2019年1月29日のアーカイブ

<イッピン> 中村鳳仙先生「書」


<イッピン> 中村鳳仙先生 「書」

 

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―石はしる 垂水の上の早蕨の 萌え出づる春になりにけるかも―

 

一昨年、私の80歳の誕生日に開催した出版記念パーティで、来場者の皆様にお配りする記念品の作成を、書家の中村鳳仙先生にお願いした。

先生が書いてくださったのは、青葉の薫る季節にぴったりの、冒頭の志貴皇子による万葉集の歌であった。

流れるような美しい文字と緑のグラデーションが配された和紙が黄金の色紙に映え、とても爽やか。いただいた人を喜ばせる素晴らしい作品であった。

80歳の誕生日に、以前から尊敬していた鳳仙先生に、このような作品を作っていただけたことが、とても嬉しかった。

 

私が、中村鳳仙先生と初めてお会いしたのは、先生が20代、私が30歳の頃であったが、先生はその後、めきめきと頭角を現していった。世界で7回の個展が開催され、高い人気を誇っている。その受賞歴の華々しさは圧巻である。

 

鳳仙先生の作品は、大胆な構図で生き生きとした力強さがありながら、女性らしいしなやかさや繊細さも併せ持ち、観る者の心を打つ。

先生ご自身も、押しも押されもせぬ大家でありながら、いつも柔和でにこやかで、お会いすると、ほっとすることのできる素敵な方である。

 

私が仲立ちをして、講談社野間記念館に、山部赤人の歌「田子の浦ゆ 打ち出でて見れば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける」を書かれた鳳仙先生の作品を寄贈いただいたことは、一美術ファンとして非常に誇りに思っている。

 

先生が、お体に気を付けながら今後も精力的に活躍をし、素晴らしい作品を生み出し続けていかれることを願っている。

より多くの方々に鳳仙先生の作品を見ていただくため、私も陰ながら応援し続けていくつもりである。

 

中村鳳仙先生のHP「鳳仙花」 http://hosen-nakamura.com/index.html

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