弁護士の営業の最近のブログ記事

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弁護士にとって大切なこと、弁護士本人の「人間性」、「丁寧さ」、「明快」について、2回に分けて説明していく。

 

[1]人間性

誰にでも長所・短所があるが、営業ができる弁護士になるためには、長所のうちの少なくとも3つを探し出して、それらを伸ばさなければならない。ところが、探し出した長所があまりクライアントに求められていないものであった場合は、どうしたらよいだろうか。

 

私は、クライアントから求められ共感を得ることのできる人間性を身につけるためには、自分をさらけ出して、より本音で語り合い、談笑することが必要であると考える。要するに、人間味という醍醐味を互いに味わうこと、味わわせるということである。そして、本音で語り、談笑するためには、クライアントである企業・本人の業績、経歴、当面の関心事、趣味、嗜好等について十分な予習が必要である。そのようにして人間としての深みを醸成することが、営業のできる弁護士として成長していくコツであろう。人格・識見・手腕・力量に加えて、多芸・多趣味であることが必要になるのである。

 

その代表例が、当事務所の客員弁護士をお務めくださった吉村德則先生であった(2012年3月7日ご逝去。享年74歳。1964年に検察官に任官され、2000年に名古屋高等検察庁検事長で退官。当事務所の客員弁護士として2004年3月~2012年2月までご在籍)。

吉村先生は、専門外のありとあらゆる分野にも精通された、まさに博覧強記の方であった。話題が豊富で、とにかくお話が楽しかった。先生は、法律家の自己研鑽のひとつとして、世の中の動きや考え方などあらゆることを日頃からデータとして頭に取り込んでおくことの重要性を指摘されていたので、法律とは一見無関係の事柄でも、形を変えて検事の仕事・弁護士の仕事に役立てていたのであろうし、また、万般にわたる幅広い知識と体験が、仕事にも一種の深みを与えていたと思う。

硬軟取り混ぜて、社会のいろいろな階層の人びとに通じる知識を血肉にされていた吉村先生の域にまで達することは難しいが、法律家は社会の動向に常に鋭敏なアンテナを張り巡らせるべきである、という先生の考え方を良きお手本とし、その志を受け継いでもらいたい。(2012年新緑号(No.94)『経営法務情報 Management Law Letter』掲載 巻頭言<博覧強記の人 逝く~吉村德則先生のご逝去を慎んで~>/2012年5月7日発行(43号)『髙井・岡芹法律事務所 市ヶ谷だより』掲載 巻頭言 千種秀夫先生<客員弁護士 吉村德則先生 追悼文>参照)

 

[2]丁寧さ

宇江佐真理の小説に『恋いちもんめ』という作品がある。その中に、「丁寧にちくちく縫うんだよ。いい加減にするといい加減なものになっちまう」という言葉があるが、弁護士もまさにその通りである。依頼された事件に対していい加減に対処したら、成果もいい加減になってしまう。だから、どんな手続きでも用意万端であるよう充分に努めて、丁寧に1つ1つ仕事をしていかないといけないことは言うまでもない。

それだけではなく、裁縫は着物を作ることでもあるが、着る人の立場に立って、そのサイズに合わせて裁断するという想像力も必要だ。想像力を持って地道に仕事をすることは弁護士も変わりはない。

 

併せて、物事に的確な判断を下すためには、そのものの細部にこだわっていてはいけない。物事を全体的にとらえ、様々な視点から眺めて検討することが必要となる。「大局観」という言葉がある。事典によると、「碁で盤面を全体から見たときの形成」と説明されているように、1点だけを見ていては、別の角度から切り崩されていたとしてもそれに気づかず、気づいた時には手の打ちようがない、ということにもなりかねないのである。

 

これは、弁護士の仕事においては、常に心がけておかなければならないことである。相手が考えるであろうことを全て予測したうえで対策を考えなければ、問題の的確な解決にはつながらないのである。その意味で、相手が考えるであろうこと、起こり得る事態などを全て予測して手を打っていくという丁寧さが求められる。いい加減な仕事では、クライアントを納得させることなど到底できないのである。

 

一方で、弁護士は、常に時間との勝負であることも忘れてはならない。時間との勝負があるからこそ、全てに対して丁寧に手を打っていくことは不可能である。そこで、大切になることが、「いい加減」の反対の意味である。「いい加減」の中でも、「過不足のない頃合い」という意味が重要であり、事態を網羅的に予測し、かつ、その中で必要なもと不要なものを振り分け、優先順位をつけ、必須の事柄から手を打っていかなければならない。

この、手を打つべきこと、優先順位を間違えると、いくら手を尽くしても、事態の収拾に全く役に立たないことすらある。このことを、胆に銘じておかなければならない。

以上

 

 

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[2] オンタイム

 

クライアントが「スピード感」「早急な回答」「迅速な対応」を求めていることは絶対に忘れてはならない弁護士の心得るべきことであろう。

そのためには、オンタイム(定刻で、時間通りに)で、期日を厳守して仕事をしなければならないことはいうまでもない。チームで仕事をするときは、各自がオンタイムで仕事をしなければならないし、関係者全員の状況にも十分配慮しなければならない(チームワークについては次回以降述べる)。

今は、株の自動取引や特許競争等々のために1秒が争われる時代となり、昔と比べて1秒の重みが変わってきたという。オンタイムで仕事を行うことは当然のことで、高度に電子化した今の社会においては、より効率、スピードが求められているので、前倒しで仕事を行うことが大切である。

 

私は、弁護士として仕事をするに当たって、「尽くすべきは尽くす」という言葉をモットーとしてきた。いかなる時も力を惜しまず、ありとあらゆる努力をして、最善の問題解決を図る、という意味である。

日々仕事に取り組む中では「これ以上努力しても無駄になるかもしれないな」という憶測が生じることがあり、そうなると「無意味」と決めつけ、アクションをとらなくなってしまう弁護士もいるかもしれない。

しかし、あらゆる努力を惜しまぬ姿勢を貫くこと、そして努力することをあきらめない気概によって、事態が予想外に好転し、然るべき成果を得られることもある。

このためには、つねに前倒しでスケジュールを実行し、努力を惜しまず、貪欲に仕事を追い求める精神が必要なのである。前倒しで仕事をすれば、見直し、推敲等が十分にできるから、より完璧な尋問やシナリオができるのである(昔の弁護士は法廷の当日の朝に準備書面を用意するなどということもあったそうだが、それではよい書面などできないに決まっている)。前倒しでスケジュールを実行すれば、クライアントを安堵させることにも繋がるし、自分自身の自信にも繋がる。

 

弁護士の書面の提出は総じて遅いといわれるが、その原因は、1つ目には多忙のため、2つ目は性格的なルーズさ、3つ目はクライアントの準備不足が挙げられるようだ。時に、相手に手の内を明かさないためという理由もあるようだが、特段の事情がない限り、クライアントのために十分な審議を尽くすべく、裁判所に対しても相手方に対しても、後述するデッドラインを確実に守って提出する、ということは最低限のルールである。さらに、通常のクライアントとのやり取りのなかで迅速に対応していくことは、クライアントの信頼を得るカギとなる。

 

[3]デッドライン

 

デッドラインとは、 新聞・雑誌などの原稿締め切り時刻を意味するが、弁護士にあっては法定期間がそれにあたるだろう。民事訴訟手続きでは、控訴期間(民事訴訟法第285条)や上告期間(同法第313条)、即時抗告期間(同法第332条)など、訴訟を続けるか否かを決する重要な期間が法定期間として定められており、この期間を守らないことにはクライアントが目指す目的を果たすことが不可能となる。デットラインを守れないというのは、クライアントのために最善を尽くすべき弁護士としては完全に失格なのである。

 

 

さて、「オンタイム」「デッドライン」について述べてきたが、前倒しで仕事をすることがそれを克服することであることは言うまでもない。そのためには、なるべく早く、極端に言えば、即時に調べたり、確認・問い合わせたりして、、それを僅かなページ数でもいいから書面にすることが大切なのである。期限ギリギリに取り組んでも、見直す時間もないし、深く調査する時間もない。毎日毎日少しずつでも書けば、前倒しで仕事をすることになるのである。

しかし、弁護士は、昼間はクライアントとの打ち合わせや裁判所への外出等でまとまった時間を取ることが難しいものである。

私は、法定期間終期の一日前に書面を提出することを常に実践してきた。どういうことかというと、先行逃げ切り型で訴訟の準備をするのではなくて、コツコツと地道に積み上げ型で訴訟の準備をすることである。もちろん期日直前になって大急ぎで書面を作る方式でないことは言うまでもない。

時には、コツコツと地道に準備を進めても、時間が足りなくなることがある。しかし、時間が足りなくなったこと自体は反省の余地があっても、この経験から、今後はより短時間で高い成果を上げられるよう段取りを工夫するということを学べばよいのである。肝心なのは、やるべきこと(この場合は書面を書きあげること)は、徹夜をしてでも期限に間に合うようにやるという執念を持つことなのだ。また、書面を書いているうちに、構成に迷いが生じたり、既に書いた部分をよりよく書き直したくなったりして、いたずらに時間を要することがあるが、その際には、途中で妥協せずに、徹夜をしてでも取り組む姿勢が大切なのである。

苦しいときも、辛いときも、やるべきことを後回しにしてはならない。特に弁護士はクライアントの代理人なのだから、やるべきことをやれていなかった場合、本人(クライアント)に対して弁解のしようがない。すぐやることを常套と心がけることである。

 

[4] 即断、即決

 

即断、即決とは、その場で直ちに決める、間髪をおかずに決断を下すという意味である。かつてドッグイヤーの時代と言われ、その後マウスイヤーの時代となったが、今は、生き残るためには、さらに未来のことを考えて瞬時に判断することが必要となっている。

しかし、このような、状況が目まぐるしく進化する時代においてもなお、日本企業は即断、即決ができていない。海外の企業から笑われているかの如く日本人は決断が極めて鈍い民族であり、だから化石のような存在だと言われてしまうのである。

弁護士は、即断、即決を迫られることがあることも意識しておかなければならないだろう。

以上

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2014年3月8日(土)13:27 
静岡県静岡市清水区の由比PA(東名高速道路)にて
ユリオプスデイジーを富士山を背景に撮影
花言葉:「円満な関係」「明るい愛」 

 

 

期限を守る

期限(タイムリミット)を守ることのできる弁護士であることは大切である。

時間切れには2種類ある。1つは、法的な制裁がない場合、要するに「タイムリミット」をオーバーすることを言う。もう1つは法的な制裁がある場合のことで、これを「デッドライン」という。弁護士は、この2つを使い分けることが大切なのだ。当然、法的な制裁がある「デッドライン」を守ることは法律家の務めであるが、法律家は約束を守ることが大切だという意味では、法的制裁がなくても「タイムリミット」を守ることが大切だということを意識しなくてはならない。それでなくては信用が得られないからだ。

 

[1] タイムリミット

 

タイムリミットを守れない仕事(受任時に既にタイムリミットが迫っているような場合)については、弁護士はどのような対応をするべきだろうか。一旦引き受けてからタイムリミットを引き延ばすように努力するのか、はじめから断ってしまうのか、という問題がある。一旦引き受ける場合には、弁護士としての責任を追及されないように、予めクライアントに十分確認することが必要である。与えられた時間が足りないために、期限までに仕上げることは物理的に不可能であることなどをクライアントに率直に説明して、それを理解してもらえない場合には受任してはならないだろう。

 

また、タイムリミットとの関係で、弁護士は土日祝日を返上して執務しなければならないことがあるだろう。時にはクライアントの都合で、打ち合わせを土日祝日や、夜間にしか設定できない時もある。そのような場合、時間外の執務として残業手当等をクライアントに請求することはできるのだろうか。

専門職である弁護士の仕事は、結果を出すことが求められる、いわば請負的なものであり、タイムチャージの設定に関するクライアントとの合意内容を除けば、本質的に、費やした時間に応じて報酬が定められるものではない。あくまでも、「結果」に対して報酬が支払われるものである。だから弁護士というのは残業手当を意識してはならないのである。

 

詳細に調査したわけではないが、およそ弁護士等の専門家集団の事務所では、労基法どおりに弁護士らに時間外割増賃金を支払っているところは皆無であるといってよいだろう。少なくとも、私は寡聞にして知らない。そのなかで、勤務弁護士の労働時間の長さを踏まえた働きの成果を、経営者たるボスがいかに判断・評価して賃金に反映させているかといえば、これはやはり各人の「勤務度の濃淡」を評価の基準の大きな要素としているといってよいだろう。こうした方式によってしか支払うことができないことは、何も使用者側弁護士事務所に限らず、労働者側弁護士事務所も同様であろう。要するに、報酬にこだわらないことが、弁護士としての誇りでもあるといってよい。(2008年8月18日付『労働新聞』掲載「髙井伸夫弁護士の四時評論」08年夏号 <管理監督者問題の本質(終・6)>参照)

 

なお、弁護士の時間外割増賃金に関連する事件例のうち、弁護士が残業代を請求した特殊な事例としては、独立行政法人・日本司法支援センター(法テラス、東京)の常勤弁護士が、常勤弁護士を労働基準法上の管理監督者(管理職)とみなして残業代を支払わないのは違法として、弁護士が法テラスに超過勤務手当など約109万円の支払いを求める訴訟を提起したという例がある。

弁護士は取材に対し、「実際には名ばかり管理職で、残業代が出ないのは実態にそぐわない」「他の職員に対する労務管理の権限も皆無だった」と主張している。訴状などによると、常勤弁護士の労働時間は、就業規則で1日7時間30分と規定されている。弁護士は「実際には月約17時間の超過勤務があった」として、11年11月までの手当の支払いを求めたが、法テラス側に「常勤弁護士は労基法上の管理職にあたり、支払う必要はない」と拒否されたという。

この時点で、法テラスの総務部長は取材に対し、「常勤弁護士は一定の職員を管理、監督する立場と内規で明記している」とし、訴訟で争う姿勢を示していた(2012年4月24日付読売新聞参照)

しかし結局、約5ヶ月後の9月20日に、法テラスが約60万円の和解金を支払うほか、常勤弁護士制度を改善することで合意し、この件は解決となったという(2012年9月21日付読売新聞朝刊)。

 

 

 

 

付録 「第149回伊豆漢方研究会における土屋喬先生の発表」

 

今回は、ツチヤ鍼療所 土屋喬先生(70歳)が、2月15日(土)第149回伊豆漢方研究会にて発表された、ご自身のご経験をご紹介いただきます。これは、昨年12月に、突然、全身熱感(38.5度)および倦怠感に襲われた際、ご自身で漢方医学の治療法にて治療された事例です。

土屋先生は名医のお一人ですから、説明を受けたい方は、立候補してください。

 

ツチヤ鍼療所 〒414-0016 静岡県伊東市岡広町1-6 
TEL & FAX 0557-37-3219

http://www.geocities.jp/tonkai_tsuchiya/index.html

 

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平成25年12月9日午後7時頃、突然、全身熱感(38.5度)および倦怠感に襲われる。咳嗽(がいそう)はない。いつものように、ビール、焼酎を惰飲、痛飲する。

 

熱感、5分上がり39度となる。倦怠感がさらに憎悪した。もともと、低体温(35.5度位)の愚生は、青息吐息、雲海幽行状態になってしまう。

 

「さて、愚生は、かねてから、もし鳥インフルに罹患したら…ということで、西洋医学に対しては専門外であるが、東洋医学に関しては、40年の光陰の蓄積があるので、それを活用するしかない」、と思った。

 

まずそこで、そのような状況下において、自分で自分にできる治療としては、専門である鍼治療は不可能なので、漢生薬から選ぶべしと、結論した。

 

そこで、西洋医学にはない、漢方医学の独自的診断治療法である、随症治療を外し、単に抗ウイルス薬として有効であったと思われる漢生薬を、古今並びに最新の中国衛生局の鳥インフルに対する、漢方処方等を参考にし、野菊花、板藍根、虎杖根、の3種のエキス粉末(煎じていたら緊急時に間に合わないので)を中国の友人を介して送ってもらい、冷凍庫に保管しておいたものを使用した。ちなみに、インフルに有効とされているタミフルは、八角茴香(はっかくういきょう・中華料理などにも使われるスターアニス)から作られている。

 

ここで死ねない、と思い、野菊花エキス2g(原生薬換算20g)、板藍根1.5g(換算7.5g)、虎杖根2g(換算10g)を服用して床に入る。

 

 

数十分後、猛烈な悪寒、尿意。便座が冷たく、さらに憎悪寒。さらに同方を服用。夜中3、4回悪寒と尿意で目覚め、便座に座る。その都度、構わず同方を服用(随症治療不可能)。

 

4、5回服用後、尿意を感じて、便座に座った。嗚呼、冷たくないと思った。寒気も消失した。涙が溢れ、そのため、震えた。後、ぐっすり眠れ、翌日、仕事を正常に出来た。

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2月19日(水)15:52 静岡県伊東市猪戸周辺にて河津桜を撮影
花言葉:「優れた美人」「純潔」 

 

 

[3]経験・専門性

 

弁護士にとって必要な素養は、前回述べたハングリー精神と人柄に加え、、経験・専門性があることが一番大切だろう。

 

① 経験

予防医学という学問があるが、それと同様に法的紛争の発生を未然に防ぐという視点からの「予防法学」という言葉もあり、現実に極めて大切なジャンルになっている。この「予防法学」とは、法的なトラブルになる箇所を予め押さえて、それに防波堤を築くことである。それは単なる書籍の上の知識ではなく、実体験、経験に基づいた実践でなければならない。

 

例えば、契約を締結するのに欠陥がないかを予め見極めることである。これができるのは、一般的には専門家として経験豊富な弁護士しかいない。もちろん法務部門がしっかりしている企業においては法務部員もそれにあたるだろう。いずれにしろ、予め法的トラブルを回避する心配りが「予防法学」を発達せしめてきた。それがピンチを招かない最良の方策でもあるし、「彼を知りて、己を知らば百戦危うからず」という世界でもある。依頼者との腹蔵なき綿密な話し合いにより、たとえば依頼者が企業の場合は企業継続のための安全ラインを的確につかむ手伝いをし、肝心なところで法律的な面での助言を与え、匙加減、あるいは打開の方法を示唆し、企業の可能性を最大限に発揮できるよう導くのが弁護士の役割なのである。

 

しかし、経験とは、誰にでも最初から備わっているものではない。

若手のうちは、手を動かして書面を作成し、足を動かして依頼者および相手方、事件関係者と面会することである。何事も、現場を見ないでは、的確な判断・指示はできない。担当事件・相談会社について、なるべく早く現場を見る。必ず一度は訪問する)。そして、担当事件についての打ち合わせには必ず立ち会うこと。今はメールが欠かせない時代になっているが、メールだけで仕事をすることは、弁護士の信用を失うことに繋がるだろう。現地に行き、現場を見て、現実を直視することが弁護士の仕事としての第一歩であり、メールはその後のことである。まずは、現地を確認してメモを取ることが大切なのだ。

また、弁護士の仕事で書面を作成することは土台・基盤に当たるから、書面を作成することを厭わないことも重要であって、弁護士の基礎である。書面を作成するときには、心で作成する。そして、毎月最低2通以上の大型書面を作成することである。弁護士は、まず文章力の体得こそ肝要なのである。書類を作る時は証拠を確認すること、いつも学説・判例の検討を忘れない。仕事は貪欲に身に付けること。依頼者の信任を受けるには、相手方の代理人より質量いずれについても2倍の準備をし、裁判所からも評価を得ることが必要なのである。

 

因みに、私が司法研修所修習生の当時、司法研修所の教官から裁判官に書面を提出するときは、ポイントを要領よく簡潔に書いて出すべきだと教えられた。その後、弁護士になっていろいろな文章を書いたが、他の弁護士からいくつも教えられることがあった。例えば、事実関係を精査して書くべきだとか、原理原則を大切にして文章を書くべきとか、少し叙情的に書くべき等々である。

私は、実際に文章を書いているととても長くなってしまう。それは兄弟子の故滝川誠之氏から影響を受けている。彼は文学賞をもらうことを念頭に置いて文章を研鑽しており、裁判官に納得してもらうためにもやはり長文でなければ、と常日頃から言っていたことから、影響を受けた。

しかし、長文になればなるほどまとめるのが難しくなるのは言うまでもない。弁護士の文章のみならず、学者の論文も長文になっていると思うが長文だと冗長になり、締まらない文章になりがちである。だから、文章作りにあたっては起承転結を意識しなければならない。起承転結を意識することにより、裁判官に訴えたいこと、納得してもらいたいことに自ずと焦点を定めることができるのである。

 

② 専門性

専門性もまた、誰にでも最初から備わっているものではない。

 

ケースバイケースではあるが、新人弁護士の時代には、自分の専門性を確立するために、時代の流れにマッチしてクライアントのニーズのある分野、さらには自分の能力・性格にも合う分野を見極めるという意識をもって、仕事に取り組むことが必要である。

 

そして、専門分野の方向性が決まったら、自分自身で勉強を深めることに加えて、その分野を専門とする弁護士と積極的に交わって情報交換を行い、実務的なノウハウをも意欲的に身につける努力をしなければならない。これは弁護士に限らず言えることだが、ナンバーワンよりオンリーワンを目指すことが大切である。そのためには専門性を備えることが何よりも大切なのである。なぜ、ナンバーワンを目指してはいけないのかというと、ナンバーワンというものは、競争して負ける危険性をいつも秘めているからである。目指すなら、オンリーワンでなければならない。例えば、私はリストラの専門家として大いに精進したが、その結果として、1999年6月から2000年4月に日経産業新聞に8回、また、1999年10月5日には日経流通新聞、1999年12月8日には日経金融新聞に、計10回それぞれ1面に亘る論評を発表したのである。

 

司法制度改革に伴い弁護士の数が増加したこと、業務内容の複雑化や海外の動向も加わり、これからは大規模事務所が増えると予想している。そうなれば、過当競争の中で大手事務所による寡占状態が生まれ、中堅、中小の事務所はどんどん干上がっていくしかない。今後この状況を打開するためには、個人だけでなく事務所としても、中堅、中小の事務所はブティック型専門化を進めるべきだと考える。専門分野に特化し、事務所の力を強めることで、大手事務所に打ち勝っていくしか術はないように思う。

 

また、経験もなければ専門性もない事件の依頼があった時には、断る勇気を持つことも重要である。もしくは、自身が経験がなく自信を持てない分野について、豊富な経験をもつ弁護士に、指導を依頼することが必要である。

 

③ まとめ

以上で述べたように、弁護士は仕事をすることによって経験を積み、専門性を身につけ、弁護士として成長するのである。そのためには、仕事に対する取り組み方、即ち、感じ方・思い方・考え方も大切である。言い換えれば、キャリアアップのためには、仕事に対する自分の哲学も必要であるということである。そもそも哲学とは、人間が人間としてどういう風に生きるべきかを身につけるための学習をすることである。

なお、今日のような情報化社会が進むにつれて、情報に対する強者と弱者の差は格段に広がるため、情報格差を無くすべく説明を尽くすように努めるべきは専門的な知識を有している弁護士の社会的責任であるということも忘れてはならない。

 

 

以上

 

 

付録  源麹研究所 見学会

 

昨2013年9月19日より、当事務所の関係会社である株式会社NT経営研究所が「リーダーシップセミナー」を主催しております。「リーダーシップセミナー」は、毎回、2部構成になっておりまして、1部にはゲスト講師をお招きし、2部では私が講演しております。

 

<開催実績>

第1回 昨年9月19日(木)「新規事業開発の着眼点とリーダーシップセミナー」
第1部 講師:株式会社源麹研究所会長・農学博士 山元 正博氏
テーマ:「麹のちからが世界を変える」

 

第2回 昨年11月21日(木)「事業再興とリーダーシップセミナー」
第1部 講師:株式会社セブン&アイ・フードシステムズ
代表取締役社長 大久保 恒夫氏
テーマ:「事業再興とリーダーシップ~現代日本の代表的ファミリーレストランから」

 

第3回 1月21日(火)「M&Aとリーダーシップセミナー」
第1部 講師:株式会社アクロネット代表取締役社長 石田知義氏
テーマ:「M&Aとリーダーシップ~30社のM&Aを成功させた経験からの提言」

 

第4回 3月17日(月)開催予定 「代替わりとリーダーシップセミナー」
第1部 講師:三田証券株式会社 代表取締役社長 三田邦博氏
<受付中です。お申し込み方法はコチラ

 

 

上記第1回の講演のセミナー終了直後から 第1部講演のテーマ施設・鹿児島の株式会社源麹研究所『バレル・バレープラハ&ゲン』(http://praha-gen.com/)を見学したいとの声が、皆様から多く寄せられました。

 

これをうけて、源麹研究所の第1回見学会を昨年11月4日に4名様のご参加で実施いたしました。その際、ご都合で参加できない方がたくさんおいででしたので、昨年12月15日(日)に、第2回見学会を実施いたしました。その時の模様を、参加者の株式会社エイ・アンド・ディ代表取締役 大鹿潤一様にご寄稿いただきましたので、掲載します。

 

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2013年12月15日(日)鹿児島県霧島市の霧島こうじ蔵GENにて株式会社源麹研究所の代表取締役会長、農学博士 山元正博様、高井先生、小松茂生様、ランドブリーズ代表取締役 渡辺憲司様、株式会社吉田アイエム研究所 代表取締役 吉田透様と見学会、昼食会に同席させていただける機会を頂きました。

 

株式会社源麹研究所 山元博士は、株式会社河内源一郎商店の創始者である河内源一郎氏の発見された河内菌(麹菌の一種)による天然自然の発酵技術を、環境保全、免疫抵抗力増強や健康維持に役立たせるため、研究、開発されています。

 

11時より山元博士から御祖父の創始者:麹の神様、近代焼酎の父と言われた河内源一郎氏のご紹介を頂きました。

 

河内源一郎氏は大蔵省から熊本税務局鹿児島工業試験所にお酒の鑑定官として赴任、その折、地元の業者から「残暑に醪が腐敗して困る、何とかしてほしい」と歎願され、研究に入った。そこで発見したものが河内黒麹菌であった。この菌は瞬く間に鹿児島宮崎の焼酎業界で採用され当時黒麹で造られた焼酎はハイカラ焼酎と呼ばれた。源一郎は更に研究を続け黒麹の突然変異種で味もよりまろやかになる白麹を発見した。しかし当時は地元では採用されなかった。その後、大蔵省を退官し研究を続けるため河内源一郎商店を創設。現在日本の焼酎の90%、韓国の焼酎(まっこり)のほとんどが河内菌で生産されている。68歳のとき、自宅玄関で懐に試験管を入れたまま倒れ他界、実はこのとき焼酎でなくグルタミン酸ソーダの発酵法による精製が研究の中心であった。(そのお話の中で,±0というバランスの理論が特に耳に残りました。)

二代目は長男さんの邦夫氏、後を継がせるつもりでいたが本人はその気がなく、しかも35歳の若さで病死されたそうです。三代目は娘婿の山元 正明氏が引き継がれる。山元氏は河内式自動装置を開発完成され、焼酎蔵の近代化に大きく貢献された。

その後、昭和52年現在会長の山元 正博に受け継がれる。

 

現在研究、開発されておられる主要な4つの内容をご紹介頂いた。

 

<GEN麹リキッドの特徴>

 

  • 雑多な食品残さを仕分けなしで利用可能
  • 油分が多少多くても可
  • 栄養成分を調整する事により配合飼料を超える成長を期待出来る
  • 良好な肉質
  • 低コスト
  • 豚舎の悪臭が激減する
  • カラスの減少
  • 完熟堆肥の完成

 

 

<麹発酵乾燥処理>

  • 河内菌の発酵熱等で腐敗しやすい食品廃棄物等を乾燥処理し、飼料化する。化石燃料を殆ど使用しないのでコストも安く品質も良い。

 

<麹発酵飼料 TOMOKO>

  • ブロイラー用に開発された麹飼料で、現在では牛、豚。鶏等畜種問わず利用されている。
  • この飼料をわずか0.5%添加するだけで必要飼料の量が2割近く削減され肉質も向上する。

 

<その他>

  • 強力な分解能力をもつ独自の微生物を使用した油脂分解処理技術を開発、グリストラップ浄化装置を商品化

 

 

次に、同系列会社の霧島ビール株式会社が製造している商品麹の華、麹の力、前立腺の友、生マッコリ、甘酒麹等の商品紹介、効能、実例をお話し頂きました。

 

(抜粋)

■麹の華、麹の力、前立腺の友

麹のプロが麹菌のエキス分を濃縮させて作りました。この発泡酒には酵素がたっぷり含まれています。あまり知られていませんが、私達の体内で生命維持の為に大きな役割を担っている酵素。アメリカから酵素栄養学という分野が出るなど、注目されている分野だそうです。動物が具合が悪いときに絶食するのは、体内の酵素を消化ではなく体調を調整する為に酵素の使用を制限する本能だとか。麹屋のプロが研究に研究を重ね、約20年の時を経てやっと本格的に販売できるようになった自慢の商品。

 

■生マッコリ

4つの生: 麹、酵母、酵素、乳酸菌

アトピー、花粉症に有効

継続的に使用することで体のバランスが飛躍的に改善するということです。その他たくさんの実例をご紹介頂きました。

 

お話はここで一旦終わり、近くの豚舎を視察することになりました。豚舎内部には制約があり立ち入れませんが、車から降りた瞬間匂いの少なさに一同、驚きました。

 

渡辺憲司さんはこの種のことに特に知識が深く、特に豚の糞尿は扱いづらく普通では考えられないくらいの堆肥の出来栄えに感心されておられました。私自身は全く分かりませんでしたが、ここでのお話の中でもバランスという概念を多く感じました。

 

霧島こうじ蔵GENに戻り、実際麹発酵飼料で育った豚の肉を使用したトンカツを実食させていただきました。確かに肉質、風味、甘味、が違い、皆一気に完食していました。

ご馳走様でした。

 

・・・高井先生の帰京の時間が迫り全員で空港までお見送りし、終了しました。

 

今回の見学会、昼食会の中でとりわけ感じたのが、均衡=バランスという概念でした。日本古来の食文化の中より、短期長期的視野から見てこの麹は非常に良いバランスがあり、その奥深さに自分の仕事に通ずるものを感じました。

 

当社建築部門では木造建築の柱、梁の配置計画、自然素材の選出、また自動車部門ではポルシェのチューニングをしていますが、日本の技術、生産精度は世界一流であるにも関わらず、ポルシェを超えれない現実。歴史、実績、経験値、マクロからみるミクロの情報収集、どういう尺度で判断するか等本当に多くの共通するヒントをいただけました。こうした機会を頂き、今後も究極のバランスを追求して精進しようと思えましたことに大変感謝致します。

 

本当に皆様有難うございました。

最後に、大変お忙しい中、貴重な時間を割いていただきこのような機会を頂き、山元博士、高井先生、小松茂生様、渡辺憲司様、吉田透様、皆さまに感謝致します。

 

株式会社 エイ・アンド・ディ 代表取締役 大鹿 潤一

 

 

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2014年1月25日(土)名古屋市昭和区広路町松風園付近にて南天を撮影

 

 

弁護士の素養

 

私が期待する弁護士の素養には、次の3つがある。

 

[1]ハングリー精神

 

ハングリー精神と聞くと、アップル社元CEOの故・スティーブ・ジョブズ氏が2005年に米スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチの「Stay Hungry. Stay Foolish.」という一節を思い起こす人もいるのではないか。

 

ハングリー精神とは、英語の“hungry”に由来し、現状に満足することなく、より高い目標を目指して死に物狂いで挑戦し続ける姿を指すが、要するに、飢餓状態で生き抜くために集中力を発揮し必死になる姿を指すのであろう。現在の日本では、ハングリーな姿勢は、時に「ガツガツしている」とネガティブに捉えられることもあるが、目まぐるしく変化する今日のグローバル社会で生き残るためには欠かせない姿勢である。同様に、火事場の馬鹿力とは非常事態に直面した時に思いがけない力を発揮するという意味である。脳は、筋肉を動かしたり、行動を起こしたりするとき、普段は70%~80%程度の力しか出さないよう、コントロールしているが、危機的状態におかれると、脳のコントロール機能が外れ、100%の力を発揮できるそうだ。飢餓状態などの非常事態においては、人は普段以上の力を発揮するものであり、物事を成し遂げる力も強靭になるのであろう。

ただ、他律的に窮地に追い込まれたときに反射運動として馬鹿力を発揮するのとは異なり、衣食住足りてそこそこの満足感のある状態のなかでハングリーな気持ちを高めることは、ある種の高等なフィクションであり、よほどの強い克己心・向上心・自律性・問題意識を備えていないと非常に難しい。経済的な苦労のない学生が多いであろうスタンフォード大学で、ジョブズ氏が敢えてハングリーという言葉を持ち出したのも、恵まれた環境にあったとしても、より高い次元でのハングリーを自分の力で生み出して自らの可能性に挑戦せよという温かい激励だったのだろう。

このようなハングリー精神で物事に取り組むか否かによって、5年後10年後には、成長に大きな違いが生じることを、私は実際に多く見てきている。

[2]人柄


方、依頼者が弁護士に期待することとは、いったい何だろうか。この連載の第1回目でも述べたように、弁護士人口が増えたことにより、現在の日本は依頼者が弁護士を選ぶ時代になった。弁護士が、依頼者に尊大な態度や嘲笑する態度等をとってはいけないことは、言うまでもないだろう。依頼者にとって魅力的に思えるアピールポイントが弁護士に備わっていてはじめて、依頼者は具体的にその弁護士に仕事を依頼するかどうかの検討に入るものである。そして、依頼者がいなければ、弁護士として成り立たないと銘記することが、弁護士としての営業の出発点である。

依頼者が弁護士を選ぶ際に重要な決め手となるのは、まず弁護士の人柄(人間性)であろう。加えて謙虚で勉強し続ける弁護士が選ばれる時代になっている。講演にしても、執筆にしても、それが勉強の証となり、営業活動の大きなツールとなる。

何より若手のうちに基本的に要求される資質は、誠心と責任感である。誠心・責任感の有無は、自己の満足によって測られるものではなく、依頼者の評価によるものである。

誠心・責任感を表現するために、まず基本となるのはコミュニケーションである。依頼者の大半が企業である場合には、この評価は一層公平、公正であると共に峻厳に行われることを忘れてはならない。

唯救いは、努力・精進・気配りがあれば、そして、それが誠心・責任感に通ずるものであれば、能力を充分補うに足るといえることである。

また、業務遂行にあたって一番大切なことは、依頼者に安心感・満足感を与えることである。依頼者は絶えず弁護士を考課していることを忘れてはならない。その際、先に述べたコミュニケーション能力は元より、人間としての力量、人間性にも評価が及んでいることを忘れてはならない。

 

 

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2014年1月25日(土)13:16
愛知県名古屋市瑞穂区の蕎麦屋「そば 安江 瑞穂店」にて山茶花を撮影
花言葉:「困難に打ち勝つ」「ひたむきさ」 

 

 

間接的な営業

 

現在私が経営する法律事務所では、北京と上海にも事務所を設けているが、中国関係で意識していることは、然るべき立場にある人との繋がりを大事にし、持続する努力を怠らないことである。そのためにも、経営者を対象としたセミナーを企画し、実際に出席されるのが担当者であっても経営者宛に招待状を送付して、プレゼンス(存在意義)を高めることが大切なのである。

 

また、東京事務所では、マスコミ関係の方との繋がりも非常に重視しており、折に触れて自分の意見を取り上げていただくことで自分自身も精進しネームバリューが上がり、講演の依頼や取材を受ける機会も増えてくるだろう(講演や取材については後述する)。

マスコミのマス(Mass)とは「大衆」という意味である。マスコミは、大衆に向け情報を発信することで、大衆を啓蒙する、という使命を担っているのだ。

日本新聞協会の『新聞倫理綱領』には、「新聞は歴史の記録者であり…新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によって…公共的、文化的使命を果たすこと」とある。マスコミは、国民に対して知るべき情報を正しく発信し、国民の知る権利にこたえる役割を果たしているのであるから、私どもも、マスコミに働きかけて私たちの存在意義を知らしめることが必要である。

 

また、存在意義という観点から言えば、できるかぎり顧客と連絡が取れる状態を保つということも非常に重要である。弁護士は顧客の問題の解決のために力を尽くすことが仕事であるから、土日出勤はもちろん、年末年始も本当は働かなければならない。なぜなら、問題というものはいつ生じるか分からないものだからである。だから、朝9時から夕方5時までとか、土日出勤をしない、祝日出勤をしない、などと杓子定規なことを言っていたのでは、営業は成り立たないのである。当事務所は土日も含めて、学生アルバイトが、平日は夜9時まで、土日祝日は朝8時半から夜7時頃まで働いている。これは、弁護士事務所だけのことではなく、救急病院などにも言えることである。救急病院においても、一刻も早く連絡を取れるということが、問題解決の第一歩になるからである。いい話なら、報告・連絡・相談はそんなに急がなくても良いのだが、弁護士が働くのは、クレームなり、異議申し立てなり、あるいは訴訟なりという不安が渦巻く社会だから、顧客は誰しも一刻も早く不安を他人と連帯したい、そして少しでも不安から解放されたいという思いを抱えている。それを守るべき弁護士が、なかなか連絡を取れないとなれば、それは役に立たないということを意味し、弁護士の存在意義は大いに失われるだろう。

 

我々弁護士も高度専門職業人であるが、「高度専門職業人」とは、医師に代表されるように、高度の専門的水準において専門的性質の仕事に従事する者であり、その仕事を遂行するためには、大学・研究機関などにおける高度の専門的分野の訓練、又はこれと同程度以上の実務的経験が必要とされるが、弁護士も、この高度専門職業人として初めから高いレベルを要求されている。

弁護士が高度専門職業人として意見を言い、これがマスコミに取り上げられるということは、大衆を啓蒙し、国民の知る権利にこたえることになる。そうなると、その弁護士は一定のポジションあるいは権威ある地位が与えられる。それ故に、弁護士はマスコミと親密にならなければならないのであるが、それは問題意識を絶えず深化させる弁護士本人の勉強と連動するものである。

 

先ず隗より始めよ

 

何はともあれ、「先ず隗(かい)より始めよ」である。これは、中国の戦国時代に、燕の昭王が「どうすれば賢者を招くことができるか」と家臣の郭隗に尋ねたところ、「まず私のような凡人を優遇することから始めて下さい。そうすれば優秀な人材が集まってくるでしょう。」と郭隗が答えたという故事に基づいた中国の諺であり、「隗」とはこの郭隗のことを指す。要するに、物事は言い出したものから始めよという意味なのだが、この諺の通り、何事も、自分から積極的にやりださなければ始まらないし、先手をとって有利に事を運ぶこともできないのである。

 

私はイソ弁(雇われている弁護士)の当時から本を書くことに熱心だった。

最初に本を出版したのは、長野県経営者協会の『労研半年報』別冊5『団体交渉の円滑な運営のための手引 交渉担当者の法律知識』であった。これは、日本経営者団体連盟が発行していた『労働経済判例速報』に昭和45年3月から昭和47年11月に連載した「団体交渉覚書」(全15回)の最初の11回分を、長野県経営者協会専務理事の西原三郎氏(故人)が目に留めてくださり、小冊子にしてくださったものである。

次に昭和62年9月に『人事権の法的展開』を上梓した。これは、労働法学研究会報に昭和56年4月~60年5月にかけて全70回連載したものをまとめた書籍であった。その後の平成5年1月に、昭和54年8月に出版した『労使関係の原理と展望』と昭和57年12月に出版した『労働法理を活かす実学労務管理』を合本した『企業経営と労務管理』を刊行した。そして平成22年に『労使の視点で読む最高裁重要労働判例』を刊行した。

ここでは3冊を挙げたが、これ以外に出版した42冊の本にも、それぞれ思い入れがある。とにかく、本を書くことを自分の実践策としていたのである。

 

また、講演は弁護士3年目の昭和40年(1965年)頃から盛んに行っていた。1カ月に4、5回は行っていたと思うが、テーマはさまざまであったからこそ実力がついたと思う。講演のために、沢山の判例を読んだし、文献も見た。勿論、新しい問題に直面した時は苦しかったが、それを乗り越えてきた事が私の財産になっている。それは誰かに勉強しろと言われてやらされたわけではなく、自分自身で敢えてチャレンジしたのである。

具体的には、先に述べた『団体交渉覚書』も、『人事権の法的展開』も、自分から進んで連載をお願いしたのである。「先ず隗より始めよ」とは、「チャレンジ精神」とも言えるであろう。

 

ワンモア精神

 

最後に、仕事として成果を上げるには「ワンモア精神」で取り組むことが必要である。それは営業のためでもある。「一歩広く、一歩深く。」これは、 2000年10月20日付日本経済新聞朝刊に掲載された、株式会社東急コミュニティーの当時副社長であった黒川康三氏の言葉だが、こういった精神がなければ、成果につながらないからだ。例えば手紙がきた時、会社名だけ書いてあった場合どこの会社かわからない時がある。そんな時は、名刺フォルダーを見て確認すれば、社長の名前を確認して会社のことを思い出す時がある。この、名刺フォルダーを見ることが「ワンモア」ということだ。これが出来るか出来ないかで、成果は大きく変わってくる。勿論、ツーモアでも、さらにはスリーモアでも良い。

 

私の人生訓である山本有三の小説の一節を紹介する。

「たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか」(山本有三『路傍の石』の一節より)

以上

 

 

付録 鍼灸治療の可能性を探る

 

今回は、前回(1月17日)に関連して、土屋喬先生に「鍼灸治療の可能性を探る」というテーマでご寄稿いただきましたので、皆様にご紹介します。

 

20年近く前、鍼の当診療所の看板に「WHO(世界保健機関)の認定した鍼灸の効能、効果」を表示したら、保健所から削除するように通告された。個人の主観では無く、頭にWHO認定とハッキリ表示したにも関わらずである。 合点がいかず問い合わせたら、昔から効能、効果は表記できない(昭和28年に医療法施行規則(省令)第1条の9により広告の制限がある。以後内容の変更等はない)と回答があった。 嗚呼これで、真の真たる深遠にして崇高な歴史ある医術が単なる算術に変わったのかと、妙に納得したものである。

 

現在日本では、 鍼灸治療の対象の多くは、筋肉および間接の疼痛性疾患が占めるものと推測される。 その要因の一つは、鍼灸資格の国家試験において、意図的か否かは別として、結果的に西洋医学的といえる解答を求めているとみられる出題が大部分を占め、鍼灸学校のカリキュラムにおいても甚だ西洋医学的な、たとえば、 解剖学・生理学・病理学・症候学等がその主流をなしていると思わざるを得ないという事実があるからである。元よりそれらを履修する重要性を否定するつもりは毛頭無いが、湯液・鍼灸処方の決定に重要な役割をなす東洋医学的・古典的、解剖学・生理学・病理学・症候学についても、 「事実に反する」「荒唐無稽」 と一笑に付する前に、少しはその勉学の機会を与える必要があるのではないかと考えられるが、如何なものであろうか。

また、 卒業後の学習・研究課題として、それを取り入れることにより、臨床面においても、向上的成果が期待できる可能性があるかとも考えられる。それが、そのきっかけとなすことができるとするならば、本当の意味での漢西医結合という大道を達し、多くの難治性疾患の福音となる可能性は限りなく大きいといっても、過言ではないといえよう。そして、歴代医学書によれば、さまざまな疾患に対して鍼灸治療が行われており、 中国の各種専門書によると、近代においても難治性疾患等に対して鍼灸治療が行われ、目覚ましい成果を上げている記載を目にすることもしばしばである。

 

WHOによって鍼灸治療の有効性が認められている疾患は、以下のとおりである。

 

◆運動器系:
関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頸椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

◆神経系 :
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

◆循環器系:
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧症・低血圧症・動悸・息切れ

◆呼吸器系:
気管支炎・喘息・風邪およびその予防

◆代謝分泌系:
バセドウ病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

◆婦人科系:
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道症・不妊

◆小児科系:
小児神経症(夜泣き、疳の虫、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

◆耳鼻咽喉科系:
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・蓄膿症・咽喉頭炎・扁桃炎

◆眼科系 :
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・霞み目・ものもらい

◆生殖・泌尿器系:
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大、陰萎

 

以上の様に、WHOの認めた有効性を待つまでもなく鍼灸治療は、極めて広範囲な疾患に対応できるといえる。

 

これらのことを踏まえて私の言いたいことは、 医療に関する明治憲法下で制定されている法律を改定し、日本医学界に東洋医学専門の大学医学部を創設する必要があるのではないかということである。インドにおいては、アーユルベーダの大学、中国においては中医大学が存在するように。

 

因みに、明治天皇の御典医は、漢方医の浅田宗伯であったことを余談としよう。

(東邦大学医療センター大森病院東洋医学科顧問・ツチヤ鍼療所所長)

 

 

 

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2014年1月12日(日)朝8:33
東京都目黒区中目黒公園にて水仙を撮影
花言葉:「うぬぼれ」

 

 

はじめに

 

今後、「弁護士の営業」と題してブログを連載していきますが、この連載は、弁護士の方に読んでいただくだけではなく、一般企業に勤められている方、あるいは営業に直接携わっておられない方にも是非読んでいただき、営業のあり方を検討していきたいと思います。

今日の日本では、少子化が進み、皆さんの顧客がどんどん減り続ける状況にあります。営業を学ぶことは誰にとっても必要なことです。

そこで、50年間にわたる弁護士生活を振り返りながら、私の考える営業のコツを皆さんに提示していきたいと思います。

 

弁護士間の競争の激化

 

10年前までは1000人程度であった司法試験の合格者数が、2007年以降、2000人前後で推移するようになったため、現在、弁護士人口は急速に増加している。日本弁護士連合会が2013年11月に発表したところによれば、その数は33546人にのぼっており、総務省は弁護士の供給過多・質の低下を懸念して合格者増員の見直しを勧告するなどしている。また、法務省の統計によると、2012年に司法修習の卒業試験を合格した2080人のうち、363人が、就職先がみつからないため弁護士登録をしていない(2013年1月10日付法務省調べ)。

 

このように国内の弁護士間の競争が激しくなっていることはもとより、企業を取り巻く経済環境は依然として厳しく、事情通の話によれば、弁護士の顧問料・相談料とも全体的に値下がり傾向にある。さらには、今後、TPP等の国際協定が進展すれば、国外の弁護士・法律事務所との競争も本格的になる可能性もある。

 

弁護士業は、弁護士本人が既に実感しているように、“殿様商売”で成り立つ仕事ではなくなっている。クライアント側が弁護士を選ぶ時代になったのだ。

弁護士間の競争が激しさを増し、さらに社会状況の変化に対応する新法が多数立法化されるなかでは、弁護士としても法律事務所としても、常に新しい変化にも即応できる態勢をとり、社会で一定の存在感を保ち続けるための確実な営業努力をしなければ、成り立たない。

 

統計によれば、2013年11月1日時点の日本人の総人口は、前年同期比で22万人余も減って約1億2729万人となり(総務省)、2100年には日本の総人口は5000万人を割り込むとも言われている(国立社会保障・人口問題研究所)。現代経営研究所 竹山正憲代表取締役によると、日本の再興のための適正人口は、そもそも5000万人であるという。食料資源、エネルギー資源において他国に頼らざるをえない現状において、日本の総人口が減少しているのは、適正人口への回帰という現象なのではないか。人口が減れば、弁護士の仕事も必然的に減っていくだろう。これを前提に弁護士は真剣に営業をしなければならない。

 

営業の重要性

 

そこで、今、改めて「営業」について考えてみたいと思う。私がなぜ常々「営業」を重視しているかといえば、それは「販売即経営」という言葉を何度も味わってきたからである。

 

強い者が勝つのでも、智恵のある者が生き残るのでもなく、時代の変化に目覚め、それに鋭敏に対応できたものだけが生き残る。生き残るためには、競争力すなわち独自性、創造性を持ち合わせた弁護士になることである。

そのためには、まず、自ら営業に当たって、その労苦を味わう必要がある。自ら営業にあたることで、社会的なニーズを体感することができ、その中から独自性や創造性が生まれるのである。ある人の言葉をかりれば、「『足』を使って人に会い、『頭』を使ってニーズを掘り起こす」ということである。五感を使って情報を収集し、自分が感じた全体像を踏まえた上で、どういう戦略・戦術を用いるかを検討・決定するのである。

 

私は表敬訪問を重視しているが、それは現場の雰囲気や空気を感じられることは勿論、直接、相対して話すことでしか聞き出せない話もあるからである。

人と話すことで、新しい繋がりが生まれる。だからこそ、私は機会を見つけては人と会うようにしてきた。「営業は偶然と奇跡の連続である」「営業力とは、偶然を必然にし、奇跡を平常にする努力をいう」という私のテーマの一つが生まれたのも、人とのかかわり合い、語り合い、歓談の場においてであった。

人と人とを繋ぐことで新しいビジネスが始まる、私も会いたい人がいれば誰かにご紹介いただいて会いに行く。必ずしもすぐに自分の活動に繋がるものばかりではないが、誰かの仕事に繋がり、また、その輪が新しい何かに繋がり、自分の活動が次々に広がっていくのである。人と人との繋がりの輪を広げることが営業の第一歩となる。私が主催して様々な会合を開いているのもそのためである。経費削減が先に立って、人との繋がりを失っていくということは本末転倒である。人と繋がっていくことこそが重要な営業手法なのであるから、縁が広がり「縁が円になる」ことこそ、私が目指すものである。

 

本連載「弁護士の営業」について、ブログ読者の皆さまからのご意見、ご感想をお待ちしております。コメント欄にご記入ください。

なお、連載終了時に、いただいたコメントの中から幾つかを取り上げてご紹介することがございますので、あらかじめご了承ください。

 

 

 

付録「メンタルヘルスと鍼治療」(下)

 

今回は、前回に続き、土屋喬先生に「メンタルヘルスと鍼治療(上)」というテーマでご寄稿いただきましたものを、皆様にご紹介しております。

◎メンタルヘルスと鍼治療(上)/weblog/2013/09/9-1.html

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

【鍼灸治療の実践と症例】

 

[前言]

メンタル疾患について日本の医学では、その症候、病因、病機等により、癲(てん)症、狂症、鬱症、不寐(ふび:不眠症)、臓躁、百合病(ひゃくごうびょう:かつて神経衰弱と言われた症状に似た病状)等、様々に呼称分類している。私は、難しいことはさておき、臨床の場において即役立ち、即効果の期待できる簡易な鍼灸治療の実践を、秘すること無く共に学習したいと思う。

 

[基本穴(主穴)]

天神総、風府、風池、完骨、四関。

基本穴1;風府、風池、完骨。

 

①風府穴

位置;後髪際正中直上1寸、僧坊筋間の陥凹部。

解剖;後靭帯、項筋膜中。深部に、後環椎後頭膜、後動脈の枝がある。椎骨静脈叢と、第3頸神経、大後頭神経の枝が分布している。

主治;頭痛、頸部のこわばり、眩暈、咽喉部の腫脹、疼痛、脳卒中による言語障害、片麻痺、癲狂等。

 

②風池穴

位置;風府の両側、胸鎖乳突筋と、僧坊筋上端の陥凹部。風府と平交をなす。

解剖;深部に頭板状筋があり、後頭動静脈がある。

主治;頭痛、眩暈、後頭部のこわばり、疼痛、肩背部痛、目の充血、耳鳴、鼻炎、鼻塞、発熱、感冒、癲癇。

 

③完骨穴

位置;乳様突起後下方、陥凹部。

解剖;後耳介動・静脈の枝がある。小後頭神経の本幹が分布。

主治;頭痛、不眠、項頸部のこわばり、疼痛、口眼歪斜。

 

[症例(40代後半男性)]

・主訴;無気力感、頭痛

・現病歴;2004年某大学病院の神経科で鬱病と診断された。以後2回の自殺未遂、3回の入院治療をしている。2009年1月東邦大学医療センター大森病院東洋医学科受診。

・来院時の様子;緊張性頭痛、耳閉感、無気力感・焦燥感、不眠・早朝覚醒・睡眠時過呼吸、四肢冷感、梅核気、食欲不振、眼前のモヤモヤした異物感、過度の精神緊張などの多彩な症状を訴えていた。

・弁証;肝気鬱滞、痰瘀阻絡

・治則;疏鬱理気、化瘀通絡、醒脳化痰

・現症;淡紅軽度肥大舌・微黄色薄膩苔・舌尖紅・舌下静脈軽度怒張、脈浮弦滑、手指震顫

・経過;当初、半夏白朮天麻湯合補中益気湯等の漢方治療を行うが、症状の改善をみず、4月より鍼灸治療を併用。天神総(四神総の傍ら5分。※土屋新穴)・印堂透山根・天突・鳩尾・四関(太衡、合谷)など、ほぼ毎週1回瀉法で施術。数回の治療の後、上記症状の顕著なる改善が見られ、2013年10月現在、体調管理保持のため1~2ヶ月に一度の施術にて、上記症状の再発は見られていない。

・考察;本例は肝気が鬱結し痰血が体内に閉塞した証と考えられ、上記穴位に瀉法にて刺鍼することにより、症状の軽減をみた。鬱病の東洋医学的治療は、一般的に補法で行われることが多いような感触を得ているが、一貫堂医学の鼻祖、森道伯翁は「鬱病に対して帰脾湯・酸棗仁湯の類を持ち得るは、極めて稀なり、多くは龍胆瀉肝湯の症なり」と述べておられる。一考に値すると思われる。この症例のように一見すると虚証(体力・気力の衰え)のように見えても、「久病(長患い)は熱化し、又、必ず瘀血(血流の滞り)を生ず」という先人の言も想起し、参考にすべきではないかと思われるが・・・

 

(東邦大医療センター大森病院東洋医学科顧問/ツチヤ鍼療所所長)
ツチヤ鍼療所 静岡県伊東市岡広町1-6 TEL & FAX 0557-37-3219 
http://www.geocities.jp/tonkai_tsuchiya/

 

 

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