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2014年10月19日(日)東京都港区芝公園にてガーベラを撮影
花言葉:「燃える神秘の愛」「常に前進」

 

 

(10)心技体

心技体とは、「精神力(心)」「技術(技)」「体力(体)」のことであるが、私は66歳まで健康そのものだった。しかし、その66歳の時に1回目の脳梗塞を発症し、69歳の時に2回目の脳梗塞を発症した。そして、71歳の時に突発性難聴になり、現在は左の耳が聴こえず、右の耳は聴覚過敏症に侵されている。ようするに私は、病気に体が侵されており「体」が欠損しているのである。「技」とは私にとっては思考能力であるが、減退している。また、当然のことながら「心」も萎えてきている、というのが正直なところである。

以前、月刊ローヤ―ズマガジンで自分の人生の一端を述べたが(2011年7月)、弁護士の河合弘之君の書いた三一書房の「弁護士という職業」に当時の私のことが書いてあるが(1982年5月発行)、その中に『偽証しない、させない』という言葉を述べた。時には誘惑もあったが、私はこの言葉を貫いたのである。

私は、自身が信条として何十年も前に述べた事を実現するための努力を、71歳まで継続していた。具体的に言えば、既に述べた『偽証しない、させない』に加えて、『土日も働く』『国内旅行に行っても、海外旅行に行っても、飛行機の中で仕事をする』ということである。当時はそれを心意気として奮闘していたので、少しばかり弁護士としての華があったのではないかと思う。

ところで、「華がある」「オーラがある」「求心力がある」という言葉があるが、それらの本質は何だろうか。色々考えたが、結局は「幸せ感」ということになるだろう。「華がある」は、「美しくて、だれでも持っていたいと思うもの」と辞典では解釈されているが、その根本は「幸せ感」のように思う。私たちが女優や男優に酔っているときは、実は彼らが持つ「幸せ感」に酔っているのではないだろうか。弁護士たるもの、多かれ少なかれ、華があり、オーラがあり、求心力がなければならないし、それは多い方がいいに決まっている。なぜなら、クライアントは皆悩みをもっている。それゆえに幸せ感を与えることが大切だからだ。これが弁護士の営業の根本なのである。

以前、お客様から、「高井先生に相談をしに行った帰りは、事務所の入り口まで着く間に少し安心になり、市ヶ谷の駅に着くまでにまた少し安心になり、やがて会社の入り口に着くころにはすっかり安心している。段々と安心する度合いが強まっていくことが分かる」と言っていただいたことがある。これがまさに「幸せ感」を与えるということであろう。

お客様に幸せ感を与えるには、仕事に取り組む際に「思いを入れる」「心を入れる」ことが大切である。目の前の仕事を単なる作業と捉えて取り組んではならない。お客様のためにという姿勢で取り組まなければならないのだ。

ところで「思い」と「心」がどう違うかといえば、これは、私が労働の質的側面に着目して提唱している考え方であるが、「思い」はヘッドワークに、「心」はヒューマンワークに通じる点が異なるのである。主に手足を使う「フットワーク・ハンドワーク」の時代から、頭脳を使う知的活動がメーンとされる「ヘッドワーク」の時代に移り、現代は心を用いることが重要となる「ハートワーク」の時代となっている。豊かな想像力と良好なコミュニケーションによって相手の立場を十分に理解し、信頼関係に基づくつながりを形成することが求められているのだ。しかしさらに今後は、人間性が問われることとなる「ヒューマンワーク」の時代が訪れると予測している。

「ヒューマンワーク」とは、マニュアル経営と対峙する概念であり、人間性の原点に立ち返り、心身を限界まで尽くして、人として有する全機能をフルに働かせる労働を意味している。自分の限界に立ち向かうことで、自己の長所・短所と真正面から向き合う契機となり、人間としての本当の成長につながるのだ。無我夢中・一心不乱に人間の理想である「夢・愛・誠」を求め続ける働きこそが、民族や国籍をも超越した人類に普遍的な「ワーク」となる。これが「ヒューマンワーク」の行き着くところであり、労働においてはお客様が求めていることを提供し、「単なる」満足ではなく、「大いに」満足させることにつながり、お客様に幸せを実感させることとなる。即ち、心を入れて取り組むことが必要となるのである。

弁護士の営業の根本は、依頼者の法的トラブルをできるだけ早期に、かつ依頼者が満足を得られるような形で解決することである。そのためには説得の技術が必要だ。その説得の技術についていろいろ述べてきたが、結局は依頼者の得心を得ることなのである。すなわち依頼者が解決に向けて歩きだすことである。それが和解であれ、裁判の結果であれ同じである。それには、弁護士の依頼者への提案に対する意見から彼の本音を探るということである。いろいろと形を変えて提案しても本音がわからない時には、選択的提案をするといいだろう。A案かB案か、またはA案かB案かC案か、2つ3つに絞って質問しそれについての意見を表明してもらうことで、彼の本音の意見がにじみ出るものである。にじみ出たところに依頼者の得心へのきっかけがある。もちろん選択には「困難や代償は伴う。でも選択は人生の可能性を開く」(シーナ・アイエンガー、コロンビア大ビジネススクール教授、2012年8月4日朝日新聞beより)。このきっかけから提案を繰り返しながらきっかけの幅を広くし、依頼者の得心に近づけばいい。それは時間の経過とともにおのずから環境の条件が変わるから可能である。

弁護士として必要なことは、理性的であっても、温かく情が深い人間であるということである。それは、包容力とも言いかえることができるが、要は人の欠点を認める心が必要だということだ。相手を殺してはならないのである。どんな非情な相手であっても、相手を生き永らえさせなければならないのだ。こういった気持ちをもって対処しなければならない。

 

 

(11)良心

弁護士は血の通った人間でなければならない。人間愛に満ちていなければならない。人間愛とは、「人間が好きだ」ということから始まる。そして、それは他人を受けいれることから始まるのである。

弁護士の良心とは何だろうか?前述した『偽証しない、させない』という信条も良心の一つではあるが、そのほかには何があるだろうか?良心と職業倫理とは同一である、という説もあるが、その同一性は何によるものだろうか?『偽証しない、させない』という弁護士の良心があるなら、弁護するのに値しないとする事案の弁護をすることは弁護士として許されないのではないだろうか?欠陥がない人間はいないというが、逆にいえば評価すべきことを評価するのが弁護士なのではないだろうか。

隣人に対する大きな意味での愛情、包容といった基本的な資質と不断の自己陶冶の姿勢さえあれば、まさに弁護士の仕事は天職として意義ある仕事であり、精神的にも十分な満足が得られる仕事なのである。

併せて、「目的のために手段を選ばず」という言葉があるが、今はそのようなやり方では成り立たない。良心に背くようなやり方では、最終的な解決に導くことはできないので、目的のための最善の手段を選ぶことも忘れてはならないのだ。

 

 

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2014年10月19日(日)東京都目黒区中目黒公園にてダリアの蕾を撮影
花言葉:「栄華」「優美」

 

 

※ 「労働新聞」2010年2月22日 第2766号「髙井伸夫弁護士の<人事労務の散歩道>」より転載

 

グローバル化のなかの『ヒューマンワーク』

 

「できるなら、どうか心をつくし、能力をつくし、また、これまで蓄えた力を全て発揮して、出し惜しむことのないようにしてください」(『吉田松陰名語録』より)―この言葉は、全力で仕事をすることを旨とする「ヒューマンワーク」の本質を端的に表すものである。

 

私が今、「ヒューマンワーク」という概念を敢えて提唱して必要性を訴えるひとつの理由は、企業のグローバル化現象が急激に進み、企業間競争が激しくなっていることにある。グローバル化の進展の中で、各企業は多様な人材を抱え、多様な価値観、多様な民族性や国民性を統率したうえで、より大きな成果を生み出さなければならなくなっている。例えば、「集団主義」の日本人と「個人主義」の外国人のように根幹の部分で相容れない者同士でも、グローバル化のなかでは同じ組織で共に働き、互助と牽制の適切なバランスのもとで成長し成果を上げなければならず、その円滑なマネジメントのために、各企業は「ワーク」についてのグローバルな共通認識を構築する必要に迫られている。

 

企業のグローバル化に伴う人の問題では、①相互理解促進のために、対面コミュニケーションと電子メールによる効率化をバランスよく行う、②組織における価値観の多様性を尊重する、③共存共栄を図る人道的な行為を尊重する等に留意すべきであるが、その際の基盤となるのが「ヒューマンワーク」なのである。この概念は、損得勘定や利害関係ではなく、フェイス・トゥ・フェイスの関係が生み出す人間性への共感を最も重視する。

 

「フットワーク」の時代には、体力や手先の器用さ等の違いが企業や国の発展に格差をもたらした。そして、思い方・考え方・感じ方の斬新さが求められる「ヘッドワーク」の時代には、そうした能力は各民族の得手・不得手の特質やDNAレベルによって差異があり、格差が生じた。そのため、肉体労働や頭脳労働の段階では各民族の差異が強調され、共通点は見出しにくかった。

 

ところが、「ハートワーク」ではまさに人間としての「真・善・美」や「良心・善意・連帯心」が重要になるため、民族間の違いは比較的小さくなってくる。ただ、「良心・善意」のあり方は、各民族性によって尺度の違いが大きいといわざるを得ないし、余りにも繊細すぎる表現や技巧的な手法は普遍性を失い、民族性や文化が異なる相手には通じない。

 

この点、「ヒューマンワーク」では、“人間らしさ”そのものが問われる。大きな困難に直面したときでも、逃げずに肉体と知力の限界まで気力をふりしぼって頑張る姿こそが、あらゆる垣根を越えて胸を打つのである。全人間性をかけて「血と汗と涙の結晶」を育くむべく「夢・愛・誠」を求める真摯でピュアな仕事ぶりが、様ざまな差異を超えて普遍的な価値観をもたらし、顧客獲得にもつながる。そして国際的企業の行動規範に必ず登場する“integrity(高潔・誠実)”もまた、多様な背景を持つ人々に共通に適用できる概念として、「ヒューマンワーク」の重要な要素となるであろう。

 

全ての違いを乗り越えて共有できる概念をいかに組織の中に定着させ得るかが、企業がグローバルに発展するためのカギであり、そのための大きなヒントが「ヒューマンワーク」なのである。

ヒューマンワークの必要性


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2014年10月19日(日)東京都港区有栖川公園付近にて
金木犀(きんもくせい)を撮影
花言葉:「謙遜」「真実」

 

※「労働新聞」2010年1月25日 第2762号「髙井伸夫弁護士の<人事労務の散歩道>」より転載

 

ヒューマンワークの必要性

 

 

人の労働の価値基軸は、社会の進歩や変化とともに変わってきている。

 

労働の質的側面に着目すると、主に手足を使う肉体労働がメーンであった「フットワーク・ハンドワークの時代」から、頭脳労働・知的活動がメーンである「ヘッドワークの時代」へと変化してきている。さらに、主に心を用いることが重要な要素である「ハートワークの時代」へ変遷してきたことが分かる。

 

今は、社会のソフト化に伴い、頭脳労働による成果が大きな価値を生み出している時代からさらに一歩進み、「ハートワークの時代」へと移行しようとしているとみてよいだろう。

 

「ハートワークの時代」における社会では、「真・善・美」が求められ、「良心・善意・連帯心」を旨とする「心」を大切にすることに大きな価値が置かれている。

 

「良心」とは、自分の心に恥じない姿勢で生きること(コンプライアンス・内部統制等の視点)であり、「善意」とは、他人の心を慮って行動すること(顧客満足度の視点)であり、「連帯心」とは、豊かな想像力と良好なコミュニケーションによって互いに相手の立場を十分に理解し、信頼関係に基づく人間的つながりを基盤として何かを成し遂げようとする関係性を意味している。

 

そして近い将来には、「ハートワーク」よりもなお一層人間性如何が問われ、さらに上位に位置付けられる「ヒューマンワーク」という概念を意識しなければならない時代が到来するだろう。

 

私が提唱するこの「ヒューマンワーク」とは、マニュアル経営と対峙する概念であり、人間性の原点に立ち返り、心身を限界まで尽くして、人として有する全機能をフルに働かせる労働を意味している。人は、自分の限界ギリギリまで働くことで初めて自分の限界を知るものであるし、またそれが自己の長所・短所と真正面から向き合う契機ともなり、人間としての本当の成長にもつながる。いわば全人教育の成果として為し得るのが「ヒューマンワーク」なのである。

 

これは、労働の意義を考えるにあたっては、「手足(フットワーク)」「頭(ヘッドワーク)」「心(ハートワーク)」というような細分化した発想ではなく、労働はまさにそれらを統合したうえでの完全なる人間性の発揮の場であり、勝負を決するリングであると捉えるべき事象であるとして、私が命名した造語である。

 

別の表現をすれば、「ヒューマンワーク」とは、“人間らしさ”を基調とし、真剣味をもって「熱血・入魂・本気」を具体化する自己表現であり、全人格・全人間性をかけて全身全霊で「血と汗と涙の結晶」を育くむべく、無我夢中・一心不乱に人間の理想である「夢・愛・誠」を求め続ける働きである。これこそが、民族や国籍を超越した人類に普遍的な「ワーク」であると言えるだろう。

 

どんなに些細なことでも相手のことを考え、デジタルではないアナログな肉声が伝わるように一生懸命に尽くし、努力の「結晶」を見せることができれば、猜疑心や反発で頑なになった相手の心でさえも和らぐ。

 

また、クライアントに対しては、幸せを実感させることが大切になる。これが実は「ヒューマンワーク」の行き着くところであり、労働においてはクライアントが求めていることを提供し、単なる満足ではなく、大いに満足させることが重要になるのである。

 

 

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2014年10月11日(土)
東京都目黒区中目黒公園にてカモミールを撮影
花言葉 「逆境で生まれる力」

 

 


①判断力・決断力

 

弁護士が決断をする際に重要となるのは、予断と偏見があってはならないということである。予断と偏見があるということは、自分の視点、視座、そして価値観がいびつだということである。これらがいびつだと、営業をはじめとして全てのことに悪影響を及ぼすので、弁護士は務まらないのである。

法の適用が杓子定規であったり、硬直的であったり、固定観念にとらわれたりしてはおよそ有害無益である。多面的でしかも複雑な諸要素を巧みに看取し、法を包摂した人間行動の指針を見出すためには、極めて微妙にして細心、しかし柔軟性もある大胆な決断が要求されるのである。

弁護士の与える助言等は法律家としての大局観によるものであるため、必ずしも依頼者の意向と合致する訳ではないが、法律にもとづいて大局的な判断をすることこそ弁護士の役割である。この弁護士としての大局観というものは、弁護士一人ひとり、裁判や相談時に培われ打ち立てられていくものである。「これは、勝ち筋であろうか?負け筋であろうか?」と大局的に判断することに始まるのである。他にも、色々な手続きの中で培われる大局観がある。要するに、些細なことにこだわらず大きな視点から全体を見てどちらの言い分が正しいかを判断するということである。

私の弁護士としての大局観を培ったのは、人を見極めようと努めた経験であろう。相手が嘘つきであるかどうか、暴力的な言動に出ていないか、おおらかな所があるか、あまりにも細か過ぎて、そして牽強付会でないか、さらには、金銭的にやましいところがないかどうかといったことを見極めようとしたのである。また、最終的に裁判官という存在を意識することも重要だろう。

その他にも大局観を養うために必要なことは、当方の弱点は何かを見極めることである。弁護士として必要なのは、弱点を見極めた上でそれを補強することである。そして相手の弱点を覚知して常に意識し、それを当方の力点とすることである。

将棋棋士の羽生善治氏は、将棋を指す上で必要な要素は、まず直観と読みで、3番目の要素として大局観があると述べている。しかし、私にとっては、まず大局観があって、その後に直観があって、読みがあるというような感じである。しかし、順番はともかくとして、大局観は生来生まれ持った先天的なものが大きいであろう。もちろん後天的に会得する人もいるだろうが、ごく少数だろうと思う。

弁護士は勇気を要求される。助言を決断する勇気である。それはいかなる助言であっても万全ではなく、絶えず問題点、欠点をはらんでいるからである。そこで勇気に加えて気配りが必要となる。

そして、クライアントの意向と合致しない(クライアントに不利な)ことを発言することは勇気がいるが、それが一旦クライアントの反感を招くにしろ、クライアントに迎合的な発言ばかりしていては法律家として役に立たない。クライアントの意向に合わない発言をしても、最終的にクライアントに納得してもらえるようにするのが優れた弁護士である。

 


②記憶力

 

弁護士に必要な能力の一つに、記憶力がある。特に事実関係について、事案の当事者がふと漏らした関係ないと思われる一言でも、後に事案の解決に大きくかかわることがある。だからといって、弁護士であるものが全員記憶力に優れているという保証はない。記憶力というのは元来個人差があるものだし、年齢によっても、差が出るものである。また、どんなに記憶力のある人でも、あまりに古いことだと記憶を失うことがある。

そこで、私は思いついたことをすぐメモするようにしている。メモをすれば、覚え続けることはできなくても、メモを見て思い出すことができるのである。このように、弁護士には記憶力が求められる。もし、記憶力が足りないのであれば、メモ等のツールを駆使して補わなければ、弁護士は務まらない。

そして、記憶を失った場合でも、実は諦めてはならない。考え続けているとふっと思い出すこともあるし、何かのことがきっかけで連想的に当時のことを思い出すこともあるからだ。

 

 


③石にも目がある・閃き

 

弁護士活動の基本は、勝つべき事件については一日も早く勝つ体制に持ち込むことであり、私はそれを目指して「石にも目がある」という教訓を実践してきた。

私は、弁護士登録をした1963(昭和38)年4月、「孫田・高梨法律事務所」に入所し、孫田秀春先生に師事した。孫田先生から教えていただいたことは数多くあるが、そのうちの一つに、この「石にも目がある」という教えがあった。硬い石でも弱い点、筋目を突けば割れる、という剣聖塚原ト伝が剣術の極意を悟ったエピソードであり、これは自分の手に余る大きな仕事もどこかに必ず「目」(弱点・筋目)があり、そこを狙い突破口を開けばよいという意味である。見えるものだけに拘泥せず、弁護士活動も「目」を発見して核心を捉える能力、瞬時に「目」を見出す能力が必要なのである。

「目」を見出すことは、「閃き」と言いかえることができるだろう。同じ問題をひたすら考え続けていると、何かの瞬間に思いつくことがある。これが「閃き」であるが、それは素人には感じることができないものであり、着眼点を明示するということである。閃きのない弁護士は、お客様から「わかりきったことしか言わない」「相談した意味がなかった」と言われてしまうだろう。

 

人的資本の価値を高めるキャリア権


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2014年10月8日(水)
東京都港区虎ノ門4丁目にてランタナを撮影
花言葉 「協力」「合意」

 

 

 

「人的資本の価値を高めるキャリア権」

 

 

日本の国力の劣化を社会資本という切り口からも私に意識させたのは、「このまま何もしなければ、東京オリンピック開催50周年の2014年は、同時に『日本の社会資本崩壊元年』になる恐れがある」(根本祐二氏)というコメントであった(『エコノミスト』2011年7月号)。

 

この記事を読み、人事・労務問題を専門とする弁護士として直感したのは、社会資本と並び国力を支えるもう一方の柱であるヒトの仕事の能力の問題であった。どれほど優秀な人材でも本気で勉強し続けなければ力が落ちるのは当然だが、能力の劣化は、建造物や道路等のよりも外見からはわかりにくい。

 

 

これより前、私は、諏訪康雄先生(現中央労働委員会会長)が大学院で教鞭を執られていた2007年7月に、先生が予てより提唱されていたキャリア権概念の存在を直接ご教授いただく光栄に浴し、この考え方を勉強して社会に広め立法化することをめざし、キャリア権研究会(座長・諏訪先生)を主宰した(2008年4月~2010年5月)。そして、研究会の成果は「報告書」にまとめ刊行した。

 

キャリア権概念とは、法的議論はおき、要は働く者が自らの能力を高め、個人も企業・組織も共に発展することにより、社会全体の力を高めようとする考え方である。自らの能力とキャリアの向上のために努力する個人へのバックアップを、国をあげて行う必要があるとするこの新しい概念は、当然に国力向上に資する。ただ、いくら高邁な理想でも社会に浸透しなければ意味がない。本研究会を契機にこの4月(注・2013年)にNPO法人キャリア権推進ネットワークが設立されたが、キャリア権を社会に普及するには、企業も含む万人が納得する大義名分が必要である。

 

この点、本や資料を乱読し模索していたところ、「日本が豊かさを維持するためには、いかに人的資本を増やすか、そのことにかかっている」という一文に、発想のヒントを得た(2012年12月28日付日経新聞夕刊「あすへの話題」青柳正規氏「国の豊かさ」)。日本は水以外の天然資源に恵まれないため、社会的に生み出した成果、いわば社会資源を富ます以外に豊かさは得られない。社会資源には、物的な社会インフラ等である社会資本と、教育や労働力等の人の価値の総和としての人的資本があるだろう。日本の人口は減少し続け、2100年には今の半分以下、5000万人足らずになるという予測もある。単純に考えても、人的資本の価値を倍増させなければ日本は今の豊かさを維持できないのだ。

 

人的資本の価値を高め、国としての豊かさを保つための重要な方途として、まさにキャリア権概念は位置づけられるべきなのである。こうした大きな思想の中でキャリア権を捉えてこそ、初めて、社会一般にも企業や政治家にも受け入れられる素地ができる。多くの人・組織・団体がこの考え方に関心を持ち、NPO法人の活動に参加してくださることを願っている。

 

◎ NPO法人キャリア権推進ネットワークwebsite http://www.career-ken.org/

 

※ 高井・岡芹法律事務所2013年4月25日発行事務所報「Management Law Letter」No.98より転載

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2014年9月27日(土)
東京都目黒区青葉台1丁目にてダリアを撮影
花言葉 「栄華」「華麗」

 

 

アベノミクスの終焉

 

 

高井先生の「無用の用」に当コラムの執筆を始めてはや1年以上が経つ。月日の経つのは早いものだ。いまから1年ほど前といえば、安倍晋三総理大臣が「三本の矢」をかざしてアベノミクスなる経済政策を華々しく打ち出した頃である。

 

経済政策といえば聞こえはいいが、なんのことはない、「拡大均衡」にて金をばらまくだけである。国の借金が天文学的に膨れ上がっているというのに…。どんな親でも、子どもたちには「収入に見合った生き方」「身の丈に合わせた生活」を教えるものだ。こんなことは常識である。借金が1200兆円もある国では縮小均衡の政策をとるのが当たり前なのだが、それを拡大均衡で金をばらまくとは、それも、それをまともな経済政策として「アベノミクス」とのフレーズを付けて、だ。

 

アベノミクスに対する懸念を抱いているは私だけではない。安倍総理の経済政策に“噛みつく”ように当初から「批判の矢」を射てきたのは、高井先生である。それも鋭い論調で切り捨てるところの、容赦ない批判である。

 

当初は、マスコミも国民の多くもアベノミクスをもてはやし好景気の宴に酔っているかの様相があった。しかし、最近では、高井先生が声を大にして説いていた「アベノミクスの負の部分」に、皆が気付き始めているとも感じられる。

 

国際機関も冷徹な分析をするようになっている。10月7日のロイター通信によると、《IMF(国際通貨基金)は、7日発表した最新の世界経済見通しで、今年の日本の経済成長率予想を0.9%とし、7月の時点から0.7ポイント引き下げた》とのことだが、これは先進国の中で最も大きな下方修正である。さらに、消費税「10%」が議論されているからして、今後、消費はさらに冷え込むことは間違いないだろう。

 

安倍総理の限界は、アベノミクス=経済政策だけではない。9月3日、第2次安倍改造内閣が発足したが、その陣容をみると、果たして国益を最優先にした適材適所を貫いたといえるのか、疑問なしとしない。

 

しかし、安倍氏を総理大臣にしてしまった責任は、我々国民にあることを忘れてはならない。英国のある社会学者が語っていたとおり、「その国のトップと国民のレベルは比例する」のである。

 

もうすぐおとずれるであろう「アベノミクスの終焉」に対して、私たちは万全の策を考えておかなければならない。

 

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2014年9月14日(日)7:19
東京都中目黒公園にてキバナコスモス(黄花秋桜)を撮影
花言葉:「幼い恋心」

 

 

 

今回も、5月30日付記事より連載しております、私がお世話になっている長生堂 院長 齊藤治道先生によるエッセイ「自然治癒力を生かす『重心七軸調整法』」をご紹介いたします。

 


齊藤 治道  略歴

1954年 宮城県生まれ。23歳から治療の道に入る。
長生学園で長生医学(整体療法)を学び、関東鍼灸専門学校で鍼灸治療を学ぶ。
厚生労働大臣認定(鍼師、灸師、指圧マッサージ師)の免許にて開業。これまで述べ15万人あまりの相談者を施術。
各種整体、カイロプラクティックやOリングテストをはじめ鍼灸等東洋医学の研究、研鑽の結果「重心七軸調整法」の治療体系を編み出す。
長生堂(東京オフィス、仙台オフィス)院長
健体康心の集い(自己整体法である導引法を指導)主宰
著書 「図説導引法」(非売品)
日本長生医学会会員。日本バイデジタルOリングテスト医学会会員。少林寺拳法五段。

 

 

 

◆ おわりに~ 『われ、我が主治医なり』

 

 

『人生最大の宝』は、何と言っても『健康』である。お金が無いのも困るけれど、健康であれば何でも出来ます。怠け者で無ければ、生きて行くだけの経済活動は誰にでも出来るはずである。何はなくとも幸福の基となる健康こそが第一なのです。

 

冒頭でも述べた様に、健康である為にはそれを支える『三つの条件』があります。それは

 

『調心』
= 前向きで明るく、希望を持って生きていける心

『調身』
= 筋肉骨格系のバランスが良く、身体の構造に歪みが無いこと。

『調食』
= 血液や細胞を造るのは食べ物です。身体に良い食材を使い、バランス良く腹八分目とし、夜九時以降は食べないように心がける。(夜食は体調を崩す元です。お腹が空いてどうし様もない時には、お粥かうどん、あるいは牛乳を温めて飲み、お腹をごまかして寝る様にすると良いでしょう)

 

 

これら『三つの条件』が調っていると、内なる叡智(本体)である『先天的知能』に邪魔が入らず、その人の生命活動は十全に行なわれて、一番いい健康状態を表現出来るのです。つまり、脳からの生命(活動)エネルギーが全身に100%で伝達されているので、『自然治癒能力』も100%発揮されているわけです。もちろんこれに、質の良い睡眠が加わることは言うまでもありません。

 

病気や体調不良は、突き詰めると、ほとんどが自分自身の無知が原因であることに行き着きます。生活の為に働き過ぎたり、不規則で無茶苦茶な食生活をしたり、『健康の三原則』からほど遠い生活を繰り返して来た結果に他なりません。体調がおかしいと感じたなら、それは『健康と言う軌道から外れてますよ!!』と言う、内なる自分からの軌道修正を促す『シグナル』と理解すべきでしょう。

 

『調心、調食』は自己責任であり、自分の気付きと努力次第で何とかなりますが、『調身=身体のバランスを整える』は、自分自身では中々気がつかないので専門家に指導して頂くのが一番良いでしょう。

 

『痛みや痺れ』と言うものは何処かに何らかの原因があり、それらの症状はほとんどが、結果として現れて来たものなのです。

 

病院を訪れる人の70%は現代医学の粋を集めた機器を用いて検査しても、原因不明で異常がつかめないと言われています。

 

例えば腰椎ヘルニアなどの場合、MRI(核磁気共鳴画像)などで診断するまでは良いのであるが、治療法となると、腰の牽引や痛み止めが医学的処置方法であろう。

 

それとて私に言わせれば、背骨を支える七つの土台(基礎)としての部位に、何らかの物理的原因がある為に結果として椎間板ヘルニアが起きたのである。パソコンに向かう時の姿勢が悪い為に頸椎ヘルニアになる人もいます。多くは背骨の中心軸に歪みなどのアンバランスが生じた結果、椎間板という軟骨が壊れてしまうのです。普段から背すじを良くする為の自己チェックを習慣化して行くことがとても大切です(姿勢も、自己責任です)。

 

そして『痛いとか辛い』と言う症状(結果)だけを抑えようとする対症療法にのみ頼ってばかりいても、なかなか本筋は解決するものではありません。その症状の原因となっている出発点を探り、大本から正すという根本的な治療法が必要なのです。

 

身体のバランスは『重力』という物理的自然法則に支配されています。そして身体は『動く構築物』です。『重心七軸調整法』という施術方法は、私(齊藤治道)が30年以上にわたる各種の手技療法という臨床研究の中で体系化したもので、姿勢バランスを良くし、身体に生まれながらに内在している『自然治癒力』を全身に行きわたらせ、本来の健康を自らの力で取り戻す為の究極の自然療法であります。

 

おわりに、『われ、我が主治医なり』とは、我々の身体に生まれながらに内在する叡智である『先天的知能』を言い表した言葉であり、教育された知能(認識している自己)のことではありません。教育された知能は、自己満足の世界で生きており、自由奔放的で、身体を壊す生活をしている事にも気が付かず日常を送っています。しかし『先天的知能』は常に身体を健康に保つ為に、どのような条件の中においても、ひと時も休まず、生命の限界を迎えるまで一生懸命働き続けるのである。

此の『我が内なる叡智=先天的知能』に迷惑をかけず、日々感謝しつつ毎日を送りたいものであります。

 

ゲーテ曰く、『人は自然から遠ざかれば遠ざかるほど、病に近づく』……なんと的を得た真理の言葉であろうか。

 

(長生堂 院長 齊藤治道)

 

計14回の長きにわたり、齋藤先生には大変わかりやすくご解説いただきました。ありがとうございました。

 

 

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2014年9月14日(日)7:03
東京都中目黒公園にて韮(にら)の花を撮影
花言葉:「多幸」

 

 

今回も、5月30日付記事より連載しております、私がお世話になっている長生堂 院長 齊藤治道先生によるエッセイ「自然治癒力を生かす『重心七軸調整法』」をご紹介いたします。

 


齊藤 治道  略歴

1954年 宮城県生まれ。23歳から治療の道に入る。
長生学園で長生医学(整体療法)を学び、関東鍼灸専門学校で鍼灸治療を学ぶ。
厚生労働大臣認定(鍼師、灸師、指圧マッサージ師)の免許にて開業。これまで述べ15万人あまりの相談者を施術。
各種整体、カイロプラクティックやOリングテストをはじめ鍼灸等東洋医学の研究、研鑽の結果「重心七軸調整法」の治療体系を編み出す。
長生堂(東京オフィス、仙台オフィス)院長
健体康心の集い(自己整体法である導引法を指導)主宰
著書 「図説導引法」(非売品)
日本長生医学会会員。日本バイデジタルOリングテスト医学会会員。少林寺拳法五段。

 

 

重心七軸調整法のまとめ(2)症例

 

※舌根沈下症(1歳男子)H25年8月17日  初診

生後間もなく、発熱し易い為専門医に診てもらったところ、『生まれつき』の舌根沈下症と診断された。大人並みのイビキをかくという。医師は感染症に罹患し易いので人の集まる場所に連れて行かない様に親に指示を与え、抗生物質を服用しながら様子をみて行くという。約1年近く服用し続けているにもかかわらず、其の間RSウイルスで1週間入院、その他ロタウイルス、急性気管支炎2回、手足口病等に罹患しているという。

 

Oリングテスト(OT)は母親で行う。扁桃腺、舌根部など咽喉周辺、左内耳、胸腺、気管支のエネルギー低下がある。これらエネルギーの低下部に対し手首と足首を用いてリセット調整、及び第一頸椎左側への調整を術者の中指先を用いて微細に、そして瞬時に調整する。

OTでは、この子の服用している抗生物質は身体に合わない事を申し伝え、遠方から来る事も考慮して、次の来院は調子が悪くなってから診る事とした。

9月、10月、11月とイビキもかかず、抗生物質を止めていてもすこぶる元気で調子が良かった。

 

12月14日に風邪を引いてから、またイビキをかきはじめたというので来院。数か所の調整施術を行う。その後すぐ元気を取り戻し再びイビキもかかなくなった。翌H26年2月末に3回目の検査入院が予定されている為、入院前に診てほしいとの要望があり2月中旬に施術を行う。

 

3月6日専門医の検査結果を即、当方に知らせてきた。それによると舌根沈下症は全く見られず、この病状に対する治療は今後不要である為、抗生物質も必要ないと医師から告げられた。もっとも抗生物質は、昨年8月から止めていることを医師には話さなかったそうである。『生まれつき』の舌根沈下症であれば、『重心七軸調整法』でも治療は難しく、おそらく出産時における頸椎への負荷が原因であろうと思われる。

長生堂 院長 齊藤治道

 

次回は、計13回に亘ってお話いただいた重心七軸調整法の最終回を掲載します。

 

 

 

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2014年9月13日(土)7:00
東京都神宮外苑付近にて彼岸花(白)を撮影
花言葉:「想うはあなたひとり」

 

今回も、5月30日付記事より連載しております、私がお世話になっている長生堂 院長 齊藤治道先生によるエッセイ「自然治癒力を生かす『重心七軸調整法』」をご紹介いたします。

 


齊藤 治道  略歴

1954年 宮城県生まれ。23歳から治療の道に入る。
長生学園で長生医学(整体療法)を学び、関東鍼灸専門学校で鍼灸治療を学ぶ。
厚生労働大臣認定(鍼師、灸師、指圧マッサージ師)の免許にて開業。これまで述べ15万人あまりの相談者を施術。
各種整体、カイロプラクティックやOリングテストをはじめ鍼灸等東洋医学の研究、研鑽の結果「重心七軸調整法」の治療体系を編み出す。
長生堂(東京オフィス、仙台オフィス)院長
健体康心の集い(自己整体法である導引法を指導)主宰
著書 「図説導引法」(非売品)
日本長生医学会会員。日本バイデジタルOリングテスト医学会会員。少林寺拳法五段。

 

 

重心七軸調整法のまとめ(1)「ハード面的調整法」と「ソフト面的調整法」

 

限られた紙面の中で重心七軸調整法の全てを記述することは不可能なことであるが、概略だけでも理解していただければ幸いである。

この治療体系の特徴をまとめとして簡単に説明すると、『ハード面的調整法』と『ソフト面的調整法』から構成されていることである。

基本的に『生命エネルギー』という流れが『脳という発電所』から、『脊髄という送電線』をはじめ自律神経系を介して全身を運営するシステムの中で、『Oリングテスト』という脳の反射機能を利用して診断していくのである。

 

(調整手順)

(1)ハード面的対応としてまず初めに、身体の構築的重心のアンバランスを正す。
これによって土台(基礎)を整えることが先決であり、基本である。

(2)次にソフト面対応として、身体各所の血流、筋肉及び軟部組織をはじめ眼、鼻、耳、咽喉、臓腑等全身のエネルギー伝達の正常又は低下、炎症や冷え等の有無を検出する。
エネルギーの低下部位は、その人の症状と基本的に一致しており、リセット(回復)する必要がある。

(a)エネルギーのリセット部位は重心七軸の中に存在しており、これを運営本部である『脳』からその情報(どこを、どうすれば活動エネルギーのスイッチがはいるか)を導きだし、軽微な刺激でその部位を瞬間的に調整する。

(b)リセットされた部位は、必要な活動エネルギーを得て、正常に戻ろうと回復し始めるのである。

(c)単純な異常(症状)はその場で消失、又は軽減していくのが、『重心七軸調整法』の特徴でもある。この様に瞬時に改善されるような場合、患者さんは一様にマジックをみている様だと表現する。然し乍ら、こじらせて複雑な症状や重症者は、回復する日数や施術回数も多くなるのは当然の理である。

 

※ 『重心七軸調整法は究極の自然療法』と言えるが、西洋医学を否定するものではない。身体の物資的限界を超えた場合、或は自然治癒の及ばない病気等に於いては無力に等しい。したがって病態により適応、不適応があるのは当然であるが、あくまでも生命エネルギーの伝達を正常に流すという基本中の基本を説く調整法なのである。

長生堂 院長 齊藤治道

 

 

次回は、重心七軸調整法のまとめ(2)として、先生が治療に当たられた症例についてお話いただきます。

 

 

 

 

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2014年8月31日(日)7時16分 東京都目黒区中目黒公園にて
マリーゴールドを撮影
花言葉 「悲しみ」「嫉妬」 

 

今回も、5月30日付記事より連載しております、私がお世話になっている長生堂 院長 齊藤治道先生によるエッセイ「自然治癒力を生かす『重心七軸調整法』」をご紹介いたします。

 


齊藤 治道  略歴

1954年 宮城県生まれ。23歳から治療の道に入る。
長生学園で長生医学(整体療法)を学び、関東鍼灸専門学校で鍼灸治療を学ぶ。
厚生労働大臣認定(鍼師、灸師、指圧マッサージ師)の免許にて開業。これまで述べ15万人あまりの相談者を施術。
各種整体、カイロプラクティックやOリングテストをはじめ鍼灸等東洋医学の研究、研鑽の結果「重心七軸調整法」の治療体系を編み出す。
長生堂(東京オフィス、仙台オフィス)院長
健体康心の集い(自己整体法である導引法を指導)主宰
著書 「図説導引法」(非売品)
日本長生医学会会員。日本バイデジタルOリングテスト医学会会員。少林寺拳法五段。

 

11-1 血圧の常識とウソ

日本高血圧学会のガイドラインJSH2000によると健康成人の場合120/80mmHg未満と低値に設定されている。140/90mmHg以上からは高血圧患者として扱われるのであるが、人にはそれぞれ個人差があり年齢とともに少しずつ高くなるのが当たり前で、30年程前は年齢に90を足した数が適正であると言われていた。血圧が下がりすぎてフラフラしたり気力がでないと訴える方に、服用している薬でOリングテストをすると適合していない事が判明する。

 

私はそのような方には、担当医に相談するようアドバイスしている。私達の周りを見渡してみて下さい。低血圧症の人は顔色も悪く、元気のない人が多い筈である。高血圧学会の今の基準では、下げる必要のない人まで病人にされてしまいます。血圧は(1)血液の量(2)血管の太さ(3)心臓の収縮力の3要素できまります。血液の量が増え、血管が細くなり、心臓が強く収縮すると血圧は高くなります。逆に、血液が減り、血管が広がり、心臓の収縮力が弱まると血圧は低下する。全力疾走や頭を使う時などストレスに際して、私達の身体は目的を達成するために限りある血液を実に巧妙に全身に配分します。皮膚や腸などへの血液量は少なくし、その分脳細胞や筋肉にまわします。そして酸素を多く取り入れる為に、気管支を広げてグリコーゲンをブドウ糖に変え、心臓の拍動を増やし、力を強めて血圧を上げます。

 

高齢になれば皮膚も老化してくるように、血管も老化して硬くなってくるので、血圧を上げて各臓器に栄養や酸素を届けているのです。必要性があって血圧を上げているので高いという現象だけを叩くのではなく、降圧剤に頼る前に血圧上昇の原因を取り除くべきなのである。

健康に対する薬の『リスク』を高くしない為にも、簡単に余計なクスリは処方しない方が良いし、服用しない方が良いのである。薬をやめたら体調が良くなったという笑えない話もあるのである。昨今薬の無駄使いが多すぎる様に思えてならない。

 

11-2 くすりに注意

慶應義塾大学医学部近藤誠先生の、『医者に殺されない47の心得』より抜粋。高血圧患者が44万人高コレステロール血症(高脂血症)34万人…日本には大変な数の『病人』がいることになっています。高血圧や高コレステロール血症の基準値と呼ばれるものがあります。『これ以上になったら病気』と診断する数値です。

 

病気ごとの専門学会がこの基準値をつくっていますが、談合体質で、根拠なく数値が決められています。特に高血圧の基準値の『操作』は目に余ります。1998年の厚生省全国調査の基準値は160/95以上でした。ところが2000年に、はっきりした理由もなく140/90に引き下げられました。98年の基準値を当てはめると、高血圧の日本人は1600万人、それが新基準では、3700万人もが高血圧になってしまいました。更に2008年に始まったメタボ健診では、19から64歳までで糖尿病や腎臓病を合併している場合、ついに血圧130/80以上が治療目標になりました。

 

高血圧の原因は、9割以上不明です。また、日本人の血圧を下げることによって死亡率が下がる、心臓病や脳卒中が減ると実証されたデータは見当たりません。大人になると動脈も老化して硬くなり、血液を先に送る力が衰えます。そこで、『体は歳を取るほど血圧を上げようとします。脳や手足のすみずみまで血液を送り続ける為。それを薬で下げたら、ボケたりふらついたりしてしまいます』。フィンランドで75歳から85歳までの『降圧剤を飲まない』521人の男女の経過をみた調査では、80歳以上のグループでは、最高血圧が180以上の人たちの生存率が最も高く、最高血圧140を切った人達の生存率はガクンと下がっています。なのに日本では、最高血圧130で病気にされ、薬で下げさせられているのです。

 

11-3 基準値を下げると儲かるのは誰?

その結果、製薬業界はホクホクです。1989年の国内の降圧剤の売り上げは、およそ2千億円だったのが2008年には1兆円を超えています。『基準値をササッといじって、薬の売り上げは6倍』。血圧商法、大成功です。

また、基準作成委員の多くが、製薬会社から巨額の寄付金を受けとっているのも問題です。例えば2005年に作成された、高血圧の基準も含む日本版メタボ診断基準の作成委員会のメンバー。そのうち国立大の医師11人全員に、2002年~2004年の3年間に、降圧剤などの製薬会社から合計14億円もの寄付金が渡っています。

 

いまだ悪者扱いのコレステロールも実は『長寿の元』です。1980年代に福井市の約3万7千人を5年間追跡調査したら、男女とも『コレステロールの値の最も低いグループの総死亡率が一番高く』、男性は血中コレステロール値が高い程、死亡率が低いという結果がはっきり出ています。

しかし治療の基準値は変わりません。コレステロール低下薬も、億単位、兆単位のお金を生み出す『打ち出の大槌』なのです。検査の数値を見ないで、体の力を信じて下さい。

 

長生堂 院長 齊藤治道

 

次回は、重心七軸調整法のまとめ(1)として、『ハード面的調整法』と『ソフト面的調整法』等についてお話いただきます。

 

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