高井伸夫の社長フォーラム100講座記念~1講1話・語録100選~
【第29回】「気」の時代~やる気、人気、活気(1996年6月19日)
「心の経営」の次は「気の経営」である。時代背景としてコンピュータ化や国際化などいろいろあるが、やはり仕事に対処するやる気、お客様の信頼を得る人気、職場の活気が、いま一番要求される。
気の経営の第1は「やる気」だ。やる気とは、人に言われなくても自分で仕事をつくるという姿勢。わが社にはやる気のある人が10人中何人いるか。1人なら普通、2人ならまあまあ、3人なら優良企業だ。3割いるかどうか常にチェックすること。やる気を刺激するには褒めること。特に朝礼で褒める。
2番目の「人気」とは、名物商品と名物社員の有無である。
先日から私は、20店舗あるスーパーの再建に取り組んでいる。そこで、ジャンル別に売れ筋(名物)商品があるかどうか、ただし本部の推薦品はダメという条件をつけて1点ずつ出させてリストアップさせた。「なし」ならまず1個つくる。この名物商品が当初のリストを絶えず更新しながら3倍になったら改革は終わる。
次は名物社員がいるかどうかだ。余人をもって代え難い人をリストアップさせる。万引きの摘発がうまい人、掃除の上手な人、なんでもいいわけだ。そして第三者から評価を聞くこと。みんなが名物商品、名物社員を意識し始めたら成功だ。
3番目は「活気」「雰囲気」。社長、営業部長、店長はプラス志向でなければならない。「出来ないこと」ではなく「出来ることを課題にする」ということである。
「気」の営業でもうひとつ大切なのは、お客様の満足感を念頭におくこと。リピート客が増えるかどうか、常連客の数を意識しているかどうか、この1点を営業マンに意識させ続けることだ。
「やる気」、「人気」、「活気」は企業の血液である。「気」をひとつにし、気を整えることが大切。この3つを意識すれば、生き残れる経営体になる。