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第6回 『3分間 社長塾』(2)
スピード判断力をつける

 

(前)株式会社かんき出版 社長
コトづくり研究会 代表
境 健一郎

 

 高井伸夫先生の本業はもちろん弁護士ですが、皆さまご存知のように、経営の合理化や改革・再建に50年以上の実績をお持ちの方です。

 とくに社長・経営幹部向けの講演や指導は、「半歩先を読み、問題点を的確に指摘し、解決への方向性を具体的に説く」として定評があります。ズバリ本質をつかむ先見性と実践対策を、新鮮さに溢れた分かりやすい言葉で語られることで、83歳になられた現在でも、相談者が後を絶ちません。

 

 前回5月29日号に続いて、本号も表題の本から、とくに社長の戒めとなる言葉を選びました。

 

社長の戒め・8つの言葉

 

①社長はもっと優しさを表現しなさい

  「経済縮小の時代は、経営者だけでなく社員にとっても厳しい時代だ。従来の仕事の質と量では通用せず、成果を上げなければ降給や降格、時には解雇という現実にも直面させられる。

 社員の能力や働きぶりをシビアに評価するのは社長の役割だ。

 ただ、厳しいだけでは組織はまとまらない。社員は血の通わないロボットではない。

 社長が厳しさと同時に、優しさを発揮することで、人間的なつながりが形成され、本当の意味で強い組織になっていく。

 

 レイモンド・チャンドラーの名作『プレイバック』に、

 『タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない』

 という有名なセリフがあるが、これを社長用にアレンジするなら、

 『厳しくなければ経営できない。優しくなければ経営する資格がない』

 といったところだろうか。

 

 経営環境が厳しくなると、シビアな面ばかりを強調したくなるが、過酷な時代だからこそ、社長は優しさをいかに表現していくかが、大事なポイントになる」

 

②ケチな社長は嫌われる。ケチらない社長は経営に失敗する

 「社長は基本的にケチであるべきだ。

 コスト感覚のない社長に経営者は務まらない。 

 ただ「うちの社長はケチだ」というイメージが定着すると、社員の士気は上がらない。ケチという印象を社員に与えずに、いかにコストを切り詰めるか。それが社長の腕の見せ所である。

 

 会社に長年貢献した社員の円満退社が決まり、会社でちょっとした送別会を開いてあげることになったとしよう。出席するのは十数人の社員。あなたはどんな送別会を開くだろうか。

 どうせ身内の会なのだから、近所のレストランで1人5000円程度でいいと考える社長は、おそらく社員からケチのレッテルを貼られてしまうだろう。

 このようなときは、思い切って一流レストランで1万円程度の予算でやる。それで辞めていく社員に喜んでもらえ、残る社員の励みになるのなら高い出費ではない。

 

 大切なのは、そこからいかにコストを下げるかだ。

 1万円の予算を想定しているときは、幹事に7000円から交渉してもらう。それで一人9500円になれば500円の節約になる。この500円を『たかが500円』と笑う社長は、経営者には向いていない。おそらく社内のいたるところにムダな500円が落ちており、いずれ自分の首を絞める結果になるだろう。

 社長に必要なのは、『生き金/死に金』の感覚だ。ケチだと思われたら、5000円を使ってもすべてが『死に金』になる。

 

 また社員に気前がいいという印象を与ても、9500円で済むところ1万円かけていたら、500円が『死に金』だ。一方、気前がいいという印象を与ながら500円を節約できれば、使った9500円も、節約した500円も『生き金』に変わる。

 この『生き金/死に金』の感覚がない社長は、『生き金』をケチって企業の活力を失わせ、また逆に、『死に金』を積み重ねて、経営を圧迫させることになる。

 

③社長は異世代の人脈を持て

  「いずれの年代の社長も、世代のかなり離れた上と下の人脈を持ちなさいと伝えたい。

 自分が若い20代の社長なら40・50歳代の、自分が50歳の社長なら75歳の長老から30・40代の人物と親交を持つことだ。

 とくに40代を過ぎると、人間は体力の衰えを感じ始め、年齢を重ねるとともに考え方が保守的になる。そうならないためにも、意識して年下の人物と付き合わないといけない。若い人の得意分野である新しい価値観、新しい発想と交わるために……。

 

 ご自分のアドレス帳に、世代のまったく違う知り合いの名前が、2割以下なら黄色信号、1割以下なら赤信号と認識してもらいたい。

 そんな危険信号がついた社長は、意識して若い人と付き合っていただきたい。

 

 自分で勉強会を開いて若い人を集めてもいいし、若い経営者のいるベンチャー企業に商談を持ちかけてみるのもいい。身近なところで自社の若い従業員と会話の機会をつくったり、自分の息子や娘さんに新商品のアイデアを聞いたりするだけでも、新しい価値観に触れられるはずだ」

 

④社長は「えらい人」になりなさい

  「関西地方では『えらい』という言葉を二つの意味で使う。

 一つは文字通り『偉い』という意味。もう一つが『しんどい』という意味だ。

 私は名古屋の出身なので、幼い頃から自然に二つの意味を関連付けて考えていた。

   誰に教わることなく、しんどいことをするから偉い人なのだと。

 

 ところが、上京後、東京では『えらい』を『しんどい』という意味で使わないことを知って驚いた。辞書で調べてみても、『偉』と言う漢字は、優れている、大きいという意味があるだけで、しんどい、疲れたという意味ではなかった。

 それでも『しんどいことする人=偉い人』という信念は、今も変わらない。

 

 多くの社長は、社長になるまでに『えらい』状況を経験している。しかし、偉くなってから『えらい』仕事を続けている社長は少ない。

 社員が尊敬するのは、自ら汗を流す社長だ。現場にも出て、頭も使い、トラブルがあれば体を張って会社を守る。みんなが躊躇(ちゅうちょ)するようなしんどい仕事を積極的に買って出てこそ、本当の敬意を持ってもらえる」

 

⑤数々の「み」から自分を守れ

 「社長は成功すればするほど、対峙しなくてはならないものが現れる。それは数々の『み』だ

 妬(ねた)み、嫉(そね)み、恨(うら)みつらみ、やっかみ……。

 実際にこれらの『み』の被害にあって、悔しい思いをした社長も多いはずだ。

 

 これらを極力避けるには、感謝の気持ちを常に表すことが大切だ。レベルの低い社長は、物事がうまくいくと自分の手柄にし、妬み、嫉みを買う。一方、失敗すると周囲の責任にし、恨みつらみを買ってしまう。

 社長は成功したときこそ周囲に感謝の意を示し、失敗したときは謙虚に自分の非を認めなくてはいけない。

 感謝のできない社長は、たとえ自分が正しくても、余計な荷物を背負わされることになる。

 

 つまらないことに煩わらされないためにも、常日頃から、『ありがとう』の気持ちを周りに示す習慣を身につけたい」

 

⑥社長は心理学を学びなさい

 「社長が学ばなくてはいけないものは、経済学でもマーケティング理論でもない。

 相手の心を読む心理学だ。

 つねに相手の心理を読む眼力が必要とされるし、相手の心を動かす力も求められる。

 社長はあらゆる面で〝心の達人“でなければならない。

 そこで、とくに実践していただきたいのもが3つある。

 

 第1に、社員の心をつかむために、「勝てば官軍、負ければ賊軍」に徹する。勝つということは、社会に貢献し、実績を残すことだ。

 利益を上げるために、ときに社長は社員に厳しい要求をすることがある。厳しさを突きつけられて喜ぶ社員はおそらくいないだろう。ただ、改革に結果が伴えば、批判は称賛に様変わりする。

 会社の利益が上がって、それが自分たちの給与に反映されれば、抵抗する社員も黙って社長についていく。

 

 第2に、「引くことを知る」である。

 社長になるような人は、元来押しが強く、簡単に引かない肝の据わったタイプが多い。それは良いことだが、引くことを知らずに損をしてしまうこともある。

 強く推したいなら、あえて一度引くことも大切だ。相手が誘い水に乗ったところで、再び押すのもいいし、まだ押すタイミングではないと判断して、時が満ちるのを待つ手もある。いずれにせよ押し一辺倒では、相手の心理的抵抗は強くなって、ますます押しづらくなることを覚えておこう。

 

 第3に、『社長らしく身なりを整える』ということだ。

 見た目と経営能力に直接の相関関係はない。しかし、アメリカで行われた心理実験で、外見のいい人物は能力も高く評価されやすいことがわかったそうだ。

 滅多に会わない顧客や取引先に、外見で能力不足の印象を一度与えてしまうと、あとで挽回するのは困難だ。もちろん恰好さえ良ければいいというものではないのは当然。なにより中身の充実が大切だ。業績を上げて、社長が自信を持てば自ずと軽さが消え、貫禄がにじみ出てくる」

 

⑦社長は常に自己評価を怠るな

 「社長は常にフレッシュであろうと努力しなければいけない。もし、自分に賞味期限が来たことを悟ったら、いさぎよく後継者に会社を託す覚悟も必要だ。

 ただ、オーナー社長の場合は見極めが難しい。

 

 では、自分の引き際を自分で決めるにはどうすればいいのか。

 そこで重要になってくるのが、第二者評価、第三者評価だ。

 

 自分で自分を評価するのは、第一者評価。

  ステークスホルダーの評価が、第二者評価。株主・顧客・従業員・取引先などの評価だ。

 ただ、ステークスホルダーは自分の立場から評価してしまうのが難点だ。

 顧客から見れば、商品やサービスを安く提供してくれる人がよい社長。

 従業員から見れば、給与や待遇の面で優遇してくれるのがよい社長。

 それも評価の一つであるが、公正な評価にはほど遠い。

 

 いちばん良いのは、社外取締役や社外監査役といった第三者に評価してもらうことだ。

 この人にダメ出しされたなら納得できるという人を、きちんと選んでおけば、それが自己評価の参考になる。

 それが社長が最前線で長く活躍するコツである」

 

⑧後継者選びにはシビアな眼を持ちなさい

 「経営者の最後の仕事は、事業承継といえる。

 あくまでも次期社長選びは、温情ではなく、『利益を出せる経営能力を身につけているかどうか』―この一点が、もっとも重要な判断基準となる。

 もし本気で息子や腹心に後を継がせたいと思っているなら、継がせる前に、徹底的に一人前の経営者に鍛え上げなければならない。それができなければ会社を譲るべきではない。それが社員やその家族の生活を預かり、また社会に貢献している会社の社長としての責任である。

 

 では、どんな後継者教育をすればいいのか。

 創業社長と比べて二世が頼りなく見えるのは、経験に裏打ちされた確固たる自信を持っていないからだ。自信がない人は決断も遅いし、周囲を不安にさせる。自信をつけさせるためには、修羅場を経験させるのがいちばんだ。たとえば……

 ・親の手の届く世界の外に放り出す

 ・実力主義の企業でゼロから働かせる

 ・赤字の子会社、不採算部門の責任者にさせる

 こういう地べたを這いずり回るような経験をさせ、その困難を克服してこそ、次の社長としての自信がつくのである。

 

 ところが、多くの経営者は逆の方法で自信をつけさせようとする。彼らもそれに気づいているから、実績をいくら積んだところで、自分の実力でつかんだものでないという不安にさいなまれる。

 息子が複数いるなら、厳正に判断して優秀な人材を選ぶ。劣る方をトップにすえると、その会社はいずれ割れてしまう危険性がある。

 

 息子の後継者教育に成功しなかったら、無理して息子に継がせてはいけない。ホールディング・カンパニー(持ち株会社)を設立して、息子をそこの社長にするといいい。株は息子に、経営は信頼できる経営幹部に、という後継オーナーと後継社長に分けてしまうことである。

 ここは心を鬼にして、シビアな眼を持たなければならない」

 

次回は7月31日(金)に掲載いたします。 

1.『弁護士の営業戦略』発売のお知らせ

 

 

 私が執筆いたしました『弁護士の営業戦略―「顧問契約」を極めることが営業の真髄』が2020年5月28日に株式会社民事法研究会より刊行されました。

 2017年刊行『弁護士の経営戦略』、2018年刊行『弁護士の情報戦略』に続く、「弁護士の戦略シリーズ」第3巻かつ最終巻となる今作では、顧問契約に焦点を絞って、57年の弁護士生活と47年の事務所経営を通じて私が得た知見を述べています。

 


<目次>

第1章 顧問契約とは何か
第2章 顧問契約の獲得
第3章 顧問契約の継続
第4章 顧問契約を超えて

 

 本書では、顧問契約とはどういったものか、依頼者は顧問契約に何を求めているのか、弁護士は顧問契約を結んだらどういったサービスを提供すべきかのかという顧問契約の性質について、一般社会・依頼者・弁護士の多角的な視点から解説したうえで、顧問契約を獲得し、継続するための方策や、それらを突き詰めた先に得られる依頼者との信頼関係、弁護士として辿り着く到達点について、筆者の経験を基に詳細に書き記しています。

 弁護士のみならず、士業の方は、本書を読めば、顧問契約の何たるかを理解していただけるものと思います。

 また、弁護士に依頼する側である企業の方も、本書を読んで、弁護士と顧問契約を結ぶことで得られるメリットや弁護士が顧問契約について抱いている思いを正しく理解していただくことで、今後、顧問弁護士とより良い信頼関係を築き、最高のサービスを受けられるようになるでしょう。(はしがきより抜粋)


 

 一般書店、Amazon、民事法研究会HPよりお買い求めいただけます。

 ぜひ購入をご検討くださいますようお願い申し上げます。

 

 

2.「弁護士戦略シリーズ」【全3巻セット】発売のお知らせ

 

 

 上記1の通り、『弁護士の営業戦略』の刊行により、『弁護士の経営戦略』『弁護士の情報戦略』と続いた「弁護士の戦略シリーズ」が完結いたしました。

 これを記念して、同シリーズ全3巻セットが発売となりましたので、お知らせいたします。

 


<目次>

『弁護士の経営戦略―「営業力」が信用・信頼をつなぐ』

第1章 信用をつくる営業力とは何か
第2章 信頼される弁護士力とは何か
第3章 安心を与える事務所力とは何か
第4章 仕事を楽しむ人間力とは何か

 

『弁護士の情報戦略―「新説」創造力が信用を生み出す』

序章 弁護士の情報戦略とは何か
第1章 弁護士技術上の新説
第2章 法律上の新説
第3章 事務所経営上の新説
第4章 人間力上の新説


 

民事法研究会HPよりお買い求めいただけます。

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引き続き、中国広州在住の私の友人による、中国における新型コロナウィルス対策をテーマとした連載を掲載いたします。

 

【中国在住日本人から見た中国における新型コロナウィルス】
第3回 中国の防疫管理 APP編

 

 未だに各国で衰えることのない新型コロナウィルスに関して、これまでは2月に一気に封じ込めることに成功した中国における防疫対策と管理体制についてお伝えしたが、今回は中国におけるその管理が携帯電話のAPPを徹底活用することで、極めて効果的に成し得ていることをお伝えする。

 

1.穂康APP【本人入力情報】

 企業や学校あるいは住居エリアの指示により、パスポートや生年月日の個人情報、過去の滞在履歴、湖北省在住者との接触有無、自身の健康状況などを携帯APPで報告することが求められた。最後に記載内容に偽りがないことチェック。その後は、QRコードの背景色で感染リスクの有無を一目でチェック、QRコードスキャンにより情報詳細の閲覧が可能となる。ほぼ全ての国民の情報がこのAPPを通じて一元管理されていると考えられる。商業施設などでは検温にプラスしてこのQRコード画面提示を求めるケースも多い。

 

①初期画面

 

②情報インプット画面(最終頁で申告内容に偽りがないことを保証する項目あり)

 

③QRコード(感染リスクがなければ背景が青色、リスクがあれば赤色)
 「リスクあり」とは感染者のみならず感染者と接点があったケースも含まれる

 

 

2.疫病期間行程調査APP【携帯GPSの位置情報によるもの、本人入力不要】

 過去30日以内の滞在場所を確認できるAPP。以下QRコードスキャン後に自らの携電話番号を入力すると、過去14日以内と15日~30日の滞在国あるいは滞在都市が表示される。当初は湖北省・武漢への渡航履歴が確認され、現在では国外からの渡航履歴が確認されている。商業施設・ゴルフ場など、人との接点が多い施設に入る際に、検温に加えて提示を求められるケースが多い。

 

①携帯電話キャリア別QRコード

 

②過去30日滞在国・都市表示画面

 

 

3.疫病情報共有APP

(1)感染者数(前日新増感染者数、総感染者数、死亡者数、完治者数)

 エリアを入力することで当該エリアの感染者情報とその変遷を把握可能。

 

(2)感染者分布APP

 住所を入力すると、当該エリアの地図にて、感染者分布のみならず居住マンション名までわかる。2月は感染者が多数確認できたが(以下①)、現在ではあまり確認できない(以下②)。

 

①2月22日時点

 

②4月12日時点

 

(3)公共交通機関感染者発生確認APP

 日付と便名を入力すると、飛行機・鉄道などにおける感染者発生の有無を確認できる。
当初は自らが搭乗した交通機関にてリスクがあったのかを後追いながら確認するために活用した。

 

 

 日本と中国では個人情報の取り扱いが大きく異なるため、現実的ではないこともあるが、こうして商業施設と国民のそれぞれが責任持った対応をせざるを得ない仕組みづくりは見事である。そして、実際に中国国民はコロナを恐れ慎重に対応している。長期化に備えてこうしたAPPによる対策も十分検討してもらいたい。コロナウィルスは対策さえしていれば避けることができること、誰もが保菌している可能性があること(発症しないケースあり)からも、一人ひとりが正しい知識と正しい行動で、早期回復を実現してもらいたい。がんばれ!日本!

 

今回より、中国広州在住の私の友人による、中国における新型コロナウィルス対策をテーマとした連載を開始いたします。

 

【中国在住日本人から見た中国における新型コロナウィルス】
第1回 中国の防疫対策

 

 2003年のSARSは北京での封じ込めに成功したが、今回の新型コロナウィルスは武漢で封じ込めきれず、また運悪く春節直前という民族大移動の時期とも重なり、中国全土にそして更には世界中に一気に広まることとなった。

 2004年に初めて中国に足を踏み入れた際には、本来であれば北京で語学研修するはずが前年のSARSの影響で上海に場所を移した。そして、現在は2018年以降3度目の駐在で生活の拠点を広州としており、発生から現在に至るまで中国に駐在している日本人の目線で新型コロナウィルスを捉えてみたい。

 現在の欧米や日本における新感染者急増を鑑みると、中国における防疫対策と管理の徹底振りに目を見張らざるを得ない。2月に一気に封じ込め、3月も気を緩めず継続的に管理を徹底して諸外国からの入境を禁止し、4月初旬には回復を見極めた上で武漢と他地区の行き来を解放した。日本の動きが1ヶ月遅い!そして徹底が甘い!ともどかしく感じていた日本人もこちらには多い。以下中国の具体的な防疫対策事例を紹介する。

 

1.春節休暇の延長

 旧正月休暇(1月下旬~2月初旬)を1週間延期し、企業並びに学校などの休暇中の再開を禁止。

 

2.マスク着用義務

 外出時にマスク着用が義務付けられ、不要不急の外出を控える様に指示。当初はマスク不足もあり、1世帯1日1人のみ買物のための外出する以外は一切外出を控える期間が続いた。

※当初は、地下鉄でマスク着用していなかった男性が、駅員の下車要請を無視し続けたため強制的に降ろされる映像が出回った。

→感染者増のなくなった現在でも外出時のマスク着用は100%義務化されており、マスクをせずに外出している人は皆無。

 

3.企業・教育・商業等活動の管理

 企業・学校・商業・娯楽施設の営業・稼動停止を徹底。スーパーなど生活に必要な施設のみ営業。また、地方政府によっては国の指示を更に強化した施策を展開。

 

(1)企業の稼動

 春節休暇以降も必ずしも春節明けの2/9に再開できず、更に1週間2週間後に再開する企業もあり。また、再開後も在宅勤務・テレワークを推奨し、2月中は原則在宅勤務を徹底していた企業も多い。地方によっては在宅勤務を推奨ではなく強制させたエリアもある。 

→3月初旬からほぼ回復するも、テレワークを推奨し、会議はソーシャルディスタンスを確保。食堂は教室型に机を設置し、決して向き合うことなくしかも一定距離をおき、座る際にはその位置と時間を特定するためのQRスキャンが義務付けられた。

 

(2)学校の休校

 即全校休校、そのまま春休みとなり、4月開校は学校により少し遅らせるところもあり、早期にオンライン授業活用。

 

(3)娯楽施設・飲食店の営業停止

 レストラン・居酒屋などの飲食店、映画館や子供の遊び場などの娯楽施設などは、国の指示を受けて2月中は完全営業停止。

→2月下旬から順次許可を得て一部営業開始。入店前の検温・連絡先記載・署名は必須。レストランは開業当初、お客様同士のテーブル距離を離すなど対応。3月末までには全面回復。ゴルフ場などは、開業後も当面は更衣室・シャワーの使用は禁止。

 

 同じ対策を展開するにも、中国と日本においてはその徹底度合いは大きく異なる。中国は国の強制力が働くが故に早期の回復が実現したことは間違いない。自由度の高い日本において、ややもすると個人任せの状況が続けば危機を脱することはできないと危惧する。国・地方政府・企業・メディアなどからの各種発信や仕組みづくりと、個人が高い意識で対策を徹底してくれることに期待したい。がんばれ!日本!

 

 

第1回 『朝10時までに仕事は片づける』(1)
モーニング・マネジメントのすすめ

 

(前)株式会社かんき出版 社長
コトづくり研究会 代表
境 健一郎

 

 高井伸夫先生には、7冊の書籍をかんき出版から発行させていただきました。
 そのなかにはベストセラーになり、それがさらに図解のムック本になったものや、新書スタイルのポケット本になったものまであり、発行部数は累計41.1万部になっています。
 またこれらの書籍は、他の出版社から文庫本や新書になり、さらに多くの方に読まれていることになるでしょう。

 これらの本をもとに【高井語録】を集めてみます。

 『朝10時までに仕事は片づける』は、2002年12月に先生がかんき出版で最初に書かれた本で、多くのビジネスパーソンから支持されベストセラーになりました。
 この本の企画は、必然的に生まれたものとも言えます。それは私が高井先生の早朝出勤を知り、素直に強い興味をしめしたからです。なぜ朝6時に出勤するようになったのか? 時間の使い方をどう変えたのか? その結果、どのようなメリットがあったのか? などを書いてもらおうと……。

 著者のことばや文章を引用しながら進めていきます。

 

  • 優秀な人と同じ行動特性を備えた人は、成果を上げる確率が高い  

 高井先生も、30歳くらいまでは夜型人間だったという。ところがある人との出会いで生活態度を一変させることになります。
 「土光敏夫さんに出会ってショックを受けた。土光さんは、業績が悪化した東芝の再建を依頼され社長に就任、一年で再建に成功し、その後、経団連の会長などをされた人です。朝7時20分、土光さんの事務所へ書類をもらいに訪問したら、いつも朝6時半には出勤しているとのことだった。そんな刺激を受け、土光さんより若い自分は朝6時ころには事務所に出るようにした。その後も、多くの経営者・経営幹部の方と接してきて、学んだことがある。それは一流といわれ実績を上げている人ほど早く出社して、朝10時までには一仕事や大仕事を終わらせているということです」

 

  • 仕事の生産性と人間らしい生き方を両立させるために、朝を有効活用する

 「ビジネスパーソンにとって重要なことは、いかに上手に時間を管理するか、ムダな時間を整理するか、ということです。同じ時間でも、私がとくに注目しているのは、朝の時間です。わたしはこの概念を、【モーニング・マネジメント】と呼んで、親しいビジネスパーソンや仲間たちと実践しています。つまり、長年の悪しきビジネススタイルを打破し、新しいビジネス&ライフスタイルを確立するーーを提唱しているのです」

 

  • 普段からしたいと思っていることはスキマ時間に、「いますぐ」を心がける

 「ビジネスパーソンにとって、美しいものを観ることは右脳にとっても有効です。美術鑑賞などは、暇ができたらーーと考えていたらいつまで経ってもできないことは当たり前。商談などのスケジュールを決めたとき、訪問先の途中に美術館などがあれば、ちょっと立ち寄ることをお勧めします。私の見方は独特で、まず部屋の中央に立ってぐるりと見回す。印象に残った絵を1つだけ探し鑑賞する。その基準は、この部屋のなかにあるどれか1点、あなたにあげると言われたら、どの絵をもらおうとするかな? その絵が決まったら、近づいてじっくり見る。同じことを各部屋で繰り返して出てくる。これだったら15分もあれば見終わる。これを繰り返しているうちに鑑賞眼が養われます。この場合も留意したいことは、所要時間です」

 

  • 時間は先回りして待ち伏せする必要がある

 「人を待たせて急いでいるときの時間は早く感じ、逆に、人を待っているときの時間は遅く感じる。ここに時間の秘密があり、時間の使い方のコツがある。つまり、時間は平等ではなく、追われると時間を奪われる。待ち伏せするとは、全体のなかから、今という時間を考えることです。新幹線で大阪へ行くとして車内での2時間40分にできることを実行するとき、意識はすでに2時間40分先まで到達しており、そこから逆算をして何かをしています。これが待ち伏せした使い方です。一流人物や成功者たちは、こういう意識で時間を有効有益にし、時間に追われることがなくなります」

 

  • 「すぐやらない」「先送り」「引き伸ばし」を無くす

「この原因は3つあります。

 ①自分の置かれている状況に危機意識がない。怠け者である
  やるべき仕事は、すぐしなければ変化とスピードの時代には致命傷になりかねない

 ②優先順位(プライオリティ)がつけられない
  自分の目的が明確になっていないので、最初にすべきことが見えていない

 ③判断基準が作れない。もっといい方法があるかもしれないと迷ってしまう
  私が選択肢を決める際の参考にするのが、正か邪・和か戦・勝か敗・損か得です

 これでも悩む人は、原点にもどること。原点とは幼少のころ、親によく言われた『人様に迷惑かけるんじゃないよ』でもいいし、『自分のやりたいことをやりなさい』でもいい。企業であれば『お客様の満足を第一に考える』でもいい。その一点を基準にして考えると、悩んでいたことがすーっと見えてくる」

 

 本書が出版されてから10年後の2013年10月、伊藤忠商事㈱が「朝型勤務」制度を導入しました。20時以降の残業を無くし、朝5時からの出社を認め、夜の割増残業手当と同じ率で早朝手当を支給。8時前に始業した人には軽い朝食を用意して応援することを実施。それでもトータルの経費は削減され、今は約半数の社員が朝型勤務になっているという。結果、会議は夕方がなくなり朝早くの時間に代わったそうです。

 さらに「朝型勤務」の導入のほかに、「110運動」を徹底した。これは「夜の会食や飲み会は、
1次会だけで10時までに終わる」という改革で、これにより夜遅くまで飲むという習慣がかなり減少したそうです。

 その結果、「朝型勤務のほうが仕事の効率が上がる」「疲労が蓄積されない」「短時間で集中して仕事ができるようになった」「夜早く帰ることで、家族との時間やビデオを見る時間が持て、リフレッシュにもつながる」と実感する社員が増えているといいます。

 もちろん朝型勤務の効果だけではないだろうが、下記の数字が示すように、伊藤忠の業績も極めて順調に成長している。株価や従業員一人当たり経常利益にも反映しています。

 

  伊藤忠 三菱商事 三井物産 丸紅
株価  2011年12月30日(円) 782.0  2000.0  1250.0 469.0
   ※2013年12月30日(円) 1299.0 1900.0 1465.0  756.0
    2019年12月30日(円) 2534.5 2900.0  1950.0  810.0

    2011年対比(%)  324% 145% 156% 172%
従業員1人当たりの経常利益(万円) 7166 8000 3197 3685

 

(※伊藤忠が「朝型勤務」を始めた年)

 

 まず従業員が健康的になり笑顔になり、クリアなクリエイティブな頭で働くことで、生産性を上げ、顧客にも会社にも、三方よしの結果を生むことの一因になっていると考えられます。
 個人でも企業単位でも、「朝型勤務」がいろいろな面で有効なことを示している例といえます。会社も施策面でバックアップすることが求められる時代になってきたのでしょう。

 

                                             次回は2月28日(金)に掲載いたします。     

 

引き続き若手中国人の米留学生による米国所感を連載いたします。

 

第4回 アメリカの音楽
~90年代ヒップホップ文化とトミーヒルフィガー~

 

 米国の音楽産業は黒人と白人、メインストリームとサブカルチャー、そして自由と弾圧など摩擦と対立によって築き上げられたものであることは言うまでもないだろう。白人のエリート社会の象徴だったマンハッタンから押し出され、その郊外にあるハーレムという小さな地域でブルースやジャズ、そしてヒップホップの人気に火が付いたのは米音楽史でも有名な話だ。今回はその黒人音楽ブーム中に起きたアパレル会社のトミーヒルフィガー社への影響について書いていこうと思う。

 90年代のアメリカは英国出身のプロテスタントが経済界や政界でのエリート層を支配していた。ホワイト・アングロサクソン・プロテスタントの頭文字をとって、WASPという略称で呼ばれていた彼らは、集団内での結婚や縁故採用を推奨していたことから長年米国の支配層に君臨し続けていた。裕福な家庭で育った白人の若者は「プレパラトリー・スクール」というお金持ちの子息が通う名門私立校に通い、ラルフローレンやトミーヒルフィガーのような上質な服を着崩すスタイルが流行っていた。このスタイルはプレッピースタイルと呼ばれ、貧困層の子供たちからは羨望の目で見られていた。

 そんな社会的背景の一方で、都市部の若者の間ではヒップホップブームに火が付いていた。Jay-ZやSnoop Doggなど、ヒップホップ業界からは白人の子供からも親しまれるスターが排出されていた。この時彼らは音楽のみにメッセージ性を持たせるだけでなく、着る服からでも何かメッセージを伝えられないかと模索していた。そして採用されたのが前述のプレッピースタイルであり、人気のラッパー達は凝り固まったブランドや見た目に対するイメージを崩すために、好んでトミーヒルフィガーの服を着てメディアへの露出を増やしていた。黒人のラッパーが富裕層の象徴ともいえる衣服を身に纏った姿は多くの者にとって刺激的だった。貧困層出身のラッパーでも裕福になれるアメリカンドリームを体現していた彼らは、多くの貧しい若者に夢を与え、ブランドの名が爆発的に広まっていく中、トミーヒルフィガーの売上は増加した。当然、白人エリート層からは批判的な声が多かったが、トミーヒルフィガーはブランドのルーツを捨て、ブームに乗ることを決意した。その後、トミーヒルフィガーは大胆に自社の広告に黒人のラッパーを起用した。結果として、90年代にトミーヒルフィガーは国際的にも知られるブランドとなり、ヒップホップブームのおかげでグローバルに展開する大企業となった。

 

注:トミーヒルフィガー…ニューヨーク州出身のファッションデザイナー、トミー・ヒルフィガーが興したファッションブランド。

注:Jay-Z…ニューヨーク州ブルックリン出身のラッパー・プロデューサー・起業家。グラミー賞の常連で、最も偉大なラッパーの一人と評される。妻は歌手のbeyonce。代表曲「Empire State of Mind」は米ビルボードのシングルチャートで5週連続1位となるなど、世界的なヒットを記録した。

注:Snoop Dogg…カリフォルニア州出身のラッパー。これまで発売した楽曲のセールスは全世界で3500万枚にも上る。俳優としても活動しており、数多くの映画に出演している。

 

 

 

第3回 歴史・地理学の役割とホモサピエンスの責任

 

あすか人事コンサルティング
代表 太田 正孝

 

 かつて、詩人サミュエル・ウルマンの「青春」という詩が経営者の間で流行ったことがあります。松下幸之助さんが座右の銘にしていた、というので脚光をあびたようです。

 それは「青春とは、人生のある期間をいうのではなく心の持ち方を表す。優れた創造力(想像力)、逞しい意志、燃えるような情熱、勇猛心、冒険心、・・・ 年を重ねただけで人は老いない、理想を失うときに初めて老いが来る。・・・」というものです。

 私がこの詩を知ったのは20才代後半と思います。当時、定年は60才というのが主流でしたので、定年退職者表彰式の記事を読むと、多くの社長さんがこの詩を引用し、退職者を送り出されたようです。今、世の中は年を追って高齢者が増加していますが、元気に「青春」を実行されている人も多く見かけるようになりました。高井先生はこの言葉どおり青春まっただ中で活躍されていますが、私はじめ周りにいる仲間の多くは少々くたびれて「半分青い」くらいか、あるいは「白秋」を迎えているのが現状です。高井先生を見習って「青春」に返ることを目指して過ごしていきたいものです。

 

 ところで、私は初回で、歴史地理を学んできたことを書きました。その頃の気分に戻って、本当の「青春」時代を少し振り返りながら、実老人の「青春」の思いについて書きたいと思います。

  私の地理学の恩師は考古学と地理学を極め、独自の歴史地理学を築き、教えていた人だったですが、とりわけ野外での巡検(フィールドワーク)を大事にしておられました。

 この学問はその場所に行かないと真の研究にならないという信念から地理学教室の面々を恩師の巡検に同行させ指導するスタイルでした。今の時代でいう率先垂範、現場主義ということでしょうか。いまその時を思い返すと結構その後の旅行の仕方に影響していると感じます。景色を眺めながらその地に暮らす人々や歴史を想像する癖となって残っています。

 

 歴史地理学の研究では、対象地域の名士のお宅を訪れて古記録や古地図など資料を収集したり、古老の話をうかがったりしながら調査と解読、解釈をしていきます。正直、古文書を読むのが大変で苦労した思い出があります。この過程で好奇心と探究心、忍耐力、粘着力、推理力などが身に付き始めたように思いますし、誰もよく知らない庶民や農民漁民の知恵や工夫の歴史を垣間見て、高校で習う権力者の歴史だけが歴史ではないと考えるようになりました。尤もこれはマニアックかつ地味すぎて世間受けはしないですが。

 

 義務教育や高校では他に学ぶべき多くの事柄があるために「主な歴史的事象」とその年号などを主に学ぶようです。大学受験でも歴史や地理はあまり重視されていないので、大学生か社会人になって興味があれば歴史書や小説、旅行、映画、TVなどで勉強してください、といったことになっていて残念です。日本は地震、火山など災害の多い国で歴史的、地理的要素が防災、減災に大きく関連するのでもう少し重視した方がいいのではないでしょうか。歴史に造詣が深い経営者も多くおられるので社員の採用の際には、その人の思考過程に歴史が含まれているかどうかを考慮していただきたいものです。

 

 さて、地理学ですが人間の歩みを研究する歴史学と重なるところもありますが、自然環境とのかかわりにおいて、地形や気象条件の違いからくる多様な地域社会の姿、独特の文化を研究する分野です。古くはドイツの地理学者が唱えた決定論「人間の活動は環境とりわけ自然環境によって支配されている」、フランスの地理学者が唱えた可能論「人間は自然に干渉し、自然に服従することはない。人間の叡智・技術による限りない未来への可能性」と両論のせめぎ合いがありました。

 要は人間と自然環境のどちらに重きを置くかであって単純に割り切れない問題であるものの、色んな分野で派生的に研究されています。例えばダーウィンの進化論は適者生存が幹にあるので決定論に寄っていると思いますし、さらに昨今の自然災害を考えると地形、気象など圧倒的な自然力に対して人間の文明が太刀打ちできないのをみると決定論が優勢と言えます。どうでもいいように思われるかも知れませんが、原発立地などの報道をみていると議論は可能論と決定論の戦いであり、両論での整理をして落としどころを探ればより建設的な議論ができるのではないかと思います。

 

 この3月11日で東日本大震災から丸8年が経ちました。すさまじい地震と津波は地球の巨大なプレートの動きに因るものでした。

 日本列島は2千万年前あたりから大陸の一部が離れてゆっくりと作られ、現在の形にだいたい落ち着いたのは2万年前くらいといわれています。この変動は、止まることなく少しずつ進行しています。そうなっていることは頭ではわかってはいるのに今日明日に大きな変動は起こらないだろうと楽観しがちですが、人間は「茹でカエル」状態が心地よく感じていられるほど短命だからでしょう。

 

 近所の団地造成現場をみると、小高い丘を削って谷間を埋めて一面平らにする工事が進んでいます。いずれこの地に家が建つでしょうが、大きな地震がくると谷間だった部分は崩壊リスクが高いでしょう。地理的特性・個性を考慮しないで経済効率優先で地表の細工をつづけているわけです。福島第一原発も元々高さ30mあった場所を炉冷却用海水循環の効率化のためか、わざわざ大幅に「嵩下げ」して建設したことが基本問題と考えられます。 仮に標高を下げたら補助電源とその燃料を頑丈な高所に複数置くとかのトレードオフ対策をしておく必要がありました。発電所なので自然災害時であっても冷却電力を失うことはない、と考えてメルトダウン絶対阻止の二重三重の対策をしていなかったのでしょうか、残念です。何せ相手はなにが起こるかわからない自然の営み、しかも千年万年単位のスパンで起こることですから、可能論ではなく決定論にたって考えておくべきだったと思います。

 

 私達は太陽という巨大な核融合炉からあまたの恩恵を受けています。太陽エネルギーが太古の昔から植物や動物にその形を変え、その蓄積された石炭、石油や天然ガスなどのエネルギー資源を急速に消費していることを人はあまり意識しません。今や、超巨大な石油タンカーやLNG船が日常的に航海しています。万一の重大事故に備えてフェールセーフ策がとられているのは当然ですが、設備の劣化、システムの欠陥、人的ミス、さらにはテロなど人間起源のリスクがあるのも昨今の姿です。こうしたことから地球規模の災害につながりかねない時代ですので、歴史的地理的視点も取り入れ、広い視野と長い時間スパンから文明社会の諸問題を考えるようにしたいものです。

 

 われわれホモサピエンスの最大の責任は、あらゆる動植物の運命を左右する地球の環境保全に尽きるのではないでしょうか。 

                                       終わり

20180109DSC00155.JPG

2017年12月2日(土)9:16 西新井大師で菊を撮影

 

 

~アメリカ留学生活の所感②~ 公私混同とサービス業について

 

日向小夏

 

初めて会うタクシーの運転手と下の名前で呼び合い、好きな音楽の話などで談話したことがあるだろうか。長い間アメリカに住んでいると慣れてしまったが、日本ではありえない光景だ。日本でタクシーに乗ると同時に「気軽にブライアンと呼んでくれ」などと運転手が話しかけたら恐らく客を失うだろう。日本人にアメリカ人の特徴をあげてもらう時によく「フランク」という言葉が使われる。フランク(frank)とは率直な、気取らないさまという意味である。この国の人々は客と対等に接している。初めて会う客をまるで自分の友達か親戚のように接する彼らをみていると、誰とでも無邪気に話しかけられて友好関係を作る子供を思い出させる。日本人のサービスは律儀で紳士だ。「お客様は神様」という言葉があるように上下関係もはっきりとしている。客との会話は最低限の社交辞令に留め、物やサービスを売ることよりも「お客様」としてもてなされる経験を提供している。サービスのあり方なんて其々でどれが正しいかなんてない。以下ではこの両国のサービスの違いから見られる文化的な背景について語ろうと思う。

 

アメリカ人が客を友として扱うのは決して彼らに礼儀がないわけではない。彼らは文化的に公と私の使い分けというものがないのだ。世間体を気にする日本人は仕事上の付き合いなど場面によって人との接し方を変える。敬語の中にも謙譲語や尊敬語があるように場面や関係によって人との接し方を変える文化は我々の言語にも深く根付いている。それとは反面にアメリカではそもそも公用の顔というものがない。仕事もプライベートの一部だと思っているのだろう。タクシーの例に戻るがお客さんの送迎中、常に友達や家族と電話している運転手だってよくみる。世間体を気にせず素のままで接しているからこそ客と従業員の間にもあまり距離を感じられない。

 

しかし、文化に多面性を持つアメリカ人を一括りに皆公私混同していると結論づけてはいけない。中にはアップル社のようにサービスに徹底して力を入れている企業もいる。アメリカは特殊でまとまった文化がなく、様々な文化が点在している国だ。この文に記述したのは私がその中でも感じた大きな流れであるだけであって、あまりアメリカ人に対しての先入観を持って欲しくない。アメリカ人のみならず、どんな国、色、宗教の人でも人の考えに捉われず自分の目で確かめてほしい。

 

※明日の高井杯は雨のため、中止いたします(2017年10月20日)

【10月21日】第50回記念「高井杯ゴルフコンペ」ご案内

一緒にゴルフを楽しみませんか?高井伸夫よりゴルフコンペのご案内です。

 

★日 時:平成29年10月21日(土)

スタート  東コース 8:48AM  南コース 8:48AM

※30分前にお集まりください。

※6組予定(東3組、南3組)

 

 

★場 所:千葉夷隅ゴルフクラブhttp://www.chibaisumi.jp/

【住所】〒298-0261 千葉県夷隅郡大多喜町板谷588

【電話】 0470-83-0211

 

※キャディ13年連続日本一!!

 

 

★アクセス:圏央道市原鶴舞ICより車で30~40分http://www.chibaisumi.jp/access/

 

★費 用:26,000円位

(含む プレイ代、キャディ付、昼食、ワンドリンク、パーティ代)

(賞品多数あり)

※各自贈答品(1000円位)ご持参ください。

 

 

★幹 事: 知久信義、亀梨信夫

 

★申込方法★

/weblog/pdf/news20171021.pdf

上記URLより申込用紙をダウンロードして、FAX(03-3230-2523)までお申込みください。

 

 

~アメリカ留学生活の所感~


20170820IMG_3730.JPG

2017年7月9日(日)5:26 山中湖付近で撮影

 

 

~アメリカ留学生活の所感~

 

日向小夏

 

大学入学に当たり渡米してから、衝撃ばかりだった。十年間インターナショナルスクールで培ってきた遠い大陸の知識と、その実態があまりにもかけ離れていたからである。以下では、私が体験し、感じた「アメリカ人」という民族の特殊さを述べていこうと思う。

 

1.メディアに対する信頼の低さ

 

昨年、アメリカは大統領選挙で盛り上がりを見せていた。4年前のオバマ氏が勝利した選挙も見ていたが、とにかくアメリカ人はマスメディアに対する信頼度が低い。放送の内容、そして両候補が画面に映る時間などにも敏感で、偏ったメディアを嫌う傾向がある。特に20代の若者にその傾向が顕著で、彼らの間では国などの影響が少なく、言いたい放題言うことができるネットニュースが人気だ。中でも人気が高いのは、週に一度30分ほどその週に起きた政治ニュースについて語る「Last Week Tonight」というチャンネルだ。多いときは数千万回もの再生数をたたき出しているこのオンラインニュースチャンネルを筆頭に、今後、メディアはネット上での成長を遂げて行くだろう。

一方、日本では他の先進国に比べてマスメディアに対する信頼が著しく高い。話のソースを聞くと、「テレビで言っていた」と説明する人も少なくない。しかし、メディアに対する信頼が高いほど、世論誘導に流されやすくなる点には注意が必要だ。情報社会である現代では、メディアの情報を鵜呑みにせず、自分で考え、何が正しくて何が正しくないかを判断しなければならないと思った。

 

2.信頼しない信頼関係

 

アメリカ人は、フランクで友好的だとよく言われている。それを否定するつもりはない。アメリカでは挨拶も明るく、知らない人でも目を合わせただけで笑顔を見せてくれる気さくな人が多い。しかしそれと同時に、アメリカ人の交流関係は広く浅いというのも、よく言われることだ。実際にアメリカで知り合った人たちは、初対面から仲良く接することはできるが、深くその人物を知ることができないのがほとんどだ。

同じくアメリカの大学に通う日本人留学生の友達に、どうやったらアメリカ人と信頼関係を築けるか聞いたことがある。彼は「そもそも信頼関係なんてない」と答え、私はその時一見適当に放ったようにみえる友人の言葉に納得した。様々な背景を持つ人間が集まる場所だからこそ、本当に互いを理解するのが難しく、警戒心を解けずいつまでたっても友人に対して壁を作っているのかもしれない。アメリカ人はコミュニケーションにおいて、育ちも文化も言語も何もかも違う相手に対し、どのような言葉が適切でどのような言葉が適切でないか常に慎重に言葉を選んでいるような気がする。全てが自己責任な個人主義の社会が故に、信頼が深まりにくい環境となってしまった可能性も十分あり得るだろう。

 

3.ポリティカル・コレクトネス(PC)に敏感すぎる世間

 

日本ではあまり浸透していないが、アメリカやヨーロッパなどではポリティカル・コレクトネス(Political Correctness)という言葉がある。これは、政治的、社会的に公平で差別や偏見が含まれない表現を指す。例えば英語にはヒストリー(History)という言葉がある。歴史を意味する単語だが、近年はこの言葉すらも差別的な表現でないのかと議論されている。Historyは彼の(His)、ストーリー(story)の二つの単語から成り立っているため、まるで女性が築いてきた歴史が含まれていないようだと抗議の声が上がっているのだ。他にも似たように使い慣れた不適切な言葉に対する言語改革が求められている。しかしPCに敏感になり過ぎていることが多々あることも事実で、発信が窮屈に感じることがある。

 

以上が私の体感した「アメリカ人」という民族の特徴だ。時に偏重的でもあるが、ネットリテラシーの高さなどを含め、日本人に足りないものを多く痛感した。日本人は内に籠りがちだが、積極的に外の世界に出て行き、他国・他民族の優れている点を学ばなければ、これからますますグローバル化し、情報化していく時代を乗り切ることはできないだろう。

 

以上

 

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