高井伸夫の社長フォーラム100講座記念~1講1話・語録100選~

【第20回】分社経営のポイント(1995年6月19日)

 

 分社経営は権限分配の極みである。

 組織は目標を実現するためにある。それには絶えざる活性化が必要だ。活性化は競争原理を激化させることだが、競争しながらお互いに助け合わなければならないという難しさがある。分社経営は、うまく機能すればその役割を果たす。

 権限を委譲するにあたっては、その前提としてホウレンソウ(報告・連絡・相談)というタテの意思疎通をシステムとして確立すること。またヨコの意思疎通の仕組みとして、合議制の充実をはかることが大切だ。

 社長は、分社の社長に予め期待値(経営目標)を決め、提示しなくてはいけない。それで競争原理を機能させる。全分社を競わせ、目標を達成することによって充実感を体感させるシステムである。分社政策をとるときは、本社社長の支配権を忘れないこと。特に人事権、解任権を堅持しなければならない。したがって分社の株式の3分の2以上持つことが不可欠だ。できることならキーとなる分社は100%の株式を保有すること。

 分社の社長に株を持たせないとやる気が起こらない、というのは一見正論のように聞こえるが、惑わされてはいけない。株による支配権の確保を十分に意識する必要がある。

 また、経理担当者に意を用いること。本社ですべての経理をやっているところもあるが、それでは分社意識が希薄化する。分社ごとに経理担当者を配置した方がいい。

 分社する部門は自立できる部門、一定のスピードで走れる部門でなくてはならない。今は力不足だが分社したらうまくいくだろう、という考えは間違いだ。走る能力がある部門を分社したら、もっと速く走れるようになる。

 

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