2020年2月14日のアーカイブ

高井伸夫の社長フォーラム100講座記念~1講1話・語録100選~

【第14回】信用社会から契約社会へ

~契約書の本質は権利と義務の限界を明確にすること~(1994年10月26日)

 

 国に対する信頼、企業に対する信頼がなくなった。これから大切になるのは「契約」、信用できない社会になると契約社会になるということを念頭に置かなければいけない 。

 契約書にハンコを押すときは、慎重の上にも慎重を期さないといけない。どんなに忙しくても社長自ら声を出して読むこと。本文だけでなく隅々まで読みあげる。そして、再度、弁護士なり会計士なり第三者の専門家と一緒に読む。違法か適法か、だけではない。経営者は損得という価値基準も加えて見ないといけない。これが非常に大切だ。

 契約書についての日本の法学者の話は曖昧模糊としているが、法律書によると「契約の本質は権利と義務を確定すること」とある。単に話し合ったことを書くのは合意書でも覚書でも契約書でもない。自分がやらなければならないことと相手にやらせること、権利と義務をきちんと書くのが契約書である。

 もっと突きつめて言うと、請求できる限界と、やらなければならない義務の限界を、明確にすることである。即ち「権利の最大化と義務の極小化」を意識することである。

 日本の契約書は、そういうギリギリの判断がないまま、「お互いにうまくいかなかったら、信義誠実の原則にもとづいて協議して決めましょう」とわけのわからないことが書いてある。それではダメだ。これが第1点。

 第2は所有権概念。所有権ということを絶えず意識すること。モノ、金、人、そしてソフトについて、誰が所有権を持つのか、誰が支配権を持つのかを意識して契約することだ。支配権をもってコントロールするとなれば責任も負わないといけない。

 気のいい会社はお金ばかり出して所有権は1つも増えない、支配権は何もない、という例が多い。お金ばかり出すのではない。その見返りに何が確保できるかを、契約時にきちっと抑えることが大切である。

 

 

 

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