2019年8月30日のアーカイブ

 

第8回 笑いの効用をもっと取り入れよう

 

あすか人事コンサルティング
代表 太田 正孝

 

 女子プロテニス界に続いて今度は女子ゴルフ界で快挙です。プロ1年目の渋野日向子さんが全英女子オープンで見事優勝しました。まさに高井先生がよく言われる「心・技・体」、英語でいうとメンタル、テクニカル、フィジカル、の高度なレベルでのバランスがもたらした成果だろうと思います。

    解説者も言っていましたが、ピンチの時でさえも彼女の明るい笑顔はギャラリーの心を捉え、早速スマイリング・シンデレラと呼ばれているようです。多くの人達を自然に応援したいという気持ちにさせる振る舞いでした。苦しい場面でも自然体で行動できるのはすばらしいことです。

    日本人は真面目すぎて余裕がない、とステレオタイプ的な捉え方がされて来たように思いますが、今時はこんな指摘があたらない若人も増えてきたようで頼もしく感じます。 自然体とか笑いはともすれば不真面目の部類に入れられてきたような気がしますので価値観の変わり目となってくれれば嬉しく思います。

 

    最近では漫画やアニメが日本のみならず世界中で受け入れられています。確かに文章を読むよりも視覚・聴覚を使って漫画や動画さらには映画を見る方が解りやすいし、感情移入もスムースなのでますます映像文化が世界中に拡大していくことでしょう。かつて麻生太郎さんが総理のときに漫画しか読まないし漫画は文化だといって顰蹙をかったころとは大違いです。麻生元総理の先見の明に敬服です。

 

 子供の頃「赤銅鈴之助」、「月光仮面」「鉄腕アトム」「鉄人28号」など、貸本屋に通って友達と回しあって読んだ記憶があります。漫画はだめ、もっと本を読みなさいと大人からいわれても無視していたものです。あの時代、漫画はまだ絵本の延長で児童の年頃を終えたら読書というのが当時の社会の価値観だったのでしょう。戦後の混乱期はすぎていたもののまだまだ生きるだけで精一杯な頃でしたので、ボロボロの貸本漫画が多くの子供の楽しみで、誘惑でした。

 娯楽の一つであった映画も白黒が主流でしたので「宇宙戦争」というSFカラー映画を初めて見てストーリーの面白さとカラーの美しさに驚いたことを覚えています。やがてTV放送がはじまり、プロレスと相撲、コメディを良くみていました。TVはとても値段が高くて買える家が少なく、TVのある近所の家に見せてもらいに行ったものです。賑やだった情景は昔のパラパラ漫画の一コマとしてよい思い出となっています。

 

 昨今「笑い」の効用については社会性に関する心理学やメンタルを扱う医学界でも認められていますが、チーム作りやリーダーシップを発揮する上でも特に重要なファクターとしてもっと取り上げるべきと思っています。私は大阪育ちでもあり笑いの効用は日常生活の色んな場面で実感してきました。しかし、東京ではどうもそれほどでもないような気がします。特に、駄洒落や親父ギャグと見なされれば低俗なこととされがちです。でも、駄洒落ひとつ思い浮かべるのも頭が活動した結果なので特に年配者にはボケ防止にはいいことと思いますがどうでしょうか。駄洒落には駄洒落で返すというのを習慣化したら認知症も逃げていくのではないかと思います。

 昔、藤本義一という大阪の作家が一世を風靡した時期がありました。「鬼の詩」(直木賞)はじめ作品は多いのですが、大阪の市井の人々の生き様を多く取り上げました。TVでも「11PM」のMCをつとめ独特の切り口で仕切った姿は今でも覚えています。彼は「商は笑なり」として、笑いがなければ商売での成功はおぼつかない、ということを作品でもしばしば主張していました。

 

 ここで思い浮かぶのはいつも笑顔を絶やさずに誰とでも話をされる高井先生です。

 弁護士事務所を代表する偉い人だから堅い人かな、と思ってお会いすると一寸想定外な雰囲気につつまれます。この「無用の用」をご覧の方は皆さんご存じと思いますが、課題や悩みについて初めて先生のヒアリングをうける時、先生の優しい笑顔にまず不安感が和らぎます。依頼する側はどうしても不安と怒りの感情がからんで上手に話せないケースが多いのです。それを承知の上で依頼者の心のバリアをまず取り除いて順序だてて聞きだして課題の解決につなげていく、そういう姿勢で来られたのが先生の成功の礎と思います。

 一方で、先生の笑顔の背後には論理構成のための厳しい質問攻めをうけるので安易に曖昧に答えていると後々苦労することもかつての依頼者の一人として実感しています。

 加えて、先生の事務所の弁護士先生方にはとても厳しく体育会系スタイルで指導されている様子を垣間見ています。ただし、本当の姿は外部からはわかりませんが後進の若手を業界の厳しい競争に勝ち残れるよう鍛えておられるのは間違いないでしょう。

 

 人というのは1場面、2状況、3意図、4行動の少なくとも四つの観点で見みないと性格、能力、行動特性という所謂コンピテンシーを伺い見ることができません。例えば、普段ユーモアあふれる明るい人が一寸緊張状況に直面すると、意外な行動にでて周りをびっくりさせたりするのもこの四つの観点で観察していなかったからといえます。 人事関係に携わる方は是非この1から4をワンセットとしてみてもらいたいと思います。

 

 大阪での商売(笑売)に話を戻しますが、一見(いちげん)さんの客でも二言三言会話すれば直ぐ本音で話しができるような場にするのが「大阪商人」と言われることがあります。「鶴瓶の家族に乾杯」というTV番組で見られる笑福亭鶴瓶師匠のあの自然体はこの大阪人の才覚を見事に表していると思いますので、私のような人事コンサルタントにとっても大いに勉強になります。

 顧客とプロジェクトの成功にむけてのプランを決める上で、顧客会社の成長の歴史や文化、社員気質、現在と今後の見通しを素早く正確に聞き出しメンバーで共有することが必須になります。忙しい会長や社長にも当然ヒアリングするので初対面の折りに最初の5分間で本音を語れる雰囲気づくりをし、限られた残りの時間を質疑に充てるのがとても大事になります(高井先生から5分でなく3分だ、と言われそうですが)。この点でも鶴瓶師匠の周囲への心配りの仕方や、観客(視聴者)の受け取り方への配慮などコミュニケーション全般が参考になります。

 そういえば高井先生は愛知県出身と伺っていますので、上方のお笑い文化と関東の文化の双方の利点についてそれぞれのいいとこ取りを自然に身に付けておられるのでしょう。

 

 笑いは人の交際交流を円滑にする上で摩擦を防ぐ油のように大事なことと思います。

 顔の細かい筋肉が発達した唯一の動物に進化した人類としてそれぞれの顔の表情で多くのことを語り合えるのですからもっとうまく利用したいものです。

  終わり

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