2019年11月のアーカイブ

 

 

第11回 生物界での「無用の用」の効用

 

あすか人事コンサルティング
代表 太田 正孝

 

 秋も深まり夜空も透明度を増して宇宙や天文好きの人には良い季節になってきました。

 今年も宇宙に関する話題は豊富でしたが身近なところでは「はやぶさ2」が小惑星リュウグウでのミッションを完遂して地球への帰還の旅についたことでしょうか。来年の今頃はサンプル回収の成功で大きなニュースになっていることでしょう。2020オリンピック・パラリンピックと共に来年の楽しみの一つです。

 

 デジタル技術の急速な発展によって天体の観測技術や探査手段が高度になり宇宙の謎がつぎつぎに解明され特に天体ファンの好奇心を刺激してくれています。太陽系の外から飛来した長さ400mの葉巻型をした不思議な物体(オームアムア、宇宙人の乗り物か?)を詳しく観測できたことなど夢のようです。iPS細胞を駆使して長生きすれれば宇宙人に会えるのでは、といったSF的妄想も少しは現実味を帯びてきています。

 

 「最近の宇宙の話はなに?」と高井先生からお会いするたびに聞いてもらえるのでUFO話をするのですが今いち話が弾んでいかないのが現実です。理路整然さを誇る弁護士先生を相手にその対極?にあるUFOをネタにすること自体に問題がありますが、私の「言いくるめ」能力を磨いて機会があれば再トライしたいと思っています。UFOを含む宇宙がらみの話は最終回で書こうかなと思っていますので今回は前振りとして生き物と時間の関係などを書いてみたいと思います。

 

 映像や音声の世界もデジタル技術の進展で様変わりしました。この技術の応用範囲が広がったことで悪用されるケースも増えてフェイク映像・音声も日常茶飯事に見られるようになりました。普通のTV放送でも真偽の判別がつかないような映像が流されたり、さらには町中にある防犯カメラとAIと合わさることによって誰かを監視しようとすれば簡単にできる気色悪い時代になりました。勿論本来の目的に沿ったテロの抑止や治安維持などに役だっているのは当然で、身近なところでは犯罪現場に残された映像などから直ちに犯人を特定し逮捕できた事例などが挙げられます。

 今後さらに技術が進むとオリジナル映像に手を加えて映像を改変、ねつ造することも容易になってくるので近いうちに「監視カメラが捉えていた」というのもフェイク画像である可能性が出てくるようになることでしょう。究極には過去現在未来という時の流れも一方通行でなくなっていくかもしれません。

 

 先日ケーブルTVの番組で色んな植物が成長するさまを時間短縮の編集をしたもの、「超早回し映像」を見ました。蒔いた種があっという間に芽吹き、動物のように激しく身を振り動きながら成長していく姿、さらには植物が発する独特の声というか音、さまざまな音楽を聴かせると明らかに異なる反応をする様子など、感動的でもありました。

これを見たあと「植物と動物は本質的に同じではないか?」とか「時間とはなんぞや?」など今までの常識が正しいのかと思うと共に生物学に興味がわいてきました。

 

 昔、歌う生物学者として知られていた本間達雄氏の著書「ゾウの時間ネズミの時間」に書かれていたことをその時に思い出しました。

 あらためて本を引っ張りだして調べると「哺乳類は心臓が15億回脈打つと寿命がつきる・・・動物共通の定め・・・激しい鼓動のネズミは早死にし、ゆっくりとした鼓動のゾウは長生きする」というようなことが書かれています。動物の寿命がこのような定めにあるとすれば動物種ごとに時間の進み方が違っているということを意味します。(例えば蚊を両手でたたこうとするとき蚊から見て人間の動作は超スローなので逃げおおせると聞いたことがありますので生物全体に成り立つ話かと思います。)

 

私たち人間が自然に生活できる環境で心臓が15億回脈打つということは40才を過ぎる頃に到達する計算になります。(織田信長の名台詞とされる「人生50年・・」は正解だった?)

 

  現在、清潔な生活環境や医療サービスが得られ長寿国になった日本では新陳代謝がすすまずに高齢化社会となり、人事の世界でも定年は60~65才位に上がりました。アニメで有名な「北斗の拳」のケンシロウの「おまえはもう死んでいる・・・」になぞらえれば40才で寿命が尽きているはずの多くの人が100才に向かって長寿になってきています。勿論これはハッピーなことであるのは言うまでもないのですが、老人福祉や年金など深刻な社会問題が生じているのも事実ですし、特効薬的な施策もなく難儀な道を歩んでいくほかないようです。

 

 また現代の人間は生命体として自然の中で普通に生きるのに必要なエネルギー量の30倍を消費しているという説があります。これは体重4トンのアジアゾウの必要量に匹敵するそうで多くの人が自然寿命を越えて生きるには更に大きなエネルギー負荷が社会にかかることを意味します。この負荷を担うためのエゴイスティックな紛争は残念ながら今後も絶え間なくつづき、将来、宇宙人が姿をあらわすまで人類の宿痾でありつづけることと思います。 

 次にエネルギーの量から効率へと目を転じてみたいと思います。

 一般に大きい動物の方が小さいものより生命維持に使うエネルギーの使用効率は高いそうで「進化はエネルギー効率があがる方向に向かう・・」ために大型化するのが進化ということです。

 これを人間社会に敷衍すれば「人工的な組織も効率アップの方向に進化する」ということを意味するので、企業組織にあてはめると大企業になるほど効率は良くなっている筈です。すべての企業の始まりは小さい企業であり発展の歴史を重ねて進化しつづけるうちにいくつかは大企業へと成長したわけです。小から大への道をたどったということは動物の進化と同じで、大企業と中小企業の社員一人あたりの労働生産性では大企業の方が上回るのが自然ということを意味します。実際に双方を比べてみると大企業では何を担当しているか不明でヒマそうな人がかなり多く見受けられますが社員数の多さの中で吸収され全体としての人員効率が高いのが普通です。

 外資系会社は大胆なリストラをすることがありますが日本の会社ではまだ一般的ではありません。なぜでしょうか。日本では解雇にいたる厳しい制約要件があること、家族的な経営スタイルから解雇が抑制されるなど、よく指摘されますがそれだけでしょうか。私が考える答えは高井先生のこのブログタイトルにある「無用の用」、まさにそれだと思っています。蟻の例でいえば一つの巣にいる蟻の二割が「サボリー蟻」、よく働く蟻だけを集めて巣をつくっても直ぐに二割が「サボリー蟻」になるという面白い観察報告があります。企業社会でも二割の「サボリー蟻」を養えるほど大きくなって「大きいことは良いことだ」と言えるよう進化していきたいものです。

終わり

 

「明るい高齢者雇用」

第8回 資産の目減り防げ―社会保障崩壊は目前―

(「週刊 労働新聞」第2154号・1997年5月26日掲載)

※当時の掲載文に一部加筆補正をしております。

 

  Q、高齢者雇用にやりがいのある仕事という概念はありますか。(前回から続く)

  A、やりがいのある仕事というのは、実際は主観の問題です。日本と違い外見を気にしない国なので、道路の掃除でもその人がよいと思っていれば、やりがいのある仕事ではないでしょうか。責任を持たせてもらえるかどうかの問題で、やりがいのある、ない、が決まるのでしたら、その考え方の基本はこちらにはないと言えましょう。本来、歳を取り、経験がある人だと責任のある、またはやりがいのある仕事を持ちたがるのが日本人だとすれば、こちらの人は、「今まで責任のある職に就いて仕事をしてきたのだから、そろそろ勘弁してくれよ」の方ではないでしょうか。

 

 個人の確立が日本より進んでいることの現れなのであろうか。企業のアウトプレースメント事情に詳しい専門家によれば、個人の確立が未熟な中高年は特に大企業に多いという。自分がいざアウトプレースメントの対象となっても、とかく大手企業にいたことを過大評価しがちである。数十年ぶりに面接される立場であるのに本人の意識が切り替わっておらず、面接時にもらった名刺をクルクル回したり、ふん反り返る等、いまだに自分が判定する側のつもりでいるという、笑えない話すらある。

 

  Q、高齢者は子供との関係をどう考えているのでしょうか。

  A、極端な例で、ある人と話をしていた時にこういうことを言いました。「株の配当と年金とで月々約6,000ドル収入があるし、死んだら遺産として子供たちに何百万ドルと行くはずだから、その遺産を目当てに、子供達も自分の世話をしっかり見てくれるだろうよ。遺言なんていつでも変えられるからね。この自分の財産が、自分が子供達に如何に良くされるかの保険だよ」と。

 

 平成6年厚生省発表の「国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯の平均家計支出額は月18.2万(平成6年5月中の家計上の支出金額)に対し年間所得は332.2万円なので、今の高齢者はまだそこそこ余裕がある。しかし団塊の世代については、従来国が面倒をみてきた社会保障制度の諸々が維持継続できる数ではなく、制度そのものが一変してしまう。既に始まった年金支給開始年齢の引き上げはその確かな前兆であり、いわば“これから何が起こってもおかしくない”と思っていた方がいいような状況である。「恒産なくして恒心なし」という言葉があるが、高齢者が資産を目減りさせないという意味において収入の場を獲得することは、恒産・更新にも通じることである。アメリカは日本よりも多少ましではあるが、まだ低金利が続いている。従って引退した人達は株に投資してより有利な利回りを稼いでいるし、ベビーブーマーたちも引退後のことを考えて株やミューチュアルファンド(オープンエンド型投資信託〔請求により随時解約ができるファンド]のこと)に投資している。アメリカの株が毎日史上最高値を更新しているのはこのためと言われている。

 

 

前回より、若手中国人の米留学生による米国所感を連載しております。

 

第2回 アメリカのスポーツ

~アメリカ三大スポーツについて~

 

 筆者がアメリカで四年間生活する中で最も関心したのがアメリカのスポーツ市場の大きさだ。Netflix(アメリカのオンラインDVDレンタル及び映像ストリーミング配信サービス)やHBO(アメリカの衛星およびケーブルテレビ放送局)など、動画ストリーミングサービスまたはOTT(Over The Topの略。動画・音声などのコンテンツ・サービスの意。)の先駆者であるアメリカでは、着実に若者のテレビ離れが進行している。そんな中で依然と厚い支持を得て、ケーブルテレビを支えているのがESPN(ウォルト・ディズニー・カンパニー傘下のスポーツ専門チャンネル。衛星およびケーブルテレビでチャンネルを提供している。)のようなスポーツ番組だ。

 土日の街では私服として選手のユニフォームを着た人を頻繁に見かけ、バーやレストランに足を運んだら必ず店内のどこかでスポーツ中継が行われている。アメリカは多くの国と比べたらスポーツと深い関わりを持つ国だ。日本では正月にお茶の間に集まり、紅白を見るのと同様に、アメリカでは2月になると家族でテレビの前に集まり、スーパーボウル(NFL[ナショナル・フットボール・リーグ。アメリカで最上位に位置するプロアメリカンフットボールリーグ]の優勝決定戦。アメリカンフットボールの最高の大会であり、アメリカ最大のスポーツイベント。)を見る。今は強く根付いた文化により視聴率を保ってはいるが、アメリカスポーツ業界にとってもメディアコンテンツのテレビ離れは無視できない問題となっている。以下本文ではアメリカの三大スポーツにそれがどのような影響を与えるのかを考えていきたい。

 

 新しい世代の若者たちは年々加速するコンテンツ消費になれていることから、長時間スポーツを見ることに飽きやすい。これにより最も打撃を受けているのが野球である。ラジオが人気のメディアだった時代ではアメリカで最も人気のスポーツだった野球は、近年、その試合進行の遅さから若年層ファンの獲得がしづらくなっている。これに対し、MLB(メジャーリーグベースボール。アメリカ所在の29チーム及びカナダ所在の1チーム、合計30球団により編成される、世界で最高峰のプロ野球リーグ。)は一球ごとにピッチャーが待てる持ち時間を減らすなどの施策を打ち出している。ただし、そんな逆風の中でも、MLBは他のメジャースポーツとシーズンが被らないという強みを持っている。特に夏の間はフットボールもバスケットボールもオフシーズンであり、夏休みによる家族での観戦が多いなど、野球はアメリカではファミリーフレンドリーなスポーツとして位置付けされている。

 それに対し、NFLの市場は年々拡大傾向にある。フットボールは性質上、時間との戦いとしての側面があることが人気の理由と思われる。数秒で逆転が可能なことから、目を離せる時間が少ないことが新しい時代のコンテンツ消費に合っているのだろう。さらにこれは他のスポーツにも言えることだが、フットボールでは特に地域愛が強く、もはや地域のローカルチームを応援することは地元愛を主張することと同義のように思われている。フットボールの人気は絶大で、プロのシーズンが行われていない間でも大学リーグのフットボールを見るファンが多数いる。

 NBA(北米で展開する男子プロバスケットボールリーグ)は個人の選手が最も自身のブランドを確立しやすいのが特徴だ。野球やフットボールのように大人数で行うスポーツとは対照的に、バスケットボールは1チーム5人だ。さらに帽子、またはヘルメットで表情が見えにくいといったこともなく、フィールドが比較的小さめであることからプレイ中でも選手一人一人の表情が見える。そして、バスケットボールではパスができるため、理論上では全てのオフェンス(攻撃)を一人のプレイヤーが始動することが可能だ。実際、NBAの試合で最後の数分に入った時、チームのスター選手が単身で敵陣に切り込むことが一般的だ。そのため、バスケットボールは他スポーツに比べ、スーパースターを産出しやすく、選手が自身のアパレルラインやスニーカーを持つことが多く見られる。フットボール同様、最後の数秒で逆転劇が可能であり、コンテンツ消費の高速化による人気の衰えはない。近年ではヤオミン選手(姚明。中国のプロバスケットボール選手。NBAではヒューストン・ロケッツで活躍。身長229cmとNBAの中でも非常に身長が高く、リーグを代表するセンタープレーヤーだった。)の活躍から根付いた中国での厚い支持に規模拡大の可能性を見出している。

 

 

高井伸夫の社長フォーラム100講座記念~1講1話・語録100選~

【第11回】社員を鼓舞する「大義名分」をつねに意識せよ

~「この施策に展望あり」~(1994年6月8日)

 

 今は皆苦しい。何かやって成功する確率は従来に比べてはるかに小さくなった。原則倒産、原則失敗の時代だ。不安や挫折、とまどい、躊躇、恐怖などがいつも心の中にある。しかし「座して死を待つ」という世界であってはならない。何かアクションを起さないといけない。そこで「動機を与えて意欲を起こさせる」、これが経営者に要求される。

 これを実践するには、何といっても「大義名分」が必要である。これを確立しないとやる気は起こらない。挑戦意欲を沸き立たせるには、社員を鼓舞する大義名分を意識させることである。当該施策の必要性を語り切ることが大切である。

 大義名分は、現場感覚・職場感覚にマッチしたもの。即ち社員の心をとらえ心を打つにたるものでないといけない。さらに美辞麗句ではなく、デジタルであればあるほど効果的だ。

 第2は、想定問答を予め想定しておくこと。予想される質問に対する答えを想定しておくことだ。

 第3は、想定状況を設定すること。即ち予想されるリスクへの対処を想定しておく。危険の大きさ、障害の厳しさは昔以上である。危険を乗り越え障害を克服するには、様々な事態を予め想定したうえで、しかも推進力を維持しながら進む以外にない。それが社長のみならず社員に自信を持たせることにつながる。備えあれば憂い無しの世界をつくる。

 第4に大事なことは、タイムリミットの設定とそれに至るスケジューリング。いついつまでにこれをやり遂げるという進行表だ。

 第5は、責任者を決める。そして、第6は軍資金。これらを踏まえて計画書・提案書をつくるわけだ。

 そして第7は、それを発表するときは、内容がいかに深刻なものであっても「展望あり」という、明るさを演出することを忘れてはならない。それは、現実的可能性のある再建計画でなければならないということである。

 

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