2019年7月24日のアーカイブ

 

「明るい高齢者雇用」

第4回 絶えず向上心を―ボランティアの道も―

(「週刊 労働新聞」第2150号・1997年4月28日掲載)

※当時の文章に一部加筆補正の上掲載しております。

 

 南フロリダ日本協会専務理事の遠藤安岐子さんのインタビューを前回に引き続きご紹介する。

 

  Q、高齢者雇用は一般にはどのような傾向でしょうか。

  A、高齢者雇用に関しては政府が年齢差別を禁止していることもあり、仕事をしたい人は誰でも出来ますが、歳をとってもまだ上下関係の激しい企業で「使われること」を好みませんし、企業ではあまり雇用を考えません。40歳を過ぎて移民してきた人達は、年金も少ないので定職を探し生活をたてることを考えるようになります。この場合、年齢より移民に対する差別が有り、職探しは難しいのです。

 

 いまイギリスでは雇用における年齢差別禁止法制定につき活発に論議されており*、労働党では政権についた場合これを制定すると公約している。日本においても定年制が違法とされる余地があるか否かが一つの課題である。

*その後、1999年に「雇用における多様な年齢層に関する行動規範」を発表するも法的強制力はなかった。2000年11月のEU理事会における一般雇用均等指令採択を受け、2006年10月1日に「雇用均等(年齢)規則(Employment Equality (Age) Regulations 2006)」が施行された。

 

  Q、やりがいのある仕事とは何でしょう。

  A、高齢者で企業の社長まで務めた人の「やりがいのある職」は、非営利団体のためのボランティアです。例えばSmall Business Administrationという全国的な団体には何万人という「元…」が登録し、中小企業の若手の人の訓練、相談に当たっています。元コカコーラの副社長を務めた人に会ったこともありますが、この方は無給で創業したばかりの中小企業をまわり、相談に乗って歩いていました。彼によると、年金生活が始まった場合、「給料」としての収入があると年金から差し引かれる上、税金がややこしくなるからボランティアの方が有利なのだといっていました。そして「やりがいがある」とも…。

 

 収入はやりがいの1つではあるが、「人はパンのみに生きるに非ず」、人生の後半を迎えた高齢者だからこそ、仕事内容に心の時代のキーワード“やりがい”が重要な要素となる。ボランティアやコンサルタントの仕事には、「お世話する」「教える」「導く」といった心の要素が満ち溢れているのである。

 

  Q、高齢者のボランタリーの実像を紹介して頂けますか。

  A、ある高齢者の施設での話ですが、そこへ動けない人達の手伝いにボランティアで出掛けます。彼等曰く「これから年寄りの世話にいかなければ…」。その人自身が84歳と聞くと異様ですが、年寄り=動けない、の感覚です。動けなくなるまで皆「若い」のです。

 

 肉体的に80歳の者が20歳の青春を持ち続けることは不可能であるが、“若さ”即ち良心を核に自立心・連帯心・向上心がなお生命力を持ち続けている状態を絶えず意識することが必要である。サミュエル・ウルマンは若さの要素として、美・希望・喜悦・勇気・力を挙げるが、「本人が希望を持って満足感を得る」などは高齢者雇用に置いてことの外意識されるべきであろう。

 

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