2018年10月のアーカイブ

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第10回 共著からのメッセージ

 

 

こんにちは。

株式会社新規開拓 朝倉千恵子です。

 

秋も深まり、朝晩冷え込むようになりました。

 

季節の変わり目です。

体調管理をしっかりお願いします。

 

今年もあと2ヵ月・・・

本当に早いです。

 

歳月の流れは私達を待ってはくれません。

充実した時間を過ごしたいですね。

 

2012年、三笠書房様より高井先生との共著を出版させて頂きました。

 

~女性営業リーダーと怪物弁護士の集中講義~

「営業で結果を出す人が必ず実行していること」

 

当時を思い出しました。

 

高井先生との共著の出版という

大変貴重な機会を頂けました事、

今一度感謝致します。

 

ありがとうございました。

 

出版から6年経った今も、

この本に書いてある高井先生のお言葉は、

とても共感できます。

 

改めて読み返すと当時よりスッと頭の中に入り、

深い納得と頷きが自然と出てきます。

 

今だからこそ自分に必要なメッセージかもしれない、、と

高井先生の言葉を一気に読み返しました。

 

前回のブログに書きましたように、

高井先生は砂漠でラクダに乗りながら

両手に携帯電話を持って仕事をする弁護士!!!

 

そこまでやるか!そこまで仕事するか!

「怪物弁護士」と言われていたくらいです。

 

強烈で猛烈で情熱的な高井先生。

 

先生が語っていらっしゃる言葉には大いなる説得力と

どこか泥臭い、高井先生の体温(熱気と言いましょうか、、、)を感じます。

 

今回は読者の皆様に

【仕事力をつける10の真髄】

を紹介させていただきたいと思います。

 

1.段取り八分:段取りなくして成果なし

2.やらないことを戦略的に明確化せよ(トレード・オフ)

3.ブルドッグ魂を持て:食いついたら放すな

4.一生懸命:ひとつのところで命を懸けるくらい熱心に取り組め

5.使命とは命を使うこと:命を使うに値する目的・目標を持て

6.教育ある人とは一生勉強し続ける人:死ぬ前の日まで学び続けよ

7.自他共栄:自分だけでなく、取引先、お客様の繁栄も考えよ

8.生涯現役:生涯仕事を続けられるように研鑽を積むこと

9.離見の見:自分の演じている様子を客席から見る客観性を持て

10.高い志を同じくする励まし合う仲間を持て

 

いかがですか?

ここに書いてあるものを読むだけで

背筋がピッと伸びるような気がしてきませんか?

 

高井先生の教えは、

年齢も職業も関係なく、どんな人にとっても大切なものばかり。

私もいつもこの10則にあるようなことを意識しています。

 

そしてそれが目の前の壁を乗り越えるヒントをくれることも少なくありません。

学びは一生ですね。

 

本日は、高井先生からの学びをもう1つ紹介させて頂きます。

 

【寝食を忘れて体力の限界まで仕事をしたことがあるか】

 

今の時代は「ブラック企業」なんてことを言われるのかもしれませんが、

私もここはとても共感しており、

また自ら経験・体験したことでもあります。

 

高井先生は独立前の10年間、勤務弁護士をされていたそうです。

20代後半~30代前半の寝食を忘れ仕事に没頭した時代。

きっと今の高井先生の基礎(土台)がこの時期なのだと思います。

 

~弁護士になりたてで書類のコピー係、

それでも末席に置いてもらえただけでも嬉しく、

当時のコピーは「青焼き」といい、膨大な時間と手間がかかり、

何よりアンモニア臭で目が痛くなる大変な作業。

その過酷な作業にも嬉々として勤しんでいたものです~

(書籍より一部抜粋)

 

今の高井先生の姿からは、毎日コピーを取っている姿など想像がつかないのですが、

そういう価値観で仕事をしてきたんだということは、容易に想像がつきます。

 

この時期の仕事観が原点。

 

「今、当時を振り返り、若いあなたたちにも、

一度体力の限界まで仕事をすることをおすすめします。

寝食を忘れ心血を注いで、ギリギリまで働くことで、

人間は初めて自分の限界を知ることができます。

「ここまでしかできない」と勝手に線をひいたはるか向こうに、

本当の限界はあるものなのです。」

(一部抜粋)

 

今の時代は「働き方改革」、

いかに効率よく仕事をし成果を上げるか。

 

残業をなくしプライベートも充実させる、

仕事だけでなくバランスよく豊かな人生を過ごせるように。

 

面倒な作業や計算など、今はAIやロボットがやってくれます。

 

むしろミスがなく効率的に作業工程の見通しもつくし、

これまで人が大変な作業!と嘆きながらやってきたことも

肩代わりしてくれる時代です。

 

働き方改革も形を変えて進んでいますね。

 

とはいえ。

若いときはとことん仕事してみる!

寝なくても仕事ができる、無理がきく!!

 

そんな経験から得られることがあるのも事実です。

 

もちろん、だからといって社員に「寝ないで仕事しろ!」

なんてことは言いませんが、自分自身の仕事観、経験では

ここは揺るがないものがあります。

 

仕事観と人生観はイコールです。

仕事をいい加減にして豊かになることは難しい。

 

若いときの苦労は買ってでもしろ!

 

若さとは未熟

たくさんチャレンジして失敗しながら

経験を積んでいけばいい。

 

若いときに手を抜いたら後で苦労する。

そう思います。

 

是非若い方々には今のうちに

「仕事に没頭する」経験をしてみてほしいと思います。

 

そうすると、だんだんと

ただ面倒くさいだけだと思っていた作業も

楽しくなってきます。

 

仕事をすることが楽しくて仕方がないと思えるようになってくるのです。

 

少なくとも私はそうでした。

 

そうすると仕事のやり方や仕事に対する考え方がガラリと変わります。

こうして身につけた仕事観は歳を重ねてからも大切な礎となります。

 

まずは目の前の仕事に誠心誠意取り組んでみてください。

 

もしかするとあなたも、

高井先生や私のように仕事に没頭することに

病みつきになってしまうかもしれませんよ。

 

ところで高井先生のお側にいると

「なんかあった?」

 

というお言葉をとてもよく耳にします。

 

問題発見・解決をするのが弁護士としての究極の役割。

 

常にお客様の困ったにフォーカスを当て

確実に解決へと導く・・・

だからこそ小さな変化を見逃さないように

常にアンテナを立てていらっしゃるのだと思いました。

 

また、

経営者は「無用の用」を覚えなさい。

年に三回は海外に視察を兼ねた旅に出なさい

見聞を広げろ!

 

ともおっしゃいます。

 

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*無用の用

役に立たないと思われているものが、実際は大きな役割を果たしているということ。

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確かに、高井先生はよく海外旅行に行っていらっしゃる・・・

 

(「シルクロードへの旅」をご一緒したときの様子は、

前回ご紹介させていただきました。

/weblog/cat72/

 

高井先生は、たくさんのお言葉でそして自らの姿勢で

いつもたくさんのことを私たちに教えてくださっています。

 

「かっこいいな」と思わされることばかりです。

 

一つひとつの教えを大切に、

これからも精進してまいります。

 

さて次回は高井先生から言われて、

「ナニクソ!(ちょっと乱暴な言い方でスミマセン、、)」と思ったエピソードをお伝えしたいと思います。

 

株式会社新規開拓
代表取締役社長 朝倉 千恵子

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「仕事人のための接待学」第5回 高井伸夫

 「残心」表す土産・礼状

日本経済新聞(夕刊)連載 1998年5月11日掲載

 

接待は通常、レストランや料理屋で行われる。

このような接待の場でも、お別れ、すなわち接待が終了する時間が来る。その時に一番大切なことは、「見送り」であろう。

見送りを欠かす接待はまずないと言ってよい。それは「残念」という世界である。

残心とは、“貴方様とお別れするのはいささか寂しゅうございます、残念でございます、引き続きよろしくお願いします”ということを意味する。それをより嫌味なく、さわやかに演出することが必要なのである。

最初に思い付くのはお土産をお渡しすることである。本当に気持ちばかりのものにとどまることが多いが、そのお土産を持って自宅へ帰っていただくというプロセスにおいて、接待の効果、要するにコミュニケーションといったものが継続していくのである。

このような接待におけるお土産の重要性は言うまでもない。接待される側もお土産を用意していくケースが多いが、それは“貴方との心の交わりを大切にしていきたい”という意思表示であると言ってよい。

さて、私は実はこの接待する、されるいかんにかかわらず、翌日ファクスなり郵便でお礼状を出すことにしている。

接待の機会を得たこと、あるいは受けたことに対するお礼を申し上げるだけではない。接待の場で話題となったこと、お約束したことについて少しばかり触れて“お忘れしていません”と述べるのである。

それによってコミュニケーションはより強固なものとなる。なぜならば、「詞は飛び書は残る」というローマ時代からの法諺(ほうげん)がある通り、書面にしたものは心に刻み込まれるからである。

我々は、耳で聞くという認識方法と物を読むという認識方法の二つを持っている。そのうちどちらがより効果があるかといえば、言うまでもなく文字を読むという認識方法である。

鳥でも獣でも耳で聞くことはできるが、物を読むことができるのは人間だけである。すなわち物を読むことは耳で聞くよりも努力を要するが、より理性的であるだけに、より定着性が高い。お土産と手紙は接待の場の状況を再現するだけでなく、より深く持続的に浸透させるのである。

そして、接待の場では、とかく軽い約束をしがちであるが、約束したことを実行することがもちろん大切である。本当に実行してくれたかということによって、信頼性が高まる。信頼関係は有言不実行ということではあり得ない。

※この記事は当時の内容のまま掲載しています。

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第38回 上司の教育的役割(下)
(2009年12月28日転載)

 

前回は、上司の教育的役割の具体的項目として、第1にコミュニケーション能力を挙げ、第2に部下に学び方を学ばせるることの重要性を説いた。

 

向上心を引き出す方法

上司の教育的役割としては、第3に、上司は部下の向上心を引き出す工夫をしなければならないことが挙げられる。

「平凡な教師はしゃべる。良い教師は説明する。優れた教師はやって見せる。偉大な教師はやる気を起こさせる(ハートに火をつける)」ことは、米国のコラムニストの言葉であるが、まさに上司も部下に自ら奮起させなければならないのである。

弁護士である私の場合、裁判書面等については、できるだけ部下の書いた文面・構成を尊重することを心掛けている。部下が作成した書面を全く無視して初めから書き直すというやり方では、部下は向上心を持ち得ず成長しない。書面の作成に関しても、上司は、自らやってみせるだけではなく、まさに、やらせてみる・任せてみることがなければ人は育たないのである。

さらに、部下の向上心を刺激することに加えて、そのキャリア形成にも上司は配慮しなければならない。例えば、社会の進展が早く、雇用形態も多様化している昨今において、一昔前のように十年一日の如く同じ仕事をし続けることが部下にとって良いかということについても、上司は考えなければならない。

「田舎の三年、京の三日」というように、知的な刺激はマンネリ脱却のカギとなる。部下の成長を願い、向上心を引き出そうとするのであれば、仕事の面で、できるだけ良い刺激を受けられる環境を与えるやることが需要となる。

また、部下の向上心を引き出すためには、注意の仕方にも工夫が必要となる。

私の事務所の客員弁護士のお1人は、2000年に高検検事を定年退官された方だが、教育的効果のある叱り方の極意として、①3回ほめて1回叱る、②後悪の叱り方を避けるという2点を実践されていたという。②の意味は例えば、「分析は良くできているが、文章は悪い」と言わずに、「文章は悪いが、分析は良くできている」と言って悪い情報を先に指摘し、ほめ言葉で締めくくることにより、部下のプライドを損なわず向上心に訴える方法である。

 

チャンスを与えて成長へ

第4に、上司は部下にチャンスを与えなければならない。

チャンスとは、チャレンジする心・自立心・向上心を練磨するチャンスを与えることである。それは未知の世界に突入させることでもある。それを克服したとき、自信が生まれる。最も分かりやすい例は、部下が直接会えそうもない有力者などに会う際に同行させることである。

もちろん先方の都合もあるため、必ず実現できるわけではないが、それに向けての努力をすることが必要である。

そして、チャンスを与えるということは、他流試合を行わせることでもある。そうした新しい体験の中に、成長への契機があると言って良い。

第5に、上司は部下が困難に直面しそれを克服することを敢えて体験させなければならない。

上司がこと細かに教育・指導するだけでなく、彼ら彼女ら自身が、自分の考え方・感じ方を生かして困難を克服していくことが、将来の成長のために必要なのである。

言わば“修羅場を体験する”ということであるが、それは大袈裟なものでなくてもよく、要するに、彼ら彼女らが自らのアイデアで困難を克服し、新しい境地に達することが必要なのである。修羅場を乗り切ることは、部下自身の精神的成長につながる。精神的成長を遂げた部下は迷いを克服し、不安感・恐怖心が少なくなり、あるいはこれらを抱かなくなる。

第6に、上司は常に真摯な態度で勉強し続けなければならない。

不真面目で享楽的な生活を送っている上司のもとでは、部下は上司を尊敬し得ないばかりか、結局は教育を受けられず部下もまた勉強をしなくなり成長できない。

私の場合、弁護士という職業柄もあろうが、文章を作成して発表することが、自分に勉強を課すための重要な方途となっている。自分の思い方・考え方・感じ方をまとめ上げる作業は、自分自身の成長の度合いを確認する作業でもある。日々の仕事に流されることなく体系性を持たせるためにも、部下たちに対してもまた、週報・月報に始まり論稿に至るまで、文章を書くことを勧めている。

「今後『教育ある人』とは、勉強し続けなければならないことを自覚している人間のことだということになる」とはドラッカーの言葉だが、上司は部下が勉強することを称揚していかなければならないのである。

 

嫉妬心は最大の障害に

では、上司として、してはならないことは何か。

上司の教育的役割を阻害する最大の要因は、上司自身の部下に対する嫉妬心である。

上司は、部下が成長することを妬んだり、成長を妨害しようとする意識にとらわれてはならない。

換言すれば、人事は、上司が部下の成長を喜べるほど両者に能力格差があるような人選をしなければならないのである。

同列の能力のものを上下に配すると、極めて猥雑な上下関係になってしまい、上司は教育的役割を果たせず、部下は成長できない。そして、悪くすると両者とも精神状態が屈折して不健全になるおそれがあるのである。

また、抜擢人事により先輩と後輩の立場が逆転することもあろうが、部下となった先輩が上司となった後輩をいびることも珍しくなく、その結果、上司となって後輩がいじけたりせず成長に励むことは非常に難しい。

こうした相克を超越させるような抜擢人事の巧みな経営者ほど、素晴らしい経営者ということになるのであろう。

また、複数の部下の中でえこひいきをしてはならない。誰しも自らの成長を願うものであるから、一部の者だけをひいきしてはならず、公明・公平・公正な評価に基づいた序列付けを行う必要がある。

しかし、たとえ適正に評価された成績優秀な者であったとしても、特定の者のみを称賛し続けることもよくない。他の者の士気が下がるだけではなく、特定の者が妙なプライドを持ち、自己反省力を失うことが往々にしてあるからである。そうなると優秀な者でも成長が止まり、むしろせっかくの能力が不勉強のために衰えてしまうことになる。

 

互いの「相性」にも配慮

自分の意見が功を奏して、部下が成果を上げられたときは上司としても本当にやりがいを感じるものだが、部下の指導は難しいと感じることのほうが多いだろう。私自身の経験でも、後輩弁護士が我見に囚われたり判断力にバランス感覚を欠いていて、大いに苦労した苦い体験がある。このような部下は、指導をはねつけ憤慨し、あるいは自分のプライドが傷つけられたという心理状態に陥ってしまっているので、成長できる余地はないとみてよい。

また、部下との相性が悪い場合も、大いに悩むところである。自分自身と相手とが絶えず対峙する関係になってしまっては終わりである。上司と部下との間は、“競争的解説”ではなく、“協調的解決”を図らなければならない。それゆえ、部下との見解の相違だけがめだつようなあ最悪の事態を回避するためには、第三者に調整に当たってもらい、相互の理解に基づく“協調的解決”をめざすことが必要になる。

なお、上司の教育的役割は、上司だけの姿勢の問題ではなく、上司の指導を受け入れる部下の姿勢もまた重要であることを最後に指摘したい。

上司が教育的役割を果たそうとしたとき、部下がこれを貴重な時間と体験であると認識して取り組み、精進する心が必要になってくる。精進する心とは、まずは自立し向上する意欲を本人自身が強く持ち、そのうえで連帯心を抱くことである。そうした姿勢で上司の指導を受容することが、成長を可能にするのである。

以上、上司が教育的役割を担う際に求められる器量や条件について述べてきたが、人を指導・教育することは確かに難しい。しかし、そこから学ぶことのほうがはるかに大きいというのが事実である。

 

「教うるは学びの半ば」

私は、『書経』にある「教うるは学ぶの半ばなり」という言葉が好きである。これは、人に教えることは自分にとっても半分は勉強になり、教えることによって自分の未熟さを知るという意味であるが、まさに、上司たるものが常日頃から自らに言ってきかせるべき言葉であろう。

人間は誰しも己を省みることによって欠点を自覚し、それを克服しようという意識を持つこと、進歩し成長する。

企業組織の中において、上司は部下の成長にも責任を負わなければならない立場にある以上、自分のためだけれなく、部下のためにもより一層精進し、自らを省みる必要に迫られるのである。上司が部下の教育的役割を果たそうとし、果たしている限りにおいて、上司は進化し、進歩し続ける。

そして、上司も部下の一人の人間として、互いに謙虚になり、相手への思いやりの気持ちと優しさと包容力を持たなければならない。心を通い合わせるには、お互い理解し合うという基本的な心理になって望まなればならない。

そうであればこそ、「我以外皆師なり」という言葉を、上司も部下も、ともにかみしめる必要があるのである。

 

※四時評論は今回で最終回となります。

 

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