが、

全てだと考えがちだからです。

 

そもそも認識できていないものに対して、

どうやって意識をしたらよいのか?

 

日ごろからアンテナをピン!と張っていないと、

営業先に行ったとしても、

お客様が出す小さなヒントに気付くことはできないのです。

これは自社の社員を見ていても感じることでもあります。

 

オフィスのレイアウトが変わっても気付かない。

目の前に落ちているゴミに気付かず素通りしている。

 

そんな感性で、

どうやってお客様の「困った!」をキャッチするのだろう。

と思ってしまうようなシーンも実際にあります。

 

部下たちには常にアンテナをピンと張って、

周囲の情報やお客様が発するヒントを敏感に察知して欲しいと思います。

 

「感性を磨く」にはどのようにすれば良いのだろう?

常に自問自答していることの1つです。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

【感性】

① 〘哲〙 〔英 sensibility; ドイツ Sinnlichkeit〕

㋐ 認識の上では、外界の刺激に応じて、

知覚・感覚を生ずる感覚器官の感受能力をいう。

ここで得られたものが、悟性の素材となり認識が成立する。

㋑ 実践的には、人間の身体的感覚に基づく自然な欲求をいう。

理性より下位のものとされ、意志の力によって克服されるべきものと

されることが多い。 → 理性 ・悟性

 

② 物事に感じる能力。感受性。感覚。

「豊かな-を育てる」 〔「心に深く感じること」の意で

江戸期の浮世草子に既に載っている語。

「哲学字彙」(1881年)で英語 sensibility の訳語として広まる〕

 

weblio辞書より引用

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以前開催した、セミナーでのエピソードを紹介させていただきます。

 

その日は40名の方々が参加してくださいました。

 

質疑応答の時間までとっても充実しており、

私も思いを真剣にお伝えさせていただきました。

 

参加者の3分の2が営業職に就いている方で、

身を乗り出して聞いてくださる人も多くいらっしゃいました。

 

ところが、

私が大事な話をしている際に

一人の部下が後ろのスタッフと会話をして扉を開けて外に出たのです。

 

最も集中して聞いてほしかった話の箇所。

 

彼女にはその話を聞いてくださっているお客様に対する思いがないのかと

正直ものすごく腹立たしく感じました。

 

昔、研修最後の読み物をしている際に、

マイクのボリューム調整をしようと部下が後ろから

前に動いたことがありました。

 

その時、私はものすごく厳しく叱りました。

 

受講生が最後の話に一番集中している、

また最も集中して聞いて欲しい箇所。

 

場の空気がピンと張りつめた状態。

 

「余計なことをするな!」と

厳しく叱りました。

 

その部下は、その真意を理解し二度とやりません。

 

神聖な場での振る舞いはいかにあるべきか?

お客様への思いやりとは何なのか?

 

自分第一主義ではお客様の心など

分かるはずもないのです。

 

以下、社員に送ったメールです。

 

*******

 

私は悲しかった。

感性が麻痺していることに。

 

非常に残念でした。

打ち合わせをするタイミングも考えられないのか?

 

私にではなく、講師に対して、

何よりも受講生に対して無礼であり非礼。

 

感性の麻痺した心のない営業は愛されません。

 

*******

 

部下たちには大事なことを忘れてほしくない。

と心底思います。

 

人は失って初めて大事なものに気付くもの…

 

しかしそれでは遅すぎる。

高井先生にいつも教えられているように思います。

 

感性が麻痺してはいい仕事ができないということ。

例えば、高井先生は何気ない会話をきちんと覚えています。

 

「私、○○が大好きなんです!」と食の話題の際、

話したことを覚えていてくださり、

あるときのお中元やお歳暮で、何気ない会話で話した大好きなモノが

届くことがありました。

 

あのときの会話、覚えていてくださったんだなぁ。

と、正直とても嬉しくなりました。

 

これも感性のアンテナですよね。

 

私が膝に水が溜まり歩行困難になったときも、

高井先生は直ぐに異変に気付いてくださり、

素晴らしい治療院をご紹介くださいました。

 

違和感に気付く。

変化に敏感になる。

 

これこそが違いを知る感性ですね。

 

感謝の心、素直な心。

学ぶ心、謙虚な心を忘れずに。

 

目の前の事柄から一つでも二つでも、

吸収できる感性を磨きたいものです。

 

株式会社新規開拓
代表取締役社長 朝倉 千恵子

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「仕事人のための接待学」第2回 高井伸夫

 思い付きメモの効用

日本経済新聞(夕刊)連載 1998年4月20日掲載

 

私はほとんど毎日のように、時には昼休みにも、接待を受けたり、接待をしている。職業上の必要性からだ、と言ってしまうと身もふたもないが、まずは人間関係の構築、すなわち信頼関係を築くことなしに、事実の解決への道も開けないからである。

それでは初対面の人、あるいは心配事を抱えた人との間に、どうしたら信頼関係を築けるのだろうか。

まず相手から学ぶ、教えていただくという気持ちを持つとともに、相手に安ど感を与えるために、晴れやかな顔、自信のある顔で対することである。不安げな顔、おぼつかなげな表情では相手の気持ちを落ち込ませる。

また、相手が話したいことや、こちらの質問に対する答えを最後まで話してもらう(途中で話の腰を折らない)ことも大事だ。そして、相手の関心事に対して的確な応答をすることである。

私の本業は企業の人事労務に関与することだから当然ながら、社長、人事部長など企業の幹部との会合が圧倒的に多い。そこで、相手が持っている悩みなりストレスなりにいかに近付くか、すなわち、共感していかに的確にアドバイスするかに腐心する。

さて、私はそのような会食・接待の場にいつもメモを持って行くことにしている。

それは相手の話の中で琴線に触れたところや、引き受けた用件、関連あるいは類似する案件、人物などをメモするだけではない。話の途中で、本当に唐突に思い付いた言葉、他の用件、あるいはひらめきといったものを、わずか五文字か十文字くらいでチョッチョッとメモしておくのだ。

話題豊富な人と面談すると、これが二十や三十の項目となる。

このような少し仕事から距離を置いたフランクな場で思い付くことは実に豊富だ。会議で真剣に討論している時より幅広い項目に及ぶことは言うまでもない。

それらをメモしておかないと、忘れてしまうだけでない。忘れまいとする気持ちから、現に歓談している相手との話がはずまなくなる。メモをすれば、まさにその瞬間から忘れてよいことになるから、ストレスにもならない。そして私は遅くとも翌朝午前中には、その項目を処理している。

接待とは実は相手のためにするのではない。自分自身のために行っているのだということが、このことでもわかるだろう。だからこそ接待相手への礼を失することがないように、いっそうの気配りを改めて心しなければならない。

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第34回 人事・労務の未来(3)
(2009年10月19日)

 

人事・労務を軽視すると、後に述べる労働力人口の急激な減少と相俟って、企業にはどのような弊害が生じるのだろうか。

 

崩壊する労使協調路線

人事・労務の軽視は、人を大事にしないということであり、その結果、従業員の勤労意欲の減退・士気の低下を招き、社員・従業員のロイヤリティーが徐々に薄れていくことは言うまでもない。そして、社員の能力が発揮されず組織のパフォーマンスが落ちることにより、創造性(製品開発力)、生産性(営業力・品質・コスト管理力)も当然に低下し、労務対応のコストが増大する。その代表的な事象として、訴訟が提起されるなど経営の求心力が失われ、労働側の意見を集約しづらくなることが挙げられる。さらに、労使関係が悪化し、日本の良き風土として利点であった経営と労働側の協調路線も崩れていくだろう。

そして、企業は人なりという本筋が失われ、優秀で貢献度の高い社員は退職し、他の企業へ流出する。また、社員の育成も進まず、人事労務の責任者や管理監督者も育たなくなり、他社と違ったユニークで戦略的なポジションをとるためのマネジメント層も不足し、組織の存続が一層脅かされる。こうして企業競争力は劣化し、最終的には淘汰されてしまうのである。

このように、人事・労務を軽視することにより様ざまな弊害が起こり得るが、最も大きな弊害の一つに、風評被害(レピュテーションリスク)が挙げられる。

従来、企業はヒト・モノ・カネの三資源でできていると言われていたが、本稿第1回で述べたとおり、私は数年前から信用と組織がそれらに追加されるべきであると説いている。企業間競争が激しくなればなるほど、信用の重要性が高まり、その反作用として、レピュテーションリスクが顕在化するのである。つまり「一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う」(『潜夫論』より)という故事成語のように、まさに噂が噂を呼び、悪評が企業の負荷になるのである。その対象は、マスメディアのみならず、ネット上の数多くの情報(書き込み・掲示板・ブログ・SNSなど)まで及ぶ。情報量の急増により、利用者が個々の情報の真偽を判断することは難しく、間違った情報でも情報量が多ければ、人間の心理として信用する傾向がある。リスクが顕在化した場合の顧客離れ・売上減少・株価下落・訴訟等によるブランドおよび信用の失墜・損失は計り知れず、会社の存亡に大きな影響を与えかねない。

ところで、こうしたレピュテーションリスクの問題はコンプライアンスとも大いに関連がある。そして、コンプライアンスは企業倫理のごく一部を把握しているものにすぎず、例えて言うならば、“企業倫理の浮島”とも言うべきなのである。それゆえ、企業経営においては人事・労務の面でも、法令遵守義務を果たすだけではなく、企業倫理を極めようとする姿勢が必要不可欠となる。そして、前述のような風評被害のリスクが蔓延する社会状況であっても、経営陣以下全員が、わが社は倫理上も誤った対応をしていないという確信を持てるように、人事・労務の仕組みの中で、従業員らに企業倫理・コンプライアンスの重要性を徹底的に叩き込まなければならないのである。

 

後継育成が大きな使命

さて、日本の総人口は減少の一途を辿っており、このままでは労働力不足による経済の縮小は避けられない。日本の現在の人口は約1億2770万人であるが、2055年には8993万人となり、50年もしないうちに3割もの日本人が姿を消し、さらに2105年には、4459万人にまで激減すると予測されている(国立社会保障・人口問題研究所)。また、厚生労働省の推計によれば、2030年の労働力人口は、女性や高齢者などの就労が進まない限り、現在より約1070万人減の5584万人(約16%減少)まで落ち込むという。これは「生産性の伸びによって補える人口減少規模でなく、労働力人口の減少は、確実に経済成長を抑制する」と指摘されている(日本経済団体連合会「少子化対策についての提言」より)。この人口激減リスクに対する抜本的な処方箋の一つとして、移民法制も視野に入れなければならなくなるであろう。

さて本稿第2回でも述べたとおり企業の成長に資する能力を持つ者は限られた割合でしか存在しない以上、人口減によって企業に有用な人材の絶対数が減少し、社内人材の衰退・対価が急速に進行すると予測される。

そのような状況下で、必要となってくるのが、若年労働力の確保と活性化である。

ドラッガーも「若年人口の減少が国内市場を根本的に変える」「人口構造の変化こそ、ネクスト・ソサエティーにおいてもっとも重要な要因である」と述べているとおり、それを実現するための教育等の諸施策が必要となってくるであろう。各企業は生涯にわたり教育を施し、特に若年労働者に向上心を持たせ続ける努力を行うとともに、企業が仕事を通じ、従業員の知的能力・体力・精神力を鍛えることができるようなプログラムを実施すべきである。企業の指名は利益の追求にあるのは当然だが、人材を育てて初めて企業は継続する価値があると言えるのである。

具体的には、企業が給与以外の恩恵ももたらしてくれると考え、仕事そのものにやりがいと生きがいを感じる従業員を育て上げ、人間としてのレベルアップを継続させることが必要である。そして経営者は一人でも多くの良き後継者を育てるべく、自ら率先して一生勉強を怠らない姿を見せるとともに、一緒になって勉強することである。

 

修正すべき年功型賃金

さらに、若年労働力の確保と活性化についての施策として、年功型賃金制度を見直し、職務や成果を適切に反映した報酬体系に組み直すことが考えられよう。労働力不足になれば、需給のバランスが崩れるのであるから、初任給を含む年功給的体系から今以上の能力給あるいは成果給体系に移行せざるを得ないだろう。従って、現在ほぼ新卒共通の初任給水準も、会社の事情に応じて個別に設定することになろう。

一般的に年功型賃金制度のもとでは、業務に習熟する入社数年後から、職位を与えられる30代半ばくらいまでが、業績への貢献度に対して報酬水準が比較的低い年代と位置付けられる。一方で、40代以上の社員のなかには、貢献度に対して報酬水準が高すぎる者が一定量発生する。コストパフォーマンスの高い若年労働者が不足し、その業務を割高な中高年労働者でカバーしようとした場合、人件費負担が増大し、これまでの収益モデルは破綻に向かい深刻な問題となるのは明白である。そこで、貢献度に対して報酬水準が高すぎる中高年社員のそれを適正化し、雇用を維持しながら若年労働者に代替していくことが考えられるのである。

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